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農業の国〈ルクール〉にはその国に沿った国土の広大さや富んだ土地など強みや武器が合って、そして戦える戦士が少ないという弱点がある。
――それは国単位の話ではないんだ。僕ら人間という小さな括りにだって、得意不得意が合ってそれを埋め合わせるように集落が出来て国が出来ていったんだ。
生まれが違ったって僕らは同じ人間なのだから、敵対する必要は無いのになぁ。
本当の人間の繋がり、そこに“形が在り方”が存在する。
「姫さん! 貿易が上手くいって良かったね」
「私、一人では出来ませんでしたからっ」
僕らが乗車する帰路の馬車で、昨日の栄光に浸って盛り上がりの落ち着かない車内。そんな中、リベルテはすっと僕の方に振り返るとウィンクをした。特別大したこともしたつもりもないのだけど……、この国の一員になれたのかなっと少しは気は楽になった。
――それから国はより円滑な貿易を図れるようになった。
僕が馴染めたことが視界に影響を与えているのか、それともこの〈形無き国〉に元来、広がるこの風を僕もようやく見えるようになったのか。
週に一度、〈ルクール〉から馬車の遣いがいらっしゃって、希望者をどんどんと乗せていく。帰ってくる子供達は身体を泥だらけにして帰ってくると野菜を頬張って食べていく。それが常習化していくと街もどんどんと復興していく。
――あぁ、こうやって国が出来ていくのかぁ。
僕が感心するのも無理ない景色だ。
僕は街が国が滅んでいく戦争の姿とともに生きてきたのだ。だから、国は最初から出来ていて無くなっていくっものだ……と。潜在的かつ無意識に感じていた。
僕とランはランの親父さん…………つまり、街、唯一の定食屋の二階に住まわせてもらって。僕は名目上は用心棒、ランは今日も一階に降りて店番を勤めている。
後ろ手に屋根に横たわって晴天の空と満点の笑みを一望すると、日に日に人々は足りない物に気づいていったのだろう。
これはそう新たな貿易の兆し。
――僕らは食料ではなく、新たなに建築材を求めて、兵団を組むのだ。それは〈ルクール〉を超える大きな都へと。




