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怖い夢

第21章

 3人が証拠を集めるには手間がかからなかった。セカンド家とサード家は互いに罵り合い、罵倒し合い、口々に互いのずる賢さを白状していった。


 そして、この2家は人数が多く、何もせず多数の家族を養うには不正をして、他を蹴落とし、いがみ合って、最後は殺し合った。


 国王はしばらくこの2家族を宮廷内で、監禁することにした。


 王都にはそれでも不穏分子はまだ潜んでいる。もしかしたらS国のスパイのいるかも知れないと考え、国王はこのままコチャ領に留まる事にした。


 そんな中、ハナ国のシン国王から連絡があり、国内に確かにS国のスパイが存在していたと連絡が入った。


 カスター国王と協議の上、カタクリ国でも急速にS国の人間を探すことが行われた。

 

 「国王は宰相の話をどう思われますか?」

 

 「---我が国の結果を待ってだが・・・ここだけの話、少し信じている」


 「---私もです。宰相の話が事実としても、彼が、4国に対しての不誠実な対応により、危険度を増しているのではないでしょうか?」


 「今後、どうするかだが・・・S国は何年後にこちらに攻めいるのだろうか?」


 「宰相の話ではこの4国すべてが戦争状態になった時を狙っていたと言ってました。だから、時期を少しずつずらし、小さい戦争を起こして、マグマを貯めないようにしていたと・・・」


 「その方法がどうなのか?奴は、は~~~、しかし、本当に、君は、ハナ国の国王とは随分と親しそうだ?」


 「はい、若い頃にちょっとしたいたずらをしまして、その頃、まだ国王になったばかりで、すべての物が物珍しく、他国に憧れていました。国王ですが・・・国内が嫌いで・・・」


 「------」


 「しかし、最大の難関はグルガシ国の国王でしょうか?」

 「グルガシ国がしっかりしていれば、S国の侵入を止められるのではないのか?」


 「調べましたが、我が国とグルガシ国はそんなに交流が無いです。カタクリ国を挟んでいますし、塩もカタクリ国と同じ川からの生産になっています」


 「彼はもう60歳半ばで、まだ現役だ。皇太子が10代と聞いているが、指導力が丁度、落ちている時期だな?」


 「はい・・・・」

 「どうした?」


 「はい・・・グルガシ国は後継者問題が一番の問題です。ハナ国の協力で何とか皇太子誕生までこぎ着けたのですが・・・先程、シン国王よりの電話で・・どうも、その唯一の皇太子の体調が、優れないとおっしゃっていました。ハナ国に医師の派遣要請が来たと・・・そうなると、相当、悪いのかと思われます。今は4国会談に臨むことは無理でしょう」


 「あの国は塩や魚介に頼りすぎてる。何か生産性のものを築いていかないと国が滅びる」

 「はい、そして、グルガシ国が滅びると残りの3国も攻め入られる」


 「自分たちの国で手一杯なのにどうしたらいいのか?」

 「君は、こらからどうするつもりか?大体、軍隊を持たない国だと、一番最初に狙われる」


 「ええ・・・しかし、聞くと所によると、コチャ領の部隊は2000人と昨日聞きました。それも、精鋭部隊だそうです。いまのところ、この領地が一番安全だと考えています」


 「君・・・・レノミンの領に頼りすぎている」


 「はい、部下は、すべてレノミンさんの部下で、レノミンさん、グレース、エミリオの為に命も惜しくない、そして、頭脳明晰で身体能力もすこぶる高いです。すべて、前領主がレノミンさんに残した人達で、宰相が前領主を国王に押したのがわかります」


 「エミリオさんも、絵と文章でこの領土の多額の富をもたらしています。素晴らしい領主だと言えます」


 「君は・・・・」


 「僕は・・・国内の事はあの3人に任せて、国外対応に力を入れたいと思っています。4国で上手く経済が回って、向上することができれば、いいと思います」


 「君は・・・まったく、・・・言葉が無いよ・・・・」



 ある晴れた日に、カタクリ国の国王は、何人かの部下を別荘に配置して、ご自分のカタクリ国に出発していった。


 ドント宰相はこのままコチャ領に留まって、たまに国王が、別荘に呼んで詳しく話を聞くつもりだ。

 グレースは橋が出来上がったらカタクリ国に遊びに行きたいと言うと、国王は嬉しそうに頷いて、別れを惜しんだ。


 エミリオは学校に通い始めた。ダリアが侍女として付き添った。

 

