21-7.守護精の進化
お待たせ致しましたー
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本当に、無茶をする女性だ。
以前の、甲本襲撃事件の時は、特に何もされていなかったが。
いつ、あの女達に狙われるかもわからない。
だから、御子柴も気をつけていたのだが。バレンタインとケサランパサランに気を取られてたせいで、柘植奈央美の方まで気にかけてやれていなかった。
そのせいで、柘植は危険な目に遭ってしまった。
菜幸の友人として、初めて異性で意気投合出来た女性なのに。
刑事と一般市民と言う間柄以外で、初めて話しやすい女性と出会えたのに。
失う恐怖が、菜幸と同じかそれ以上に御子柴に降りかかった。万屋の晁斗から連絡が来た時は。無理にでもケサランパサランの洪水から抜け出して、己の守護精の導きでここまでやってきた。
そして、到着したら晁斗らが苦戦していたのに、柘植宅に充満していた邪気などが祓われたのだ。全員で中に入れば、奈央美もだが彼女の母も倒れていた。
なので、御子柴は迷わずに奈央美に駆け寄った。
「み……こしば、さん?」
「はい。ご無事で何よりです」
「…………お、か……さんは?」
「ナオちゃん、大丈夫だよ!! 今漣ちゃんが癒してくれてるから!」
「よか……た」
邪気に塗れたせいかはわからないが、奈央美は意識を失ったのだった。すぐに呼吸とかを確認したが、単純に気を失っただけみたいだが。
あれだけの濃い瘴気の中にいたのだ、体力を失っただけでも御の字だ。
「御子柴さん、荘重先生の病院に二人を運ぶっす!!」
「!……そうですね」
それにしても、何故。敬愛する菜幸がいるのに、慌てることもなく落ち着いて話が出来るのだろうか。
御子柴に特に変化があったわけでもないのに、やはり奈央美のせいなのだろうか。だが、一刻も早く彼女と彼女の母を病院に連れて行かねば。
そして、この事件を同僚の宮境に伝えなくては。
今頃、次代狗神の浄化でケサランパサランは消失しても、きっと待っててくれるだろうから。
とりあえず、龍の化身でもある御子柴の守護精、鏡花の背に二人を乗せて。御子柴が奈央美を、母の方には晁斗がそれぞれ抱えて。
急いで、中央病院に行くとすぐに荘重が応対してくれたのだが。
「……私の出番は無いね?」
「え?」
「どう言うことですか、荘重氏!?」
晁斗と御子柴は荘重の言葉に疑問を持つと、彼女は大袈裟に肩を落とした。
「邪気に沈んだ形跡はあるけど、ほとんど浄化されてるんだよ? 漣ちゃんがやったの?」
「え、いや? 瘴気とかはいきなり光ったんで、漣じゃねーと思うんだけど?」
「そう。……なら、柘植さん本人に何かあったのね?」
「……彼女が?」
「万屋のメンバーじゃなきゃ、そうしか思えないわよ? けど、変ね? 言い方は悪いけど、柘植さんの守護精は下位ランクなのに」
だからこそ、誰もが納得がいかないのだ。
すると、奈央美の身体が光り出して、奈央美によく似たウサギ耳の女性が出てきた。
「守護精……おま、ライト?」
晁斗が思い出したように言うと、守護精らしき女性は頷いた。
「はい。地獄から召喚された甲本さんのお陰で、自分は進化を遂げました」
「甲本……がですか?」
「夢想の中で、私とご主人に告げたのです。この瘴気は地獄に連れて行くと。罪滅ぼしになるかはわからないけれど、役に立ちたいからと」
「けど、ライト。進化ってことは」
「はい。上位に近い中位にまで進化出来たのです」
守護精は宿主と表裏一体。
だから、宿主が強くなれば、守護精も進化は出来る。伝承だと思われていたのだが、まさか本当だったとは。
御子柴も晁斗も荘重も。全員があんぐりと口を開けるしか出来なかった。
次回は土曜日〜




