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第1話 結婚相手は顔か中身か

 林 : 結婚相手を顔で決める奴っているのかな?


 松野 : いるだろ


 林 : 顔だけで?


 松野 : だけっていうか、基準にはなるでしょ


 宮島 : 経験者は語る


 林 : どれくらい?


 松野 : 付き合うときの基準くらいには


 林 : 決め手にはならない?


 松野 : 結婚の決め手とは違うんじゃね


 宮島 : きっかけ


 松野 : そう。きっかけ


 林 : 顔はきっかけで、結婚の決め手にはならない?


 松野 : ってことかね。なんで急に?


 林 : いや彼女と別れて


 宮島 : おっ


 松野 : そーなん


 林 : うん


 宮島 : 振った or 振られた


 林 : どっちかなー。まあ振られた、か


 松野 : なんで?


 林 : 直接的に言われたわけじゃないけど、まあ、結婚かな


 宮島 : 結婚する気ないなら別れます?


 林 : 系。


 松野 : で、顔がなんか関係すんの?


 宮島 : 顔が良かった?


 林 : 見た目は良かった方かね。でも、結婚ってイメージできなくて


 宮島 : 中身が合わなかった?


 林 : 合わないわけじゃないけど、結婚とかは考えられなかった


 松野 : 結婚願望あんの?


 林 : ないけど、ちと考えたね漠然と。いつかはすんのかな、とか


 宮島 : するなら早い方がいいと既婚者はみんな言うよね。我々もまもなくアラフォー


 松野 : でも、したらしたで自由なくなるし、もっと遊んどきゃ良かったとか思うよ。だから羨ましいけどね


 宮島 : 経験者は語る


 林 : ミヤジ願望とかないの?


 宮島 : 相手が……


 林 : 松野は、決め手は?


 松野 : うちは、できちゃったから


 宮島 : 中田氏


 林 : どういう感じなの。知ったときとか


 松野 : まじか、って思ったよ。


 林 : 一瞬驚いて、で、覚悟決めた感じ?


 松野 : そんな感じかなあ。まじか――ってなって、これはもう結婚だなと。親御さんに挨拶行くのが気まずかったけど


 宮島 : 修羅場


 林 : 言ってはなかった?


 松野 : ないね。うちの親にも言ってなかったし。


 林 : まあ言わないわな。


 宮島 : 実際はどうだったの? 生きて帰ってこれたの?


 松野 : 結構歓迎ムードだった。

 

 林 : ほお


 宮島 : 意外


 松野 : もちろん、嫁が事前に言ってたからね。そのときは驚かれたみたいだけど、でもまあめでたいってなって。俺が挨拶に伺いたいってことも伝えてもらって。


 宮島 : 挨拶行ったときには概ねOKしてくれていたと。


 松野 : うん。嫁のお姉さんがなかなかできにくかったみたいだから。


 林 : ああ、お姉さんはもう結婚してて?


 松野 : 不妊治療してたって。


 宮島 : 今多いみたいね。


 松野 : 昔から一定数いたとは思うよ。最近オープンになってきただけで。だからまあ、林の彼女の感覚も分からんではないけどな。


 林 : うっ


 宮島 : 年齢


 松野 : 三十五歳過ぎると妊娠率下がってくんだよ。相手いくつ?


 林 : 三個下だから三十一歳か


 松野 : 子どものこと考えたら頃合いだな


 宮島 : 転職もしにくくなるし。時は金なり


 林 : うう……


 宮島 : その子と結婚しようとは思えなかったの?


 林 : その子とっていうより、結婚自体がまだ考えられなくて


 松野 : まあ俺もできてなかったら、してなかったかもしれないからな


 宮島 : 我々も年取りました


 松野 : 何歳くらいまでには、みたいなのあんの?


 林 : 今回考えちゃったよね。どうなんだろ。四十歳過ぎたらもう無理?

 

 宮島 : データだと、十パーセントくらいみたい。四十歳過ぎて結婚できる確率。


 松野 : 芸能人とかだと結構いるけどな。


 宮島 : 芸能人はね……


 松野 : 金か


 宮島 : 金は時なり


 林 : 金なー。俺絶対無理だもん。養ったりとか家建てるとか


 松野 : 俺も結婚してなかったら、前の仕事続けてただろうからな


 宮島 : 料理人


 松野 : 飲食の仕事好きだったし。いつか店出してみたかったから。


 宮島 : 夢か、家族か。


 松野 : でも今は共働きも普通だし、奥さんが支えてるパターンもあるみたいよ。


 林 : まあねえ……あとはこっちの感情の問題なんかね。


 宮島 : そう考えてくと……顔はそんな問題ではない?


 松野 : 結婚したら関係なくなるよ。どうせみんな老けるし。男もだけど。


 林 : 最後は中身になるのかな? 相性っていうか。


 松野 : そらそうだろうけど、中身合わなかったから付き合わなくね?


 宮島 : そもそも論


 林 : 中身っていっても、性格に限らず、家柄とかもない?


 松野 : 家柄?


 宮島 : 宗教


 松野 : ああ、うちの親も、「変な宗教の人じゃなかったらいい」とか言ってたな


 林 : 外見も中身も良くて、変な宗教だったらどうよ


 宮島 : あとから知るやつ


 林 : 最初は分かんないでしょ。 松野の奥さんが変な宗教入ってたらどうするよ


 松野 : だいたい分かるだろ。一緒にいれば。


 宮島 : 「今日集会があるから行けない~」


 林 : 隠すかもしれなくね?


 宮島 : 政治と宗教と野球の話はするな


 林 : 結婚するときそういう確認とかすんの? というか、した?


 松野 : そういえばしたわ。


 林 : してんじゃん


 松野 : いや、最初、「借金とかある?」って話になって。嫁は奨学金が残っててさ、俺もだけど。


 宮島 : リアル


 林 : やっぱするんだ、そういう話。


 松野 : 確かにしたな。で、そんときに嫁が「変な宗教とか入ってないよね?」って、笑いながら。


 林 : そこで「入ってる」ってなったらどうなるんだろ。


 宮島 : 戦争に


 林:本人は「変な」宗教とは思ってないかもしれないし。


 松野 : どーなってたかなー。分かんね。回りでも聞いたことないな。


 宮島 : ネットとかでは見るけどね。それで揉めたとか、子どもは入れないとか。


 林 : 俺やっぱ無理かも……


 松野 : でもキリなくね? それ気にしだしたら。


 林 : いやだから、中身が合えばって言っても、そういうのもあるなと。

 

 宮島 : 私そろそろ入眠に


 林 : 宮爺朝早いからな


 松野 : 俺も寝るわ


 林 : おやす~

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