第27話.Re:頑愚
近々全編改稿予定を立てております
何か別の気配を感じて、意識を取り戻す。
そこにいたのは親友。手には拳銃。
──ああ、なんだか頼もしいな──
「……何をするつもり?」
「大丈夫。別に殺そうってわけじゃないさ。……ちょっと脅せればいいだけ。」
そう言って警察官のほうに銃を向ける。安全装置も付いたままだし、本気で撃つ気がないのは分かる。だが、それは警察官も同じなはずだ。
「いいかい、諸君。惜しむらくは手を汚さなければならないかもしれない。言っていることは分かるだろう?妙な動きをしたら撃つ。今すぐ投降しろ。」
……やり遂げたいことではある。だからと言って親友を危険にさらしたいわけではない。
警察官のほうを見て、敵意はないと目で伝えながら、親友に「もうやめようよ」と、そう声を掛けようとした瞬間、一発の銃声が鳴り響く。
警察官の銃に動きはなかった。親友が持っていた銃はまだ安全装置を外していないはずだ。
まさかこの一瞬で安全装置を外して撃ったのかと、そう思い親友のほうを見る。
──力なく倒れこんでくる親友。なすすべなく覆いかぶさってくる。
右に数十メートル、銃を持った別の警察官がいる。
──そりゃそうか。銃を奪っていった子供を追いかけない警察官はいないだろう。
仲間がやられそうになっているのを見て助けようとしてしまうのも分かる。──警察官としては間違っているが。
──キレた。知らない。人を殺さないなんて。
親友から銃を奪い取って反撃しようとする。しかし、どれだけ引っ張っても手から銃は離れない。
親友の目を見る。
「……最期の約束。他人のために人殺しをしないで。……共犯にはなりたくないから……ね。」
「……ねぇ、最期なんて言わないでよ。まだ、可能性は──」
──ない。そう断言できる。
この状況で救急が正常に動けるとは思えないし、仮に救急に入ったとしても助かるとは思えない。
心臓に穴が開いている。
生命を保てないほどの傷だ。どうしようもない。
……とりあえず、親友から離れることにする。ここで警察と睨み合っていては救急も到着することができない。
下から這いずり出て、親友から銃を奪う。
安全装置を見えるところで外す。
交互に警察官を狙い、牽制しながら川のほうへ進んでいく。
今すぐにでも殺したい、殺したくてたまらない。
その気持ちは親友の負傷からくるものだ。
今ここで殺したら親友も殺しの原因となる。
──共犯になりたくない……とはこのことを言いたいのだろう。
殺したいという激情を抑えながら進んでいたらいつの間にか橋についていた。
今、ここから飛び込んでも散々な未来は見え切っている。
随分と下流に来た。数時間前とは深さが全然違う。ここから飛び込めば骨折──当たり所が悪ければ死が待っているだろう。
どうしようか、と迷っていると川沿いに立っているビルの屋上から人の声が聞こえる。
何を言っているのかはわからないが、相当焦っていることだけは分かる。
追ってきた二人の警察官もそちらを見ているので、少しだけ隙ができている。
その隙に付け入ろうとする。
警察官に背を向けて走ろうとした瞬間、川に何かが落ちた音がした。
──人……?
あれは……幼馴染……?
周りの警察官も信じ切れずに固まっている。
橋の横にある階段を駆け下りて確認しに行く。
紛れもなくそれは幼馴染だった。




