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ウィンタージュに憩いの羽音を  作者: 櫛田こころ
ケサランパサランさらに
118/164

25-1.望み

新年一回目でーす!


新章スタート!







 *・*・*








 あれから、約ひと月。


 されど、ひと月だ。


 次代狗神である璐羽(ろう)は、守護をすると約束した女の身体に宿りながら思う。


 この身体は、魂が半分以上も抜けていると。


 だから、記憶がない。


 だから、常識がほとんどないのだ。


 なのに、生きていけるのはそれだけ力が強いという事。


 いったい、この女は何者なのか。


 己と母を痛めつけてくれた、あの黒ずくめの男女と関わり合いが深いのは周知の事実。


 いったい、何が関わっているのか。


 人間だというのに、神を容易に堕とせる不届き者。


 そんな奴らと、彼女が関わり合いなど持ってほしくはない。


 それに今、彼女は幸せでいるのだから。


 熊谷(くまがい)晁斗(あさと)


 彼女に(れん)と言う名を与え、衣食住を何不自由なく与えてやり。


 ついには、恋人同士となったばかりだ。


 たとえ、漣が何者であろうとも。二人の幸せを壊したくなかった。他にも、万屋関係者は次々と幸せを掴んでいる。


 璐羽にも、いずれ(つがい)となる国津神などが現れるだろうが。いつかはわからない。


 何せ、璐羽はまだまだ生まれたての神。


 子供に等しいのだから。



「璐羽、おはよ」



 そして、漣が夜からの眠りから目覚めると。


 璐羽は小型の狗のままで寝ていたので、くぁっとあくびをした。寝ているのは、漣の枕の横だ。



「今日もお箸頑張ろうね?」

【……まだ慣れぬ】

「僕もだったから、璐羽もちゃんと出来るよ!」

【むぅ】



 こんな穏やかな会話を出来るのも今だけと言うのは。


 どうかならないで欲しい。


 とりあえず、腹は減ったので。漣が着替えてから二人で下の階に降りたのだった。

次回は水曜日〜

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