 周りに沢山いる侍女の中では随分と年上だが、エミリオはダリアが大好きで、ダリアも皇子が大好きだった。


 エミリオは少しづつ健康を取り戻して、同世代の子供たちにも馴染んでいった。ダリアはレノミンの幼少期にも侍女として付き添いの経験があり、いつも、ポッケに食べ物を忍ばせての登校だった。


 風邪が吹けば飛ばされそうなエミリオの風よけも、ダリアには大したことが無いような安心感だった。


 落ち着きを取り戻した頃、やっと、『食いしん坊の妃とネズミの館』はオープンした。


 オープンの延期は3ケ月にも及んだが、それでも沢山の子供たちは待っていてくれた。


 この学校の比較的裕福な家の子供たちは毎日のように学校帰りにこの場所に集まった。それを見て、レノミンは勉強ができるオープンスペースを急いで設けたりした。



 バルトがソフトにBL小説の催促をしてきている。


 バルトは国に財政に携わっていたが決してコチャ領の事をおろそかにしない。


 今回、『食いしん坊の妃とネズミの館』が3ケ月も遅れてのオープンで、見込まれていた収益が0になってしまい、オープンスペースの増設もあり、その補填をBL小説で賄うつもりだ。


 ギシは宮殿での始末に大忙しで、宮殿を教育の場に替えて、優秀な人材を国王の為に、吸い上げていく方針だと語った。サンドロは500人の道路工事の監視と監督で、一番の興味はもちろん、国王の自動車だった。


 その時、レノミンは国王は車の運転が出来る・・・どこで習ったのだろうか?と思い始めていた。


 サンドロは機械関係に強いが車を見たのは初めてで、毎日、毎日、車の周りでウロウロしている。きっと、乗ってみたいのだろう・・・自分は田舎育ちでもちろん出来る。高校を卒業すると同時に免許を取ることは普通な事で、都会の子が免許なんて必要ないと言っていて、びっくりしたくらいだ。


 少しだけど、国王の事はわかってきたつもりだったが、注意してみるとおかしな事が多々あった。


 この前はバルトに計算の仕方を聞いていた。


 「へ~~インド式なんだ、でも、そこは普通に計算するんだね。流石です。凄いと思って、電卓が無くてスラスラ計算して、それも、間違えない。学校教育の必要を感じるね。宮殿がきれいになったら学校を併設して、優秀な人材を育てて、雇用して行こうと思って、ありがとう」と話しているのを思いだした。


 (この人??普通じゃない・・・きっと、私と一緒だ!! )


 それから、より一層、国王には近づかないようにしていたので、BL小説に取り掛かるのはやぶさかでない。


 シルキーに、いつもの様に小説を書き始めるから入室の禁止を告げた。


 「レノミン様、3巻に取り掛かるのですね?了解です。日中はお二人とも学校ですし、帰ってきてからも、お二人で過ごしていらっしゃるので、安心して下さい。お茶はこちらにご用意しておきます」と言って、いつもの様にすべての人の入出禁止にした。そして、体が震えているのがわかった。


 「国王に会ってからの自分の言動を振りかってみよう・・・大丈夫、そんなに口を聞いていない。国王は生まれた時から転生されたのかしら?いつからこの世界に??二人がベットを共にした時はきっと、すでにこの世界に来ていたの??・・・・・・どうしよう・・・」


 レノミンは小説そっちのけで全然、筆が進まない、心の中では、どうしようしか唱えてなかった。


 バレたら困るのか?それもわからなかった。


 小説は進まなかったが、二人で話した言葉を思い出せるだけ書いてみた。


 「えーーと、会って、こうで、あれ、それ、そして・・・・あの時は・・・うーーと、・・」


 思いっきり、絞り出していたら、そのまま机の上で眠ってしまった。そして、夢を見た。


 「なんだ、同じじゃん、転生して来たの?どこの出身?俺、東京だけど、案外、この世界、チョロいよね。もうすぐ4国が滅亡って、滅亡してもまた転生されるのかな?二人で今度は安全な場所がいいね。魔法とか使えて、のんびりスローライフにする?・・・そうなると真剣に考えるのが無駄になるね。----カタクリ国王とか面倒で・・・・」


 「いいえ、国王、私は、この領土と子供たちを大切に思っています。止めて下さい。滅亡してもまた、転生されるかわかりません。子供たちが・・・・国王、お願いです。国王、止めて!!! 」

 

 はっと、目が覚めた。汗がびっしょり・・・(ハアハア・・・ハア・・・)


 「---いつか国王に聞かなくては、子供たちを大切に思っているか?」


 「そう、確かめたい」


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