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れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜  作者: 税抜き100円の中古本
第一章「レトロゲーム大好き少女との出会い」

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第十三篇「約束の時間通りにやって来るも天愛に割と酷い評価を受ける話」

「先輩お待たせしました」


 表情を殺した顔で天愛の顔がレイジの目に映る。

 レイジは呆れた表情を浮かべる。


「相変わらず出始めはスカした顔をしてるのな?」


 天愛も興味無さげ首を振る。


「こう見えても周りにはクールと呼ばれてますから」


 天愛の眉がピクッと動く。


「なにか悪いモノでも食べました?」

「なんでだ?」

「顔色が良くないですよ」


 レイジの顔がゲンナリする。


「気にしないでくれ。心底ショックなことを言われて未だに立ち直れてないだけだ」


 天愛の顔が意外そうになる。


「先輩でもショックを受けるんですね。世界の最期の日も普通にのうのうと生きて終わりを迎えそうな人なのに」

「お前は俺をなんだと思ってるんだ……」

「とにかく座ってください」


 近くのベンチを指差す。


「うぅ……」


 少し姿勢を正すように伸びをする。

 腕を下ろすと意外と大きな胸が制服の上からもわかるほどぷるんっと揺れる。


「なんのためにベンチがあると思ってるんですか……座らないベンチなんてただのガラクタですよ……ガラクタ?」


 なにかを思い出すように虚空を見上げる。


「今度はあれを教えましょうか……」

「なにを企んでるんだお前は……」


 勧められるまま半壊しかしているベンチに座る。

 天愛も隣に座る。

 持ってきていた小汚いカバンを漁りだす。


「男の子の先輩はパンチラ好きですか?」

「なにを言ってるんだお前は?」


 変質者を見るような視線を向けられるも天愛は大して気にした風も浮かべない。


「これは重要な話です。先輩が男のくせにパンチラが嫌いなんて言うならもしかしたらきのうふ」

「黙ってろ」

「うむぅ」


 口の中に指を入れ無理やり黙らされる。


「うぅぅうぅ」


 少しだけゾクゾクを感じるも慌てて口の中の指を吐き出す。


「ぶはぁぁ!」


 キッと睨む。


「その手のゲームを紹介してほしいならもっと仲を深めてからにしてください」

「いいからゲームを紹介しろ。昼休みは時間が少ないんだ」


 少し不満そうな表情を浮かべるも天愛は気を取り直す。


「埒が明かないから今は先輩がパンチラ好きということにします」

「するな!」

「で、今回は段階を踏んで紹介しようと思います。しなくっても面白いんですけどやっぱり比べたほうが面白いですしね。はい、PZP(プレイゾーンポータブル)」

「これ今朝の携帯ゲーム機か?」


 かばんから出された携帯ゲーム機を受け取る。

 レイジの目が少し興奮するように輝く。


「またテイルズオブストーリーを紹介してくれるのか?」

「それはまた今度でいいでしょう。テイルズオブストーリーはPZPでもたくさんありますし、ちょっとメジャーすぎますし」

「メジャーはあえて除外かよ」

「このゲームをプレイしてください!」


 ジャンッとPZP専用コンパクトDVDを取り出す。


「フォトラブゥ〜〜♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」


「フォトラブ?」


 コンパクトDVDを受け取る。

 天愛の顔が興奮したように輝く。


「3D美少女ゲームは不気味でギャルゲーとは相性が悪いというジンクスを打ち破った究極の神ゲーです!」

「近い近い!」


 鼻息がかかるまで顔を近づけられレイジは鬱陶しそうにすべすべの額に手を当てて無理やり近づく身体を引き剥がす。


(少しいい匂いがしたな……)


 不覚にも女の子の匂いでときめく自分に悔しさを覚えるのだった。



つづく

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