40.対策会議
春になった、平民だと春に年をとるので、9歳だが、皇女殿下は誕生日が10月1日なので、まだ8歳である。転生者探しを始めて、もう4年になる。あとは夫ライムと第7夫人カーチャの転生者だけである。もう終盤だと思うが、前回見つかったルナの話だと前世の記憶を思い出すのは人によって違うようだ。すると、ライムもカーチャもまだ前世の記憶を覚醒していないかもしれない。
なお、リッカルダはその後、解放奴隷となり、現在は伯爵家でマヤと一緒にメイドをしている。
今日もいつもの対策会議である。場所はいつもの伯爵邸。もう慣れたものである。出席者は
正妻、レムの生まれ変わり、エルネスティーネ帝国皇女(帝国)
第2夫人、ミリーの生まれ変わり、ヘレーネ子爵令嬢(帝国)
第3夫人、セリーナの生まれ変わり、フランツィスカ伯爵令嬢(帝国)
第4夫人、オリーヌの生まれ変わり、アロイジア男爵令嬢(ズウォレタット王国)
第5夫人、イルメラの生まれ変わり、マルレーヌ(平民、食堂の娘)(シャルルランス王国)
第6夫人、アデナの生まれ変わり、ルナ(平民、冒険者)(パーペンランド王国)
第8夫人、カロリーネの生まれ変わり、マリア伯爵令嬢(元は男爵令嬢)(帝国)
第9夫人、アニカの生まれ変わり、リッカルダ(元奴隷、現在は伯爵家メイド)(トリスタント王国)
第10夫人、リンダの生まれ変わり、マヤ、(元孤児、現在は伯爵家メイド)(帝国)
である。
まだ見つかっていないのは
夫、ライム、10月1日生まれ
第7夫人、カーチャ、1月20日生まれ
である。
皇女殿下が
「今日もいつもの対策会議を開催します。まだ見つかっていないのは、夫ライムと第7夫人カーチャの転生者だけです。皆さん忌憚のない意見を出してください」
「はい」
「ルナさんどうぞ」
「私は冒険者をしていた経験から言うと、多分、ライムもカーチャも冒険者をしていると思います。農家だと長男でない限り、家を継ぐことはできません。それに転生者は魔法の威力もあります。冒険者として活動すると十分食べていけます」
「貴重なご意見ありがとうございます。皆さんどう思いますか」
「確かに、これだけ探しているのだし、色々な商品も販売しているから、貴族や裕福な商人だったら、記憶を覚醒していない限り、多分相手から接触してくると思うわ。多分、農家の生まれで、今は冒険者をしている。それが無難な考え方だと思います」
「皆さんも同意見ですか」
「はい」
「では今後は冒険者に重点を置いて探すということでいいですか」
「はい」
「ということで、今回の対策会議は終了です、皆さん貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。これからは近況報告ということで各自現在の状況を報告願います」
何とも中身のない会議が進行していく。
最後に皇女殿下が
「フランツィスカ、あなた勉強はどうなっているの」
「それを今ここで聞くの」
「だって、大事なことだもの。あなたまさか金の力で無理やり学院に入学するつもり」
「そんなことはないけど、ただ、勉強が難しくて」
「これについては、マリア、フランツィスカの状態の説明をして」
「なんで、私の勉強の進み具合をマリアに聞くの」
「だって、あなたに聞いてもわからないでしょう」
「そんなあ」
「いいからマリア報告して」
「はい、マリア報告します。フランツィスカの勉強の進み具合は今のところ絶望的です。やはり学院は金で入れてもらうしかないです」
「わかりました。フランツィスカ、あなたのセルフホーフェン商会からの特許収入はすべて学院の入学費用に充てなさい」
「ええ、使っちゃダメなの」
「当たり前でしょ、まさかすべて伯爵様に出してもらうつもりだったの。そんなことをしたらほんとに廃嫡されるわよ」
「わかったわよ」
「続いて、リッカルダとマヤの進み具合はどうですか」
「ええ、皇女殿下はまさかその2人も学院に入れるつもりですか。娘の私がお金で入って、そのお付きのメイドが試験受けて入学したら私の立場が無くなる」
「仕方ないでしょ。とにかく1人でも多く学院に入れないと、何があるかわからないのだから。あのライムよ、どこで浮気するか、わかったものじゃないのだから。お金は私が出すわ」
「ライムも学院に入れるのですか」
「そうよ、皇帝陛下の話ではライムの転生者はどこかの貴族の養子にして学院に入れるって。そうしないと私の夫になれないっていうのよ。ほんと頭の痛い話だわ」
「マルレーヌもマヤもできたら学院に入って、私を助けてほしいわ。お金は出すから」
「私たちが学院に入るのですか」
「そうよ。そうしてくれると嬉しいわ」
「わかりました。受けるだけは受けてみます」
「勉強するならテキストを送るわ」
「わかりました。頑張ります。」
こうして会議は進行していった。1名の脱落者を除いて。




