第1話その1 「変わらずの日々。ただもうすぐ貯金が一億円になる」
残高9989万5932円
すごい、自分でもそう思う。いや、これは誰が見ても凄いと思うだろう
山神 拳 39歳 独身 はコンビニのATMの前で鼻を膨らませながらニヤニヤとしていた
「なにあの人・・・」
「キモすぎでしょ・・」
「うわ~」
後ろを通る女子高校性の会話が耳に入ってくる。絶対、俺の事言ってるな・・・。山神は少し肩を下げ落ち込む
まぁ確かに、こんな武将ひげを生やしたおっさんはキモイでしょうよ。オマケに身長も170ギリあるかどうかの人権がない人種ですけど、そこまで言わなくてもいいでしょうに、これでもあなた達の為にも命削ってるんですけどね!
山神は少し内心で怒りを爆発させていたが、目を落とし黒ずんだ自分の汚い手に握りしめられている通帳を見た
「グヘッ。まるまるまるまる・・・ぐへへへへ」
思わず口が緩む。おいおい0が7こもあるぅ~~、俺凄すぎるでしょ
その様子を女子高校生たちとは引いた目で見ると、文句を言う前にさっさっとお会計をすまし店を出た。ついでにコンビニの店員も山神の様子に引いた目で見ていた
そんなことはつゆ知らず、山神は唾液を口からもれそうなにやけ顔で通帳を眺めてたままだった
39歳でもうすぐ100000000円の貯金って・・・俺は天才か?、いや、秀才?、ジーニアス?、まぁいい二つ名なんて今はどうでもいい。これは凄い、自分でもそう思う。親に仕送りをちゃんと送り続けた中での一億円到達しそうってなかなか凄すぎるでしょ。
山神は目を瞑りにやける
「うへぇ・・・」
何にお金使おうかなぁ。まずは親とどこか旅行でも行こうかな・・・・いや、危ないからコレは止めておこう、母上に貯金を全部使われるかも知れないし。じゃあおいしいもの食べよう、伊勢海老と回らない寿司屋とか・・・
「うぅ~ん・・・」
その時、山神は高級寿司屋でどもりながら注文する自分の姿を想像した。「さ、さ、さーもん」
身震いがする、やはり無理だと確信する
「うん、回らない寿司屋はい、いいや・・・はますしでいいや」
はますし、全国に展開している回転寿司チェーン店、一皿一皿が100円台で安いのが売り
「いつも通り、サーモンいっぱい食べよう、それの方がいいや」
よし、じゃあこの大金の使い道は~~・・・アレ?
「」
山神はしばらく目を瞑り考える。突如として汗が顔に滲む、笑顔もぎこちなくなる
「・・・・あれ?」
汗が滝の様になる。
「・・・・アレ?」
山神は目をパチパチとさせる。そして、心の中である結論がでた
使い道がない。
「あぁれれ??」
え、俺こんなに物欲なかったけ?、いやいやいや!!、何か使い道はある筈だって!そうだ!まずは、はますしで大量に食うとかあるな。。大量に食ってもいつも5000円にもいかないけど・・・
山神は焦った。こんなに大量なお金をもってもなにもすることがない自分の創造性とか感受性とかそういうのなさに
「いやいやいや!そうだ!そうだ!まずは(貯金)を一億にしてから考えよう!!俺は仕事だけの人間じゃない!!」
山神は目を瞑りながら腕を組みATMの前で苦悶の表情を浮かべた
それか、本当に旅行も視野に入れるかぁ?でもなぁお母さんはそれで良いっていうこも知れないけど現場を知ってる人間からしたら危ないしなぁ・・・
山神がATMの前で冷ややかな視線を周囲に向けられてる中、緊張が走る音が周囲に響いた
〈ビービービー!!緊急!緊急!西地区Bで「魔獣」発生!!〉
店内のBGMが止まり、緊急のアナウンスが店内に響き渡った
「うお!マジか!」
山神が反応して時、店内は騒然となっていた
「B地区って隣じゃないか!?」
「嘘だろ!!」
「あああ!!!逃げないと!!」
店内はパニック状態となった。店のかごを放り投げ外に走って逃げる者、職務を放棄して裏口から逃げるもの、その場で固まるもの、その中で万引きをするもの
その時、山神は店内の緊急放送に腕を組みながら耳を傾けていた
「ちゃんと最後まで聞こうよ~、クラス3以上だったら店内の方が安全だよ~」
〈魔獣発生!!想定クラス暫定「2」〉
「クラス2」か、そして、発生地区は「西地区B」、ワンチャン間に合うか?
