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始まりと最初の物語

設定語りはススーム、スム-ズ。

ヽ(´ー`)ノ



「前にも言ったがあの時は約定に縛られていた。 長を継いだ今だからこそ話せたのだ。 其処に悪意がない事だけは予め言っておく」

「…種従の契約だったか、召喚を行うと全て交わさねばシノハラが滅びを迎えるそうだが……それが戦と関わっているのか?」

「その通りだ。 これから話す事は戦以外にも全ての原因となった話だ。 知る事で覚悟も出来る。

それに口頭とはいえ一族の長同士が盟も交わした。 俺がシノハラの理を開示し貴様らが共有する事は当然の話だ。 それに主も当事者としては聞かねば納得が行くまい」

「あぁ、痛い目に合うんだから理由位は知りたいな」

「では長くなるが始める事としよう…始まりは約二千年と少し前……


――約二千年と少し前、平和な世界がある日突然おかしくなる。 土壌が腐って動植物が死んでいき、天人族の大森林、魔人族の空の山脈、竜人族のレイヤール湖、獣人族が嘗て住んでいた海を挟んで東にある東莱島、アハラミヤ王国とチハラミヤ王国の間にある大草原等に…化物が現れた。

大まかな地図だと…デカイ大陸に五芒星を右に倒して置き、上を北の大森林、時計回りで東莱島・空の山脈・チハラミヤ王国・アハラミヤ王国・中央にレイヤール湖、という配置になる。

…で、六大神とか言うこの世界の種族を創った偉いカミ様が術を使って原因を調べると、この世界の種族じゃない普人に似た人間が男女2人紛れ込んでるのに気が付いた。 その女の方から変な靄が溢れ出て汚染していたらしい。

直ぐに止めさせる為に自分で結界を纏った下級神(人族から昇天した者)総出で2人が居る所に跳んだそうだ。

……驚いて逃げ出したらしい。 それは急に知らない人が大勢来たら怖いですよ。 まぁ、それでも逃げたら普通に追い掛ける訳ですが…その内に囲んで逃げ道塞いで崖の下にやっとの思いで追い詰めたら、今度は術で崖に黒い穴を作ってソコに逃げたそうです。

先を走る2人を追って一本道の階段をドンドン登ると、光が差した出口が見えてくる。 ソコに行かれると直感的に逃げられると思ってカミ様方は必死に走った。 そしたらビビッた男の手が離れて女が転けたらしい……。 チャンスだ-ッ!!とコけたのを捕まえて、次にサァ野郎は?…って見渡したら……光の向こうで術唱えて出口閉めテタ。


カミ様唖然、女は茫然。 慌てて色々術を試して開けようとしたが、駄目だったらしい。 それで諦めて女ダケでも連れて行こうとしたら今度は泣き叫んで大暴れ、手が付けられなくナッタ。

仕方ないし靄も危ないから多層結界で無理矢理囲って天界に連行したそうだ。


ここ迄聞いて古事記か日本神話とかに似た話があったなと思った。


…天界に着き六大神の前に引き出され、能面の様に無表情になった女は自分を神だと言い、死んだせいでコノハラからシノハラに落ちたと述べたそうだ。 コレが初めて世界の名が出た時でコレ以降そう呼ぶ事となる。

それで女の名を聞いたそうだが力ある名は教えられないと言う。 六大神が内緒で力を測ったら確かに自分達と同格かそれ以上の力を感じるし、女の話を信じるなら死んで衰えてコレだと本来はどうなるか…と考えたらしい。

で、力を抑えて欲しいと頼んだら制御が効かないと返ってくる。 コレは大層困ったと皆が思ってると女は提案を出してきた。


自分が本当の力を取り戻せば何とかなる。 そうすれば世界を渡って帰れるし、シノハラを混乱させる事もない。 だから……


贄を捧げろ……と。


それを聞いた六大神は震えながら、もう一度言ってくれと聞き直した。 すると今度は目を爛々とし、愉しげに笑いながらもハッキリと言った。

帰ってあの男を刻み殺す為にも力がいる。 だから、貴様らの力を、


寄越せ―――ッ!!!


女は既に狂っていた。

叫び声と感情の爆発は力となって放射される。 それまで何とか女を覆い世界と遮断していた多層結界は粉々に砕け散り、薄く纏っていた靄は女を中心に闇の様に濃くなり、周りを侵食し喰らい尽くす。 神も物も空間も…触れたモノ全て、隔てなく喰って行く。

ここ迄に至り、男神に裏切られ傷心の女神を慰撫し協力するのも吝かでは無いとの思いを捨て、六大神は覚悟を決めて女を討ち滅ぼす為に動き出した。


「憎い! 憎い! 全てが憎い!!」


術に長けた天人の大神と魔人の大神が協力して術を編み、


「殺す! 殺す! 皆、殺す!!」


武に長けた竜人の大神と獣人の大神が力を通した拳と武器を振るい、


「何故? どうして!? 私を、見捨てた―――ッ!!!」


技に長けた鬼人の大神と普人の大神が協力して闇の雲を吹き祓った。


天魔両大神の合図と共に各々が六芒星を描く頂点に立ち、有らん限りの力を術へと放出した。

女の体は水晶を弾いた様な音と共に再び結界の中に閉じ込められ、同時に体を6ツに割かれた。

六大神は術の完成と共に力を使い果たしたが、最後の命を使い各々が創った我が子とも言うべき人族の国に、6ツに割った女の体を要石として跳ばし化物諸共封印した。

即ち、天人族は大森林・森主に腰部、魔人族は空の山脈・火口に胸部、竜人族はレイヤール湖地下洞窟・竜人の墓所最奥に腕部、獣人族は東莱島中央・大岩に脚部、鬼人族は大草原南部・鬼人の祠に腹部、普人族は大草原北部・普人の社に頭部と各々分けて要石の結界と為し封印される。


そして最後…辛うじて生きていた天魔両大神は、恨みつらみ殺意嫉妬あらゆる負の陰気にまみれ、穢れてしまった大神の間を自らを含む六大神の亡骸を使って封印し、天界を下界から切り離した。

それでも尚、力を完全には打ち消す事が出来ず、後に魔獣と呼ばれる下級の化物は各地に残った。

各人族の被害も人・資源・食糧と目を覆わんばかりだった。

その中でも特に被害が大きかったのは周りを海に囲まれた東莱島で、島中が強力な魔獣に蹂躙され結界を張られるまでに相当数の獣人が亡くなった。 動物植物は粗全滅、生き残った獣人族も僅かになり、遂に東莱島を放棄する事となった。


これらが総ての原因となった、始まりと最初の話だった。

そして次の舞台は、そのまま約千年の時を数える……。



話もススーム、スムーズだとイイのに……。

(´・ω・`)



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