りんけーじ91 深海の雪
りんけーじ91 深海の雪
「さあ、それじゃあ、スフフシェルを探しに行くっぽ!」凜に慰められて、気を取り直したローリィは、そう言うと、体をぽうっと発光させ、尾鰭で水をするっと掻いた。
「える出ます!」えるは、俺たちを背中に乗せ、ローリィの後に着いて行った。
静寂に包まれた漆黒の海の中で、一面が白いなだらかな坂を下っていく。
「あれ!?雪が降ってきた!」あかねが、ブレスレットのシールドの光を巧みに使い、頭上を照らした。
まるで、真っ暗な冬の夜空から、こんこんと舞い降りてくる雪の景色がそこには広がっている。
「うーむ、幻想的であり、どこか物悲しさを感じるのじゃ」凜が感傷に浸っていた。
「でも、ここは海の中ですよね。雪は降るわけがないです」ヴァールが不思議そうに言った。
「マリン・スノーだっぽ!」ローリィは、見上げた。
「やっぱり雪だ!」あかねは、手に取った。
「スノーって言っても、雪じゃないっぽ!死んだプランクトンや、海の生物の排泄物なんかが、海底に向かって降下しているものだっぽ!それが、雪の様に見えるからそう言われてるっぽ!」ローリィは、あかねに言った。
「えーっ!排泄物ってことは、ウンチ!?ば、ばっちい!」あかねは慌てて手を振り払った。
「マリン・スノーは深海で暮らす小さいものの養分になるっぽ!」ローリィはあかねを見て笑った。
「あいつらが、分解するから、海が綺麗になるっぽ」ローリィはあかねを諭した。
「そっか、分解されないと、溜まる一方だもんね、そういう物を分解する微生物がいるから、海の水が清浄に保たれるのね、生物循環ね」あかねは、ローリィの話に感動した。
マリン・スノーの吹雪を見ながら、進んで行くと、やがて崖に辿り着いた。
「ドロップ・オフに着いたっぽ!」ローリィは立ち止まった。
「随分深そうね」鈴乃は魔法の杖の光を下の方にかざしてみたが、光はあっという間に、暗闇に瑞込まれていった。
突如ローリィがくるっと見返した「ここから先は、かなり危険になるっぽ!引き返すなら、今だっぽ!今なら間に合うっぽ!」
みんな、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「ここから先に行くと引かえせないっぽ!それでも行くっぽ?」ローリィはみんなに確かめる様に言った。
「だ、大丈夫よ!わ、わたしたちは、異世界探検部なんだから!ねっ円正寺くんっ」鈴乃の杖が震えている。
「う、うん」俺もえるにしがみ付いてる手に力を込めた。
「じゃあ、行くっぽ」ローリィの体が深い水底に消えて行った。




