第十五話
今日のユリは、メンタルに引きずられて不調になる。
そう、思っていた。
しかしその予想は当たらず、むしろ絶好調と言える戦績だった。
その反面、むしろおれは不調気味で、いつもの2割増くらいの気合で戦った。
その結果、10戦10勝、負けなしの状態だった。
「みんな今日調子いいねー!このまま20戦20勝目指そ!」
先輩の全戦全勝宣言。今に始まったことではないし、もう慣れたものだ。
「るな、流石にそれはセイやユリには荷が重いんじゃないか?」
夜半が反論する。しかし無駄だ。月先輩は一度言ったことは取り消さない。なんなら100円賭けてもいい。
「まぁまぁ、目標だから!いつか達成できればいいんだし、目標を立てて損することはないからいいじゃん!」
おれの読み勝ち。むしろ無駄だとわかっていてもおれやユリのために抗議する夜半を最早尊敬したいと思う。
もちろん、自分のためでもあるだろうが。
「僕は20戦もできないような気がしますけれど…」
すかさず、夜半のフォローをする。最も、フォローといえるかはわからないが。敬語だったし。
月先輩の前では、どうしても敬語になってしまう節がある。
それはユリがおれと月先輩が仲良くしているのを嫌がっているような気がするのもそうだし、何より月先輩とおれが時間的にすれ違うことが多いからだ。
おれは基本12時前に寝るけれど、一方の月先輩は12時頃から始めることが多い。
それでも、明日に響くのも困るから寝るのだけれど。
だからおれと月先輩には距離があって、敬語で話す癖がついていた。
「確かに!てゆーかセイはなんで私にだけ敬語なのー?タメでいいのにー」
絶対にプレイ中にする話じゃない。どうしてマッチング待ちのときじゃないのだろうか。
そう思いながら、プレイを続行する。
「ユリ、そこ潜伏1体。あ、あと先輩、敬語は外した方がいいなら外しますが…」
この際、先輩の距離感が近すぎるんですよ、という本音はそっと封をしておく。
ユリは黙ったまま、潜伏をキル。見事な腕前だ。
「うん!外してー!ゲーム中とか非効率っ!」
こちらも話しながら、2体同時キル。流石ユリの師匠だな、と尊敬の念を抱く。
ユリを見習って先輩の弟子にでもなるべきだろうか。
「わかった。」
それだけ言って、ユリのサポートに回る。
つい先程までだんまりを決め込んでいたユリが口を開く。おれがきたことで少し喋る余裕ができたと考えるのは自惚れだろうか。
「そういえば、なんで師匠はこんな早い時間に起きてるんですか?普段日付が変わる頃に起きるのに。」
それはおれも思っていたことだった。そしてユリの敬語は許すんだな、とも。やはり弟子権限だろうか。
「あー、今日学校あったからさー。しかもテスト!ほんとだるかったー」
癒やしてー、と弟子に頼み込む先輩。そんな先輩をあやすユリや夜半はいつも通りで。
やっぱり、恐らくまだ今日にあたる日に感じた違和感は気のせいだったのかな、などと考えていた。
「あっ、やば」
先輩が呟く。それと被せるように、試合終了の合図となるブザーが鳴る。
連勝記録は16回というなんとも微妙な回数で崩れ落ちた。
「負けたし、いい時間だから今日はお開きにするか。」
ゲーム中ほとんど話さなかった夜半が言う。恐らく、おれと先輩を気遣ってのことだろう。恐らくおれ、先輩の順に3対7くらいの比率で。
「私も賛成〜、今日いつもより寝れなかったから眠いし、」
そう言う先輩の声は、前聞いたときよりも少しだけ高く、その言葉の真実味を増す材料になっている。
「セイとユリはどうだ?」
「他のみんなが落ちるなら落ちる」
こっちは今日はずっとテンションが低そうだ。それは果たして眠いだけだろうか。
眠いだけであってくれ、と願いながら、この中で唯一まだ夜半の問いに答えていないおれも、ユリに続くようにして言葉を発する。
「おれも賛成、つか落ちるわ。おつー」
それだけ言い残して、おれは通話から去った。
今年も雪が降る季節になって参りました!
私みたいな雪嫌いからしたら地獄みたいな季節ですね!
そしてこれより先に書き出したはずの物語が未だに1000文字を越えません!切実に助けてください。
見てくれた皆様(主にネッ友たちだと思われる)ありがとうございます!
率直な感想くれたら嬉しい。普通に喜ぶ。というわけで言ってほしいなーっていうだけ。
ここまで読んでくれるかはわからんけどね★
ではではーっ




