後日談:豪華絢爛なエラの結婚式
お待たせ致しました!
本日より、エラちゃんの結婚式編です。
さぁて、次は何が起きるのか、お楽しみに~♪
カレンの結婚式から二年、私の結婚式から一年後のこの日。ようやく、エラの結婚式を迎えました。大変考え深いです。
カレンは結婚式の後、直ぐに子供が出来て、たまに会う時に愚痴を言われました。私の結婚式の時は、産後初の外出だったそう。産後の日達に恵まれたみたいです。そして、カレンの二番目の子は、私の初めての子と同い年に生まれました。姉が経験を教えてくれますし、乳母の方が親切な方なので、助かっています。しかし姉よ、年子って。
・・・まぁ、私が悪阻が重いタイプだったのは、予想外でしたが、クリストファー様が溺愛と過保護パワーを発揮されまして、大変居心地が悪かったです。
幸いにも、産後の日達には恵まれ、一月もしないうちに、床上げが出来ました。だからこそ、無事にエラの結婚式に出れるんですが。カレンも、またしても、産後初の式典です。
「孫が生まれて、本当に良かったわぁ」
公爵家のご両親からは、心の底から、喜んで頂けました。・・・・・その節は、大変ご迷惑をおかけしました。鼻血に関しては、対策が取れましたので、大丈夫でしょう。・・・未だに、心配されますけど。もう、仕方ないで諦めています。
「男の子だし、跡取りね! 内面はエリーちゃんに似て欲しいわ」
満面の笑みでお義母様に言われました。公爵家の男性は、ヘタレなのだと、お義母様に聞かされました。何でも、好きな女性にのみ、効果を発揮するらしく、ご両親の結婚の際も、色々と大変だったみたいです。見た目は、クリストファー様そっくりの我が子・・・。内面、私にそっくりで大丈夫でしょうか? ヘタレも困りますけど・・・。
「お姉様・・・」
涼やかな声が、私の前からかけられます。うっかり陥った思考から、現実に戻されました。
勿論、私の前に居るのは、美しい伝統的な白いドレスを着て、可愛らしくメイクをバッチリした妹のエラです。しかし、愛らしいはずの顔も、今は緊張で強ばっています。まぁ、エラの結婚式は、我々以上のやんごとなき方との、まさに国の行事です。緊張するのは、仕方ないのです。
「大丈夫よ、エラ・・・貴女の結婚式ですもの、私の時みたいなハプニングなんて、起きようもないわ」
軽い口調にして、笑わせようとしたんですが。
「で、でも・・・」
余計に不安そうなエラには悪いですが、警備とか諸々を考えると、大丈夫だとしか思えません。それに未だに、クリストファー様との結婚式は、ハプニング結婚式として、社交界では揶揄されています・・・。それに比べれば、王家の威信がかかった結婚式が、失敗なんてする訳がないのです。
と、今まで見ていたカレンが、口を開きます。
「いつまで、ウジウジしてるんですの? アンジェリーナ、貴女、王家に嫁ぐ心構えは習っていたでしょう?」
「カレン! 言い過ぎです!」
姉のストレートな物言いは、今は誉められませんよ!?
エラを追い詰めて、どうするんですか!!
と、母がおっとりと口を挟みます。
「フフッ、それまでよ、カレン、心配なのは分かるけどねーーーーー大丈夫よ、アンジェリーナ、貴女ならね! ・・・本当に、大きくなったわね」
考え深いという口調の母は、エラに誰かを重ねているようにも見えます。きっと、母には母の想いがあるんでしょう。
「さぁ、エラ・・・・・これが、貴女のベールよ」
母は、後ろに居たメイドから、今までで一番大きなレースを受け取り、我々に見せました。王家の結婚式に相応しい、美しく繊細なレースのベールです。沢山の技巧が使われ、繊細なレースは、溜め息が付くほどの美しさです。一族の奥様方の、最高傑作と言えるでしょう。恐らく、歴代のお妃様方のベールに、匹敵するんじゃないでしょうか? それだけ素晴らしい出来なのですから。
「・・・お義母様」
呟くように母を呼んだエラは、目元が決壊寸前です。そして、メイク係のメイドさんが、ヒヤヒヤしたように、メイク道具とエラを、交互に見ていました。
「しっかりするのよ、アンジェリーナ、貴女の為のベールが、きっと貴女の力になるわ」
優しい母の思いが、伝わってくるような、そんな声でした。
ベールは、勿論、我々も心を込めて作りました。基本的に、ベールに使うレースには、サイズが決まっているため、大体はそのサイズで作り上げ、繋ぎ会わせていきます。大変でしたよ? 一族総出で作り上げたんですから! 力説できちゃうくらい、根気と時間がかかり、そして、出来まで計算された、美しいレース。私のより立派なのは、羨ましいですが、流石に被るのは怖いです。あまりに格式が高いレースですから。
・・・・・実は、試着は忙しいエラじゃなくて、背格好がそっくりな、私がやるはめになりまして。まさか、エラに見せる訳にもいかないため、ヒヤヒヤしながら、緊張しつつ、私がモデルになりました。壊さないかとか、汚さないかとか、凄く心配でした。二度と御免です!
「さぁ、アンジェリーナ・・・幸せになりなさい」
「はい! お義母様・・・」
満面の笑みを浮かべたエラは、本当に美しかったです。
我々は後を侍女達に任せ、参列者として、親族の一等席に案内されました。忘れていましたが、私は次期公爵夫人・・・、席へ向かう迄に、ご挨拶の方々が続きます。慣れたかと言えば、苦手ではありますが、努力だけは続けています。
「本日はおめでとうございます!」
「ありがとうございます」
そんな会話を、何度か繰り返し、ようやく席に着いた時には、申し訳ありませんが、疲労困憊でした。まだ、式すら始まっていないのに、大丈夫でしょうか?? 不安なんですが。
「エリー、大丈夫かい?」
心配そうな旦那様には、苦笑いで返します。そもそも、今日は王家主催の結婚式。あちらこちらに、式典用の服を着た騎士様や兵が居て、更には、国中の貴族が招待されています。後は、他国の王族や貴族の方々ですね。なので、会場は、ひとひとひと! 人だらけです。
私達の結婚式の時より、人が沢山居て、酔ってしまいそうです。
時間になり、会場にファンファーレが鳴り響きます。




