カレン☆揉み道
さきは、突然背後からの殺気を感じた。修行着が水を吸ってしまい、一瞬反応が遅れる。
っ!!
ぬっと脇の下から伸びる二つの手がさきの胸に迫る。さきは全身全霊を込めて、肘打ちを背後に打ち込む。
「ごへぇっ」
聞き覚えのある声がして、振り返る。
「・・・おぅ、元気になったようで良かっタです、おべぇ」
カレンが腹を抱えてうずくまって、吐瀉物を撒き散らす。
「はぁ・・・、カレン揉むなら自分の揉めよ」
その場にあぐらをかき、カレンがやれやれという仕草を見せて、
「自分の揉んで何が楽しいんですカ。恥じらう乙女のを揉んでこそでしょうが」
「滅っ!!」
印を結び、魔力を込める。簡単な封印術の一つ、雷縛。痴漢撃退にちょうどいい。死なない程度に加減はしないと。
「ぎゃばばばばばば」
カレンの体に電流が流れ、ビクンビクンと痙攣する。
「ふ、ふふふ、ふふ、さき。術のキレが増したようですネ。胸は増さないのに」
「っ!!滅!!!!」
ふたたび森の中を閃光が照らす。
「あ、さきちゃん、かれんちゃーん!ってどしたの?!」
黒こげのカレンを見てほのかが驚く。あぁ焦げた生ゴミだから気にすんな。
「・・・あ、ほのかきょうはピンクですネ」
瀕死の状態のカレンが首だけ動かしていう。
「ぬん!」
振り下ろされた踵で、カレンのすぐ近くの地面が割れる。この子はこの子で十分やばい。
「・・・カレン?一回記憶を消そうか?」
静かな笑顔を向ける。怖っ。
「す、すみませンでしタ。」
「きょうは、さきちゃんの快気祝いでしょ?お菓子買ってきたよー」
「そ、そ、そうでした!さき、一緒にケーキ食べましょウ!!私のプロデュースした白鳥財閥特製ケーキでーす!」
まったくこの子達は、悩んでいたことが馬鹿らしく、思えてしまう。




