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神代終焉戦争、開戦  作者: 原田広
エピローグ

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エピローグ

世界を覆っていた光の柱が砕け散り、天空を埋め尽くしていた神の肉体は崩壊しながら星屑のように降り注ぐ。

人が生み出した最後の槍。

幾千万の命と、幾千年の知識と。人の持つ力のすべてを注ぎ込んだ一撃は、ついに神の心臓へ届いたのだ。

誰も歓声を上げなかった。

勝利を叫ぶ者もいなかった。

人々は感じた。その厚い雲の向こうから見下ろす神の視線を。

その視線には怒りも狂気も疑問も無かった。


神は死んだ。

一度も言葉を交わすこともなく、触れることもないまま、人は神を打ち倒した。

都市は焼け落ち、海は濁り、山は崩れ、黒い雲が空を覆っていた。

だが、空は静かだった。

誰も見たことがないほど静かだった。

嵐もない。

天罰もない。

奇跡もない。

ただ風が吹き、雲が流れ、太陽が昇る。

それだけの世界。

人々は泣いた。

失われた者たちのために。

二度と戻らない時代のために。

そして。

未来のために。


数十年後。


一人の老人が空を見上げていた。

夕暮れの空を鳥が横切る。

神のいない世界を。人の世界を。


その姿を見上げながら老人は静かに目を閉じる。

遠い昔、人は神に挑んだ。

勝算などなかった。

奇跡もなかった。

ただ諦めなかった。

それだけだった。

神話は終わった。

そして、人の物語が始まる。


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