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黒星ケイ



 負けてばかりの人生だった。

 足は遅いし、頭も良くない。絵だって描けないし、歌も歌えない。容姿を褒められた事なんて一度もないし、身長だって高くない。なんだったら、運も悪い方だ。


「この世界に神様はいないんだろうな、多分」


 黒星ケイは薄暗い空を見上げて言った。

 高校からの帰り、ケイはゲームセンターで時間を潰していた。家に帰れば一つ年下の弟がケイの帰りを待っている。弟に悪気はないのだろうが、ケイは優秀過ぎる弟に劣等感を感じずにはいられなかった。同じ空間にいるのが辛いのだ。


「バイバイ、ゲームが下手くそなお兄ちゃん! いっぱい遊べて楽しかったよ!」


 ケイの隣を小学生の群れが走り去って行く。


「じゃあな、早く家に帰れよ」


 ケイはもちろんゲームも下手くそだった。

 数年やり込んだ格闘ゲームでさえ小学生のガチャガチャ操作に負けてしまう。おかげで今月の小遣いはほとんど底をついていた。


「どうせならリクが先に産まれれば良かったのに。そうすれば、俺ももうちょっと気が楽だったと思うんだよな」


 小学生達の走り去る背中を見て言った。

 

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