その4 魔獣が来た日
前回のあらすじ
上官の天馬が「魔獣がなんで出現したか分かりますか?」と神妙な顔で聞くと、山神は「あ、一応は」と平然と答えた。
魔獣、それは今から、約21年前、2026年に突如として出現した。
出現の理由として、「隕石の様に宇宙から降ってきた」と発言する者もいれば、「深海から来た」とい発言すものもいる。又は突如として、瞬間移動の様に現れたという意見も在れば、幽霊の様に出現したという意見もある。
この意見も、どれもこれもが正しいとされている。
理由は簡単だ。目撃者が万単位でいるという事とその映像が奇跡的に記録として残っている。という決定的な証拠があるからだ。
そして、その際には、日本だったら自衛隊、海外だったらその国々の軍が魔獣の殲滅に狩り出された。
戦闘機の特攻で撃沈する魔獣もいれば、死なない魔獣もいた。ありとあらゆる兵器が次々と使われていった。
だが、ここで決定的な事件が起きた。
核兵器の使用だ。
ロシア、中国、アメリカ、インドの独断で国に攻め込んできた魔獣に核爆弾の使用が認められた。
核兵器の使用で、各国の魔獣は次々に死んだ。だが、環境破壊は免れなかった。
その時の大統領は大量の非難を浴びた。
「動物虐待!!」「環境破壊!!」「死ね!!!」などの国民に意見
その意見も、すぐに止んだ。
魔獣の攻めが緩み、各国が勝ちを確信にした時に各国に突如として現れた魔獣。
クラス5の出現である。
その魔獣には、核が効かなかった。圧倒的な耐性と体性。そして、その獰猛性。巨大な体に関わらずオオカミの様な冷静さを持ち、相手を仕留めるまで動き続ける体力と執着。
クラス5の魔獣の出現で、国が次々と潰れた。文字通りの意味で虐殺と侵略。
残った国は、日本・ロシア・アメリカ・中国の四か国だった。
大丈夫だと思いオーストラリア大陸に逃げた日本人の富裕層もいたが、その際には空にいるクラス5の魔獣に機内ごと食われた。
だが、生き残った国は土地の半分以上を魔獣に壊滅と侵略をされていた。
各国は絶望・・・・・
とな、ならなかった。
不思議な事に各国は手を組んだ。
それもちゃんとした同盟だった。どっちかの方が利益をえるなどそういう浅ましい事が一切なく国と国の友情と言ってもいいほどに手を組んだ。
その訳は、単純な理由だ。
各国にいる有権者の死
つまるところ、国を裏で暗躍する者達が全員死んだ。という事だ。
国を広くするためだの。資源だの。権力を示すだの。欲を満たすなど。の輩が全員死んだ。
日本で言えば、国会が魔獣に狙われた様に壊滅され、そこで意味のない議会をしていた議員も死亡した。恐らく即死。
国同士は仲良くなり、魔獣に対抗するために次々と策を出したり、魔獣用の兵器を作り始めた。
だが、魔獣は強かった。特にクラス5の魔獣は一匹も倒せずにいた。
そして、10年後、ある事が判明した。
地球に魔獣が出現した、その日に、出現したのは魔獣だけではなかった。
『超能力者』の存在が確認された。
そして、当時、ロシアで10歳の超能力者が快挙を成し遂げた。
単独でのクラス5の討伐である。
各国の当時のトップは、その少年に深く神秘を見た。
そして、命名した。超能力者を神からの恵みを受けた『ギフト』を保有した『ギフターズ』
魔獣が出現した2026年。その際、後に生まれた子供の大体に『ギフト』があったのだ。
そして、ロシアの少年までとは言わないが、ギフトを宿した子供たちは強い者が多かった。
その5年後には、魔獣の事を抑えることが出来るようになっていた。
AIなどの技術の進歩とギフトを保有した者の年齢が高校生ぐらいになったことによる戦力の拡大。
その事により、人間側が魔獣に対し反撃を始めたのだった・・・・。
「って、感じですよね。魔獣の出現って」
「そうですね、大まかには」
山神は誇らしげに胸を張った。
「でも、私の問いの答えにはなってないです」
「?魔獣の出現ですよね?、あってる気がしますけど」」
天馬は机に浮いて肘の先にある手でサイドの髪を考えるように触った
「まぁ、山神さんは良いって言ってくれましたし、言いましょうか」
天馬は山神の目を見つめた。山神は首を傾げた。
「魔獣の出現って色んな理由があるんですけど、それが本当の理由ではないんですよ。これは、私含め何名かしか知らない事なんですけど」
山神は何かを感じ取り、天馬の会話を遮るように手をかざした。
「ちょ!、ちょっと待って下さい!、なんか一隊員が聞いたらダメな話がするんですけど」
「そうですね。でも、山神さんは「はい」って同意してくれたじゃないですか?」
山神は瞬きをした。脇から汗がにじみ出た、白いTシャツが少し濡れた。
「すいません。今更なんですけど、僕は何に「はい」って言ったんですかね?」
「はぁ~ちゃんとしてくださいよ~」
天馬はため息を吐き、目を閉じながら山神の問に答えた
「だから、絶世界魔獣境界線への派遣に同意してくれたじゃないですか・・」
天馬は顔を赤らめながら「人手がいなかったので、山神さんが「はい」って言った時は嬉しかったですよ」と小さく言った。
「嘘だ!!!!!」
「わ!びっくりした!!」
山神は血相を変えた。いわゆる青白い顔になった。カイジ風に言ったら「ぐにゃ~」というヤツだ。
「嘘だ。嘘だ・・・」
山神はガクッと崩れるように地面に両ひざをつけた。
「や、山神さん?」
天馬が黒い椅子から立ち上がり、心配そうな顔で山神に近づいた。
「お、俺・・・死ぬじゃん・・・」
山神はかすれた今にも死にそうなセミの様な声で呟いた。
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




