りんけーじ90 ローレライの歌
りんけーじ90 ローレライの歌
「はーっ、何とか全員巡り合えたわね!」鈴乃が、ドラゴンのえるを撫でた。
ぼうっと光る深海のクラゲがゆらゆらと目の前を通り過ぎて行く。
「じゃあ、スフフシェルを探しに行きますか!」あかねが手を上げた。
「ふーむ、どこにおるのか?えるの千里眼を以てしてもわからんぞ」凜が腕組みした。
「スフフシェルっぽ、居場所なら知っているっぽ」ローリィが人差し指を上げてはしゃいだ。
「お主は、何者じゃ?ひょっとして人魚か?」凜がローリィを上から下まで眺めた。
「んだ、おら、ローレライって、言いうっぽ、ローリィでいいっぽ!特技は歌うことだっぽ!」ローリィは嬉しそうに尾びれを振った。
「おお、やはり、人魚かえ、ならば海の中の事情には詳しそうじゃの」凜は顎を擦った。
「おらの歌を披露するっぽ」そう言うとローリィは歌い出した。
「プロフォンドス、オチェアノス、イーモ♪」
その歌声は、とても美しく、澄んだ声で、どこか物悲し気だった。
ローリィは続けた「ダイプレネ・ルナ・レベルスルス、ノックス、シレーニ、ウナ・ペルソナ♪」
「何じゃー?とても心地の良い歌じゃのー」凜は、ふわぁーとあくびした。
「な~何だかとても眠くなってきた」ローリィの心地よい歌声を聞いていると、瞼が下がり、ウトウトとしてきた。
「カエルレウム、ルークス、イルストゥラートゥム♪」
あかねと、ヴァールはもう眠ってしまっている。
えるも首を折り曲げて目を閉じていた。
「コーベ、インディチューム、セーデ♪」
鈴乃もよろよろと、えるにもたれかかる様にしゃがみ込むと、そのまま「クー」と寝入ってしまった。
遂に全員眠り込んでしまった。
「な、なんで、おらが歌うと、みんなすぐ寝てしまうっぽ!」眠っているみんなを見てローリィは、歌うのを止めた。
「起きるっぽ、歌を聴くっぽ!」ローリィは、凜をグイグイとゆり起こした。
「ふぁ?何じゃ」凜が目を開けた。
「もっと、歌を聴くっぽ!おらの歌は上手くないっぽ?」ローリィは、必死に訴えた。
「お、お主の歌声はとても美しく、心地よいのじゃ」凜は眠そうに目を擦った
「じゃあ、なんでみんな寝るっぽ」ローリィは凜に詰め寄った。
「ふ~む、きっと、お主の歌声には、そういう魔力が秘められているのじゃな」凜は目を閉じウンウンと頷いた。
「魔力っぽ?」ローリィは、涙を湛えた瞳で凜を見つめた。
「そうとしか、考えられん」凜は、ローリィの涙を拭った。




