8:訓練
しばらく、不定期投稿になります。
昨晩本当に良く眠れた。流石は王城ということだろうか、寝具が非常に豪華だった。家にあったのとは大違いだったな。そういうわけで今は走っている。
何で走ってるかっていうのは、昨日の続きと言えば分かってくれるかもしれないが、要するにエルダラムさんが起こしに来たのだ。まだ、真っ暗なのに何故か、何故か走らされてる俺。もう少し休ませてはくれないだろうか。
「昨日確かに引きこもりだって言ったはずなんだが…」
俺の体力も気にかけてほしいものだ。
「終わったか〜?」
遠くからエルダラムさんがそう声をかけてくる。
「あと5週!」
「はやくしろよ」
あんたが言ったんだろうがぁぁ、と心の中で叫びながら走るペースを上げる。今日は25キロ走れとしか言われてないので昨日よりは楽だ。
……充分にキツイはずだが。
「ハァハァ、やっ、と、終わった、ハァハァ」
毎日こんなに走らされたら、すぐに体が壊れそうだ。後で苦情を言っておこう。
「おい、朝飯食うぞ」
だからこんなに走った後で食事なんかできるもんか。意地でも食ってやる。俺の食欲をなめるなよ。
※※※※※※
けっこう走ったから、大して食えないんじゃないだろうか、と心配していたのだが案外食べれた。これも魔族の身体になった恩恵だろうか。
「エルダラムさん、この世界って種族によって身体能力が違ったりするんですか?」
「そういうのは、夜になったら教えてやるよ」
「夜、ですか?」
「だから寝る暇はないといっただろ」
寝る暇はない、ってのはそういうことか。自分で努力するとか以前に基本的な訓練で忙殺されそうだな。
「さ、飯食ったら訓練の続き行くぞ」
………がんばろう……




