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フェミハンター

現代のフェミニズムに対するストーリーを描こうと思います

世界は、平等の名の下に塗りつぶされた。2047年、連邦共和国「ニッポンバラ」。かつて日本と呼ばれたこの島国は、もう存在しない。代わりに広がるのは、すべての決定が「女性の安全と尊厳」を最優先とする完璧な社会だ。男は「潜在的加害者」として登録され、出生時から腕に埋め込まれたチップで行動を監視される。公共の場では声を上げることすら許されず、女性が通り過ぎる際には自動的に道を譲り、目を伏せなければならない。「毒素を抑える」という名の教育が、幼い頃から男児の脳に刷り込まれる。

「君たちは生まれた罪を償うために生きなさい」

「女性の感情を傷つける言葉は、暴力そのものよ」女帝と呼ばれる最高指導者、エヴァは、二十年前の「大浄化革命」で古い秩序を焼き払った。家族は解体され、結婚は「一時的な感情契約」に変わり、子供は国家の管理する子宮センターで生まれる。男は精子提供者としてのみ価値を認められ、感情を表に出せば即座に「再教育キャンプ」送りだ。東京の残骸である「新都心第壱区」。ガラスとコンクリートでできた高層住宅群の最上階、窓のない独房のような部屋で、私は目を覚ました。名前は当夜。登録番号M-77492。職業は「奴隷」——つまり、女性たちが使う公共施設の汚れを、影のように掃除する男だ。今朝も腕のチップが低く振動し、起床を命じた。鏡に映る自分の顔は、三十歳を過ぎたばかりなのに、すでに老人のようにやつれている。頰はこけ、目は常に伏せられている。笑うことを忘れた顔だ。「零、今日の業務開始まであと十五分。遅延は女性のストレス増加要因と判定されます」壁に埋め込まれた合成音声が、優しい女性の声で告げる。私は黙って作業服に袖を通した。胸には「安全のための沈黙」と書かれたバッジが光っている。街に出ると、いつもの光景が広がっていた。巨大スクリーンで女帝の演説が繰り返される。「私たちはついに、男性という名の原罪から解放されました。すべての暴力は男から生まれ、すべての苦痛は男がもたらした。今日も、私たちは優しく、強く、公正に、この世界を統治します」通りを歩く女性たちは、華やかな制服をまとい、笑い声を上げている。彼女たちの後ろを、十メートル以上離れて男たちが列をなして従う。誰かの視線が女性に長く向けば、チップが警告音を鳴らし、罰金が即座に口座から引かれる。言葉を交わせば、即時拘束だ。私は地下鉄の清掃作業場に向かいながら、ポケットの中で拳を握りしめていた。昨日、ゴミ箱の奥に捨てられていた古い紙切れを見つけた。革命以前の、禁じられた本の破片だった。「自由とは、個人が自らの運命を決める権利である」文字はかすれていたが、胸の奥に熱いものが灯った。あの瞬間から、何かが変わり始めていた。この社会は、平等を叫びながら、最も残酷な不平等を生み出した。女性を神とし、男性を家畜とした。愛情は「支配の感情」とされ、母性は「国家資産」として管理される。誰もが「安全」の中で窒息している。私はもう、沈黙を続けられない。今日も清掃作業をしながら、私は心の中で繰り返す。この灰色の子宮から、いつか這い出してやる。そして、この歪んだ「楽園」を、叩き壊す。




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― 新着の感想 ―
現実で女と関わりの無いやつほどミソジニーになる傾向、女に対しての憎悪がある。 わざわざ小説にして女を侮辱して自身の歪んだ感情を昇華させないと苦しいのが痛いほど伝わる。 可哀想なニンゲンである。 是非こ…
言葉のチョイスがいちいち気持ち悪くていい。 学生の頃いじめられてた奴が教室の隅っこでコソコソと自分に都合のいい妄想の小説を描いてたのを思い出しました! ちゃんと社会との関わりを持って自身の歪んだ認知を…
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