山神は腕を組み考える
「いや、その前に」
山神は目をレジの方に移す。そこには金髪でマスクをつけ服装が黒い上下のジャージのいかにもという男がレジのお金を取ろうと息を荒げていた
「グヘへ!!!店員を脅す予定だったが!!魔獣発生とはこれは好都合だぜ!!」
男はレジをカウンター越しに叩いていたが一向に壊れてあく気配がない
「クソッ!!なんであかないんだ!!」
そりゃ開くわけないだろ。魔獣が出現したタイミングでいつも盗難の被害に遭っていたら溜まったもんじゃないでしょ。人間対策で色々とそういうのは例外的に強化されてんのよ、常識だろ。いや、今時強盗とか考えてる時点で救いようのないバカか、それか、魔獣を直接目で見ていないラッキーな馬鹿かどっちかだな
「あああ!!しゃらくせー!!タバコだ!!俺はタバコが好きなんだ!!タバコを奪っていくぜぇ!!」
男はレジの後ろにあるタバコの商品ストックを万引きしようと考えた。男がカウンターの登ろうとしたその時
「ぐえっ!!」
男の服の首根っこが掴まれ男は地面の床に座り込む形になった
うわ、近くで見ると肌が若いなぁ~
山神はそう関心しながら、男の首に瞬時に腕を回しチョークスリーパーの形を作った
「悪いことは今時、ダメだよ~」
「ぐぐぐぐぅ・・・」
男の顔は一瞬でみるみると赤くなった。締め技はじわじわとゆっくり決まるとよく言われるが実際はそうではない、一度完全に決まった締め技は相手を10秒もかからずに意識を堕とせる
「ぐぐぐぐぅぅうう」
「アレ?」
だが、山神の腕は一般人よりも太いのでチョースリーパーが決めずらいのである
チョークを決めてから30秒後
「ぐぐぐぐぐぅぅうう!!・・・・」
「あ、堕ちた」
俺って意外と寝技うまくないのかぁ・・・。まぁやってたのは20年も前だし仕方ないけど、なんか悲しいな、一応ブラジリアン柔術紫帯だったんだけどなぁ。。。
山神は軽く落ち込むと、レジのカウンターを越え、店員側のカウンターの下にあるリンゴ位の大きさのシルバー色の光沢な輪っかを二つ取り出した
「え~と、確か、触れるだけでいいんだよな」
山神はカウンターから出ると失神している男の背中に輪っかを当てた
すると、輪っかは即座に男の両腕と共に胴を縛り付けた
「おぉ凄いなコレ。俺も注文しようかな」
山神は関心しながら足にも同じ様に輪っかをつけた
「さぁてと、じゃあ俺もそろそろと行きたいので」
山神は店内を何かを探すように物色した
「あ、いたいた」
山神は口元に手をかざし少し大声を出した
「そこの!お尻が見えてるおねーさん!!」
その声にビクッとお尻を身震いさせる女。女は恐る恐る物陰から姿を出した
「な、な、なんですか」
女の背丈は140にも満たない小柄、白いボタンがついたシャツに膝丈くらいの黒いスカートをはいていて、赤いランドセルを背負っている
明らかな小学生だ
「おねーさん。ちょっとお願いがあるんですけど」
山神は小学生の目線に合わせるためしゃがみこみながら笑顔で語りかけるように喋った
「ひっ!!な、なんですか!!」
この時、小学生女子目線で見た山神の姿はひげを生やした汚いニヤニヤしたゴリラの様に映っていた。少女の目に涙が浮かぶ
「た、食べないで下さいいぃぃ」
少女の今にも泣きそうな震えた声に山神は焦りを隠せなかった
「え、え、食べ?ええ!あっあっあっ!!たべ、食べないよ!!たべないよ!!安心して!!」
どもっている男と泣きそうな少女、コレは傍から見たら俺がやばいロリコン犯罪者に見えるじゃなか!!
「あ、あ、そうだね!!怖いよね!!ごめんね!!えっと、おじさんが君に言いたいのは、この倒れてるお兄ちゃんが起きたらこの催涙スプレーをかけてほしんだ!!えっとそれだけだから!!あと、警察に通報してほしい!!できるかな~?」
山神は汗をダラダラと流しながら輪っかと同じくレジのカウンターの下からとった小さい催涙スプレーの缶を床においた
「やりますから~~食べないでください!!」
やっば、俺ってそんな人食べそうな見た目してんの??、え~~傷つくなぁ
山神は苦笑いをしながら「ありがとう。おねがいね!」と優しく言い店の外に出た
「え~そんな見た目悪いのか、俺?」
山神は店の外に出ると頭をがくっとさせた
「まぁいいや、早く俺も「魔獣討伐」にいかないと!!」
まずは装備を取りに天馬基地に戻らないといけない。やっぱ走らないとかなぁ~、汗かいた装備だと気持ち悪いんだよなぁ~。はぁ~
山神 拳 才能・ノーマル 天馬基地所属の万年平隊員 御年39歳
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




