第15話 デビューは運命の出逢いです?
次回は、4月28日更新です。
その日は、朝から大忙しです。
お風呂に、マッサージ、化粧に着替え、コルセットに、ドレスに、更にはお飾りですよ? 朝から動いて、気づけば夕方・・・。母も皆も元気にしてますが、私は未だになれません。なお、エラは、楽しみが大きいのか、まーったく、疲れていないようでした。
・・・・・羨ましいです。私は未だになれません。
「エマ御姉様! 見て!」
準備が終わったらしいエラが、嬉しそうに私に向かって来てくれました。どうやら、着飾った姿を見せたいらしいです。可愛い妹です♪
「まぁ! 可愛らしいわ、エラ!」
エラは、可愛らしいデザインの白いドレスに、差し色のピンク色の宝石類を付けていました。可愛いエラには、本当に似合っていて、何処かのお姫様に見えます。髪は綺麗に結い上げています。社交デビューの日は、必ず髪を結い上げるのが、この国の決まりです。これで、エラも大人の仲間入りです。何だか、考え深いです。
「やっと、エラとパーティーに行けるわね」
私はお茶会にはよく行きます。これは、両親が一緒に行かなくても大丈夫だからです。社交デビューしてますからね。が、パーティーは両親と一緒なので、婚約者がいない限りは、参加できません。18歳の成人を迎えるまでは、これが決まりです。
「楽しみましょうね、エラ」
「はい! エマ御姉様♪」
美しく着飾った美少女の姿での、満面の笑みは、私には眩しいくらいでした。
さて、準備万端です。大きな馬車に乗って、我々は両親と共に、会場である公爵家へ向かいます。
馬車の中、父が感極まって泣いてしまい、母に慰められていました。今日は実の娘の社交デビューですからね。仕方ありません。
なお、カレンの時も、私の時も、父が同じく泣いたのは、まぁ、割愛しましょうか。
「あら、着いたみたいね」
母の呑気な声と共に、馬車の速度が落ち、気付けば止まっていました。ノックと共に扉が開いて、我々も外に出ます。周りには既にお客様が来ていて、かなりきらびやかです。流石、公爵家! 豪華絢爛なパーティーに、姉妹揃って固まってしまいました。
「あらあら、さぁ、挨拶に向かいますよ」
両親について、中に入ります。何処もかしこもきらびやかで、眩しいくらいです。エラは初めてのパーティーだからか、目が輝いています。中に入ると、白のドレスの方々や、白のタキシードの方々が目立ちました。どうやら、このパーティーで社交デビューする方々がいるみたいですね。やはり、あの王城からのパーティー開催の話は、かなり広がっているのでしょう。王子様に見初められる事を望む人々にとっては、大事な社交デビューですからね。気合いが違います。
「公爵様、本日はお招き頂きまして、ありがとうございます」
「やぁ! 伯爵! 今日は来てくれて嬉しいよ、家族の皆も楽しんでくれ」
「ありがとうございます、本日は末娘のアンジェリーナが社交デビューとなりますので、何卒宜しくお願い致します」
「そうか、それは目出度い! 今日は他にも社交デビューの方々がいてね、是非とも楽しいデビューとしてくれたまえ」
こうして無事に挨拶が終わりました。エラは、初めてですから、ホッとしていました。まぁ、まだダンスがあるのですが、第一段階はクリアです。
「カレン、久方ぶりね!」
元気に声をかけて来たのは、この家のご令嬢である、レイチェル様です。カレンとは仲良しなので、その縁で私も仲良くさせてもらっています。本日は綺麗な黄色のドレスです。髪型も流行の三つ編みを入れるスタイルで、キラキラした宝石が、更に彼女を美しくさせています。
「まぁ、レイチェル様、この前のパーティーぶりですわね、本日も素敵ですわ」
「ありがとう、エリーも久方ぶりね、貴女、あまりパーティーに出ないから、やっと会えて嬉しいわ」
アハハハハ・・・・。これは、仕方ありません。まだ、18歳になっていない私は、両親同伴ではないパーティーには、出られませんから。
「私もですわ、レイチェル様、本日はエラ、アンジェリーナのデビューなのです、この子も宜しくお願いいたします」
「お久し振りです、レイチェル様、アンジェリーナです、宜しくお願い致します」
実は学園で、我々は一緒にいる事も多く、仲良しでした。何だか学園の頃を思い出します。
「おや、皆さんお揃いだね?」
「お兄様! 驚かさないで!」
レイチェル様の後ろから現れたのは、彼女の兄、クリストファー様です。流石、公爵家の嫡男様。キラキラオーラは、健在でした。本日は、深い青のタキシードを着ています。
実は、学園でも何度かお会いしています。女学院と学園は、年に何度か、交流会があり、お会いしているのです。まさか、その時は、公爵子息であるとは、知りませんでしたから、社交デビューして、ビックリしたのを覚えています。カレンも口止めされていたみたいで、教えてくれませんでした。
「お久し振りです、クリストファー様」
カレンの言葉に合わせて、私とエラもカーテシーをします。頭を上げた時に、直ぐに気付きました。クリストファー様の後ろに、誰かいます。
「お久し振りです、皆様」
にこやかに話しかけて来たのは、知らない方ですが、多分、知っています。
「・・・・・王子・・・殿下・・・・」
私の言葉が、やけにハッキリ聞こえた気がしました。




