熱海編最終回!新たなる…⁈
イケおじがゾッとするような雰囲気を醸し出してきたが、
ちょうどその時、どピンクの必殺技エイジレスが解けてしまい、フレッシュオーラがなくなったので一同の関心はそちらに移った
ホテルのロビーはピンノライダーに壊されまくった調度品が散乱し、ガラスが割れた玄関からは風が流れ込む
イケおじに撃たれたピンノは跡形もなく…その場には白い煙が薄く漂っているだけ…
ブー、ブー、ブー
外からパトカーでも救急車でもない、独特のサイレンを鳴らす装甲車のような数台の車と、
バババババ
という爆音と共に、灰色の軍用ヘリコプターがホテルの前に現れた
ハリケーンのような風が舞う
中からゾロゾロと防護服を着た人間が出てくる
イケおじがカツカツと早足で歩み寄ると、彼らの中でもエライ立場であろう人間が前に出て敬礼した
「えっ、イケおじってもしかしてけっこうすごい人?」
こまちちゃんが目を丸くする
「そりゃ、あんなアップルウォッ⚪︎持ってるぐらいだしなぁ」
どうやら三郎さんはアレがかなり羨ましいようだ
(健康も管理してくれるらしい、と噂では聞いていた)
半蔵さんと秀治さんは少し難しい顔をしている
売れない漫画家さんは、いつか漫画の資料にしたいとばかりにスマホでその光景を撮りまくった
すると、いつの間にか目の前に防護服を着た人が立っていて、
売れない漫画家さんから、スマホを取り上げ、今撮った画像を全消去した
「あーー」
売れない漫画家さんは悲しそうな声を上げたが、絶対逆らっちゃいけない場面だと誰もが思った感じだったので、
返されたスマホをただ握りしめるしかなかった
一方、不倫一同
「りょ、良子…大丈夫か…」
意外にも、不倫夫の豊が妻に声をかけた
良子はフッと夫の顔に焦点を合わせる
夫の瞳には、僅かだが、昔良子を愛していた頃の輝きが見てとれた
良子は少し微笑んだ
その微笑みが自分への許しだと思った豊は一瞬喜んだが、
次の妻の一言がその喜びを壊した
「もう、終わり
終わったわ
離婚しましょう、豊さん」
こんな状況だがみんな聞き耳を立てていたので
その場が凍りつく
「さっき怪物がいて、
生きる、死ぬ、みたいな状況になった時
これからの人生一緒にいるのは
豊さんではないとハッキリわかったの
あと…あの男の人に褒められた時、私すごく嬉しかった
アナタからはもう何年も褒められたことなんてない…料理をしても、掃除をしても、子供を産んだ時でさえ…
私、私のことを褒めてくれる誰かとこれからは生きていきたいの」
「良子!そんな…そんなこと言わないでくれよ…!
褒めるぐらいいくらでもしてやるから!な?」
「豊さん!」
横にいた愛人、幸子は怒鳴った
「どうして?これで奥さんと別れられるんじゃない…良かったじゃない!ねえ!」
豊は、言葉に詰まる
梨乃さんとこまちちゃんはジリジリと不倫一同に近寄りベストポジションで展開を見守る
「ダンナさん、絶体絶命よね」梨乃さんコソコソ
「ここから入れる保険はないわー」こまちちゃんクスクス
「オレは…オレはどっちも…」
豊は、まあ思いつく限り1番言っちゃいけないことを口走った
バッチィィーーーーーン
瓦礫だらけのホテルロビーに響き渡る、
奥さんによるフルスイングの平手打ち
ダンナの頭は一時的に180度後ろに回転したように見えた
「あーーーほーーー!!!!」
奥さんの心の叫びを、他の皆は首がもげるほど頷いて聞いた
アホです、そのダンナ、ホントアホですやん!!と
アホダンナは文字通り膝から崩れ落ち、愛人は泣き出し、奥さんは近くの無事だったソファーに座り込んだ
さてそんなことをしているうちに、その場にいた人間たちは防護服の軍団に個別に聞き取りを受けるため、ホテルの宴会室みたいなところに連れて行かれた
即席だが選挙の投票所みたいに作られ、住所氏名さっき見たこと聞いたことなど聞かれた
夕ご飯が大分過ぎた頃に解放、そして新たに振り分けられた他のホテルに送られていった
コウレイジャーたちは、イケおじの関係者だからか、
かなり良いホテルになった
(一泊五万円ぐらいするところ)
ちなみに不倫一同は宿泊コースではなくご帰宅コース(選べたらしい)にして、
手配された新幹線に乗って帰ったらしい
「奥さんどーなるんでしょうねー」
良いホテルの露天風呂で、こまちちゃんは梨乃さんに言った
高級ホテルはアメニティが充実していると大喜びである
「離婚じゃない?あーなると女は撤回しないわよ」
「でも、子供さん小さいって…」
「それが問題よねぇ」
実は、と、梨乃さんは奥さんとLINE交換したことを明かした
「きゃー、いつの間にぃ!さすが梨乃さん!」
はしゃぐこまちちゃん
「だから、これからどうなるかは教えてもらえそうよ
私も協力したいしね」
結局のところ世話好きな梨乃さん、
我らがコウレイジャー紅一点!である
男風呂の方では、
夕食の後のふくらんだ腹をそれぞれが抱えて
露天風呂で星空などを眺めている
もちろん薄い白いタオルを頭に乗せて
半蔵さん、秀治さん、三郎さん、売れない漫画家さん、イケおじ
みんなイケおじに聞きたいことはあれども、
聞いてはいけないような気がしたのと、
いつの間にか露天風呂耐久大会になっているのとで意外と静かである
お湯に浸かっているお肌はみんな既に真っ赤…でも「出よう」って言ったら負けだから!
半蔵さんが空を見て言った
「おっ、流れ星」
みんながほのぼのしている中、
イケおじは言う
「アレはスキーマーです
今度はどこに現れるか…」
【終わり】
次回!草津編に続く!
コウレイジャー熱海編はこれにて最終回です!
次回からは草津編!
5月の文フリでは、熱海編の紙文庫本頒布予定です、お近くにお越しの際はぜひ寄ってみて下さい!
サークル名は「かんおけ文庫」です




