29-2.屍鬼①
お待たせ致しましたー
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漣の姉だと判明した、裏組織の由那と言う女。
顔を露にした時は、漣と瓜二つだと思ったが全然違うと晁斗は思った。
漣は、あんなに凶悪な顔つきをしない。
声は違うし、自らを呪いの代償にだなんてしない。
だから、由那の変貌を見ても晁斗は気を引き締めた。
どれほどの経験を積んだとしても、あのような禍々しい邪気を纏えないだろう。するつもりは毛頭ないが。
とにかく、漣の本名は花蓮で、裏組織に所属していたらしいのがわかって、疑問はスッキリ出来た。今は篤嗣達に捕まってる男が、狗神事件の時に言っていた漣に固執していた理由がわかったから。
だが、漣は記憶が戻っても、漣だった。口調は女の子っぽくなったが、それだけ。あとはいつもの漣だったから、晁斗は安心出来た。
なら今は、協力して由那を止めるだけだ。
漣とのこれからは、その後に決めればいい。
「うわぁ……あれ、俺らで出来っか??」
この中では、年長の篤嗣が苦い表情になっていく。
たしかに、漣と同じ顔だった女が見るも無惨な凶悪顔の鬼に変貌していくのだ。見たくなかったが、目の前で起こったのだから仕方がない。
「お姉さん……!」
漣が呼んでも、由那だった屍鬼は凶悪な笑みを浮かべるだけだった。
ターゲットを、完全に漣に照準している目になっている。
「漣、あれを止めるには……」
その方法を口にしようとした晁斗に、漣は先に強く頷いた。
「……あそこまで、身体を贄にしたら…………もう、無理かもしれません。けど!」
「けど?」
「時間はかかりますが。私が癒し手として、切り離せないかやってみます!」
「そんな荒技出来んのか?!」
「無茶でもやってみます!」
「……だけど」
今日は何度か、甲本のために歌を使った。
一日に出来る歌の回数はまだ見極めていない。ましてや、導いてくれた彼女の魂を取り込んだ今は。
それが、最盛期なのかも晁斗にはわからないのだ。
「躊躇っている場合ではありませんよ、晁斗君!」
急に聞こえてきた御子柴の声に、はっと顔を上げれば。
由那だった屍鬼が、手に何かエネルギーを集めていた。
「篤兄!」
「おう!」
篤嗣と、篠瑪。
晁斗と空呀で、こちら側に障壁を張った直後。
エネルギーが飛んできて、障壁を壊す勢いでぶつかってきた。
「漣!! 時間稼ぎはなんとかする!! やってくれ!!」
「頼んだ!」
「……ありがとうございます」
漣の表情を変えて、ゆっくりと歌い出したのだった。
次回は月曜日〜




