6話 灯台荘の朝を歩く人
6話 灯台荘の朝を歩く人
翌日の昼前、玄関に小さな影
緊張した声で「……住めますか?」
雫の「……大丈夫。ここは、そういう場所だから」
真昼の手話「ようこそ」
透の案内
宙の意味不明な歓迎
文子さんの湯気
みかの光の帯
ジュンの「灯台荘へようこそ」
灯台の光が海原を照らす
絵凛の「おはよう、灯台荘」
真昼の手話
雫の小さな決意
透の海の音の話
宙の風の報告
文子さんの朝ごはん
新しい住人が少し緊張しながら食堂へ
ジュンの「今日から、灯台荘の朝だね」
朝食を終えると、 新しい住人はまだ少し緊張した様子で、 灯台荘の廊下をそっと歩いていた。
廊下には春の光が帯のように差し込み、 その光に照らされるたび、 新しい住人の表情が少しずつ柔らかくなる。
雫が声をかける。
「……散歩、してみる?」
新しい住人 「……うん。少しだけ。」
透は杖で床を軽く叩きながら、 「この時間の海は静かですよ。 音が優しいです。」 と微笑む。
真昼は手話で 「大丈夫?」 と胸の前で手を開く。
宙は風をまとって走りながら、 「新しい人、風が気に入ってるって言ってるよ!」 と意味不明な報告をする。
みかは光を調整して、 “午前の帯”を作る。
文子さんは湯気を揺らしながら、 「午前はねぇ、灯台荘がいちばん優しい時間よ」 と笑う。
新しい住人は、 その言葉に少しだけ肩の力を抜いた。
「……ここ、いい場所ですね。」
ジュンはその様子を見ながら、 胸の奥がふわっと温かくなるのを感じた。
灯台荘の午前の散歩が終わり、
海風が少しだけ弱まったころ。
廊下の窓辺で、
湊さんがふと立ち止まる。
光が肩に落ちて、
その表情が少しだけ柔らかくなる。
雫
「……無理しなくていいよ。」
湊
「……うん。ありがとう。」
少しの沈黙。
そして、湊さんが自分から口を開く。
湊
「……あの、僕……
湊って言います。28歳です。
海のそばで育ったから、
この名前、気に入ってるんです。」
透
「海の音、好きなんですね。」
湊
「……はい。
でも最近は……
音が怖くなる日があって。
だから、静かな場所を探して……
ここに来ました。」
真昼(手話)
「大丈夫」
雫
「……ここは、そういう場所だから。」
宙
「風も“湊さん、よく来た〜!”って言ってるよ!」
文子さん
「お茶いれておくわねぇ。
話すのは、ゆっくりでいいのよ〜 ☕」
みか
光を少し柔らかくして“安心の帯”を作る。
ジュン
「湊さん……
ここでは、急がなくていいよ。」
湊
「……ありがとうございます。」
湊
「……実は、
人の声が重なる場所が苦手で。
頭が真っ白になるんです。
だから……
ここなら、ゆっくりできるかなって。」
絵凛
「湊さん、灯台荘はね、
“弱さを隠さなくていい場所”だよ。」
灯台の光が、
湊さんの横顔をそっと照らす。
湊
「……来てよかった。」
雫
「……湊さん、いい人だと思う。」
真昼(手話)
「仲間」
宙
「風も“湊さん歓迎〜!”って言ってるよ〜!」
文子さん
「お茶いれておくわねぇ〜




