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Girl's Side 17 ~告白~

「ねぇ、ミィーナ。みんなが陰で私のこと何て言っているか、知ってる?」


「……完璧超人?」


「ご名答」


正解してもポイントは入らないようだった。むしろ八十島さんの顔には不機嫌の三文字がくっきりと浮かび上がってきていたので、ポイントは減ってしまっているかもしれない。


「確かに私は勉強もスポーツも料理も人間関係もそつなくこなしてしまうし、弱点らしい弱点もない。そんなだから、可愛らしさも人間味もない、ってことなんでしょうね。超人って、何よ?人でなしってこと?」


「ボクには、可愛げがないって欠点に頭を悩ませている可愛い女の子にしか見えないよ」


もう少しマシな言葉がきっと何かあったんだろうけど。言葉を選んで会話を途切れさせればそこで何かが終わってしまう気がして、思ったままを口にする。


「それと、人でなしっていうのは人外のものを指すんじゃなくって、人情に欠けるとか心の在り様を言う言葉だから。八十島さんが人でなしなわけがないよ」


「知ってるわよ」


と言うのは単に言葉の意味を、ということだろう。県内きっての進学校に首席合格した彼女が知らない筈がない。

少しずつ空の色が変わりゆく中、もう一つ溜め息を纏った八十島さんは、まるで独白のような告白を吐き出す。


「本当は断るつもりだったのに」


「断るって、何を?」


「かるた部。だってほら、かるた部なんてそれこそ私の望まないイメージを増幅させるだけじゃない」


それはそうかもしれない。実際、札に向き合う八十島さんは凛と張りつめていて眼光は鋭く、傍で見ていても息を呑むほどの気迫だった。ブレザー姿でそれなのだから、着物なんか来て対戦に臨めば一分の隙もなくなるだろう。


「格好良くて似合っていると思うけれど……そういう風に思われること自体、嫌なんだ?」


「私らしさって、一体、何なのかしらねぇ……」


目を閉じて頷く八十島さんに対して、かるた部に誘った人間としてはなんだか申し訳なくなってしまう。

しかし、今現在、八十島さんはかるた部に在籍している。それどころか、積極的に牽引している面も少なくない。


「だったら、どうして?」


「ミィーナが、誘ってくれたから」


意味不明な理由に危うくまた間抜けな声で聞き返しかけたのを何とか呑み込む。


「可愛いミィーナが頑張っているのを見て、応援したくなったってのが、半分」


「もう半分は?」


「もう半分は……羨ましいと言うか、憧れと言うか……」


口元を歪めて言葉を濁す八十島さんはとても新鮮だった。

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