19話「かたちを変えた灯り」
19話「かたちを変えた灯り」
ある日。
ジュンのもとに、一通の連絡が届く。
差出人は、あの地域支援センターとは別の団体。
件名はシンプルだった。
——「活動のご報告」
ジュンが開く。
そこには写真が添えられていた。
小さな部屋。
でも、灯台荘とは少し違う。
畳。
低い机。
壁際に並ぶクッション。
ランタンはない。
代わりに、障子越しのやわらかい光。
宙が画面をのぞき込む。
「風がね、“これも灯台〜?”って言ってる!」
雫
「……ちょっと違うね」
透が静かに分析する。
「音の吸収を意識した構造ですね。
日本家屋の特性を活かしています」
真昼(手話)
「静か」
メールには、こう書かれていた。
——灯台荘の考え方を参考に、
——私たちなりの“安心できる場所”を作ってみました
——まだ試行錯誤ですが、少しずつ利用者が増えています
ジュンは、ゆっくり息を吐く。
「……形、違うね」
絵凛が微笑む。
「うん。でも、大事なところは同じ」
「“無理しなくていい場所”でしょ?」
ジュンは頷く。
「……ちゃんと届いてる」
そのとき、
湊が小さく言う。
「……こっちのほうが、僕は落ち着くかも」
みんなが見る。
雫
「……そうなんだ」
湊
「はい。木の感じとか……音の響きとか」
透が頷く。
「人によって最適な環境は異なりますね」
宙
「風も“こっち派もいる〜!”って言ってる!」
わらわら。
ジュンは記録する。
——灯台は一つの形ではない
——人に合わせて変わることで、意味を持つ
絵凛が静かに言う。
「jun さん、“灯台荘を広げる”んじゃなくて」
「“灯台を増やしてる”んだよ」
その言葉に、
ジュンは少しだけ考え込む。




