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ウィンタージュに憩いの羽音を  作者: 櫛田こころ
バレンタインデート当日
99/164

22-1.出発前

お待たせ致しましたー







 *・*・*








 バレンタイン当日。


 晁斗(あさと)はデートのために準備をしていた。


 昨日、柘植(つげ)親子を無事に救出し終えて、ケサランパサランの騒動も(れん)璐羽(ろう)のお陰で落ち着きを取り戻し。


 裏の方は、相変わらず何をしたいのかわからず、あれっきり現れはしなかったが。


 だが、守護精が進化と言う異例の事態が起きたので、いつまた裏に狙われるかもわからない。


 だから、篤嗣(あつし)が最初は万屋に転職させた方がいいのでは、と提案したのだが。



「いいえ。今のままでお願いします」



 社会人一年目と言う理由もあるが、まだまだ今の会社でやりたいことがある。それに、死んだ甲本(こうもと)が残してくれた力を、ひょっとしたら会社にも役立てるのかもしれない。


 会社にもし襲撃をされたとしたら、助けられる存在の一人に奈央美(なおみ)も加わりたい。


 だから、せっかくの勧誘は断りたいと告げてきたのだ。


 決意は固く、篤嗣もだが想いを寄せている御子柴(みこしば)が説得をしても無理だったそうだ。晁斗としては、奈央美の好きなように生きればいいと思ってるので個人的には応援している。


 ウィンタージュ万屋の所長としては、菜幸(なゆき)の友人であるし、経理がもうひとり増えるのは有り難かったが。


 無理なら、何も言うまい。


 とにかく、今日は漣と休暇日を重ねて、恋人になって初めてのデートに出かける予定だ。


 漣自身は、昨日の事件が終わらせてから早退させたが。祖母の暁美(あけみ)から、漣がキッチンで頑張ってたから今日褒めてやりなと言われたので。


 ああ、本当なら昨日休みにしてバレンタインチョコを作る予定だったから、わざわざ頑張ってくれたのだろう。


 晁斗も、万屋と喫茶側の業務を終えてから。喫茶側の厨房を借りて、(あかり)にも味見をしてもらった。


 及第点を貰ったので、常温になるまで冷ましてから用意した箱に入れたのだ。


 そして今日。朝はゆっくり寝てから、昼前にデートに出向く前に漣から先にプレゼントを渡されたのだ。



「は……ハッピーバレンタイン!! です」

「ありがと。咲乃(さくの)達に教わったのか?」

「は、はい! 言ってあげなよ……って」

「じゃ、俺からもハッピーバレンタイン」



 キッチンに置いたままにしていた箱を漣に手渡せば。


 キラキラと言う擬音語が似合うくらい、目を輝かせたのだった。



「お菓子ですか?」

「おう。マカロンってやつだ」

「あ! 休憩室で、三輪(みわ)さんがこの間差し入れくれました」

「一から手作りしたぜ?」

「僕もです!」



 そして、漣が作ってくれた菓子の箱を開ければ。


 どう見ても、咲乃からの入れ知恵があると丸わかりなくらい、綺麗なチョコ色のハート型になった焼き菓子だった。



「……? ブラウニーじゃねぇが、パウンドっつーより」

「あの。いつも晁斗さんが食べてる、フィナンシェに挑戦してみました!」

「! 覚えててくれたのか?」

「好き……ですよね?」

「ああ。疲れた時に食うのがうまいんだよなあ?」



 バターたっぷりでしっとりとした焼き菓子。マドレーヌも好きだが、個人的に晁斗の好みなのだ。作ったり、は燈に聞いたが手間がかなりかかるのでいちいち作る気になれなかったが。



「食べ……ます?」

「うーん。出来れば、最高の状態で食いてぇ。車に入れとけばいいから、デート終盤になったら食おうぜ?」

「! はい!」



 今日はドライブデートと映画館デート。


 記憶喪失の漣に、刺激的なデートを楽しんでもらうべく。このわずかな期間で計画したのだった。


 晁斗が手を差し出せば、漣は喜んで掴んでくれたので。


 二人は、仲良く玄関に向かうのだった。

次回は火曜日〜

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