23-7.面白くない
お待たせ致しましたー
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ああ、苛つく。
酷く苛つく。
色々邪魔をしたのに、あれは上手い具合にその邪魔をすり抜けてしまう。
ことごとく邪魔をしたのに、宿敵である万屋の新所長と恋仲になるなど。
『裏』で世話をしてやった時の恩を忘れて、逃げに逃げて魂を隠して。身体は記憶と能力を低下させても稼働して、あの宿敵共の懐に入るなど。
何故、祖父である長は黙認しているのだ。
目の前で、気落ちしながらも女のやけ食いに付き合ってくれている男の方も、多少は苛立っているはず。
面白くないと。
「……それはお前の方だろう?」
心を読んだのか、もしくは女が口に出していたのか。
どちらでもいいが、女にとってはそれが正解なので。やけくそに少し冷めたフライドポテトを勢いよく頬張った。
「だ……って、あの子さ? あの子さあ?!」
「口に物を入れたまま話すな。食べカスが飛ぶ」
「……だってさぁ?」
憎いとか、そう言う単純な感情ではない。
別に恋人が出来るのはいい。あれも女だから。だが、相手が相手だ。宿敵と結ばれるなど、言語道断だと言うのに。
何故、祖父は黙認したまま。あれを自由にさせているのか、それが酷く面白くない。
「……長の決断に。いくら孫のお前でも覆すことは出来ない。今は、ストレス軽減のために食え」
「むー……」
何故だ。
自分とは違って、あれが相変わらず特別だからか。
許す許さないと問われれば、許さないに属するが。
自分とは違い、ずっと籠の鳥になっていたあれを哀れに思わないわけでもないが。
「……お前の『妹』とは言え総合的な能力で言えばお前の方が上だ。自信を持て」
「……うん」
フードもない、顔を上げた女の顔がコーラの水面に写ると。髪の長さは違うが、今は漣と呼ばれているあの妹と同じ顔だった。
次回は水曜日〜




