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僕で大丈夫ですか?  作者: 誠也
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僕が行くんですか?

日が暮れると戦いが止まった。

はぁ~~、なんとか生き残れた。

僕とトトさんはその場に座り込む。

もう動きたくない。

兵士さん達もお城の入口に何人かを残して、他の人は体を休める。

ぐうぅぅ~。


「ハハハ、そう言えばお昼食べてませんでしたよね。何か取ってきますので待ってて下さい。」

「いやいや、トトさんだって疲れてるでしょ、自分で取りに行くよ。」


僕が私がとお互いに自分が行くと言ってなかなか決まらない。

なんだかベッドのときと同じだなぁ。


「じゃあ一緒に行きますか。」

「う、うん。」


お城の食堂に歩いていくといい匂いがしてきた。

食堂では避難してきた女性達が兵士さん達のためにシチューを作っていた。

僕達はシチューとパンを一つ受け取り席に座った。

いただきます、ぱくり。

うんまぁ~い。

なにこれめちゃくちゃおいしい。

・・・ふぅ。

もう食べ終わっちゃった。

おかわりってもらえるのかな?

聞くとまだ全員に渡せてないからダメだって言われてしまった。

ちょっと残念。

でもお腹がふくれたら眠くなってきたな。

ちょっとくらいなら寝てもいいかな?

ダメだ眠気に勝てない。

トトさんおやすみなさい。


・・・


目の前にはテレビが見える。

ここは僕の部屋だ。

なんだ、僕寝てたのか。

僕が勇者で召喚されるってそんなのあり得ないよね。

夢でよかった。

でもトトさんと過ごした時間は楽しかったな。

トトさんまた夢に出てきてくれないかな。


・・・


「・・ミさん、ウサミさん、起きてください。」

「ん~、あれトトさん、また夢かな?」

「違いますよ、現実です。」


ほっぺをつねる。

痛た。

はぁ、やっぱりこっちが現実か。


「ウサミさん、アルス様がお話があるとのことですので、行きましょう。」


アルス様が?なんだろう?

謁見の間に行くとアルス様は少し嬉しそうな顔をしていた。


「おお、ウサミ殿、先の戦いではありがとうございました。私達のために戦って頂いたようで。」

「はい、僕もただ守られているだけじゃダメだと思いましたので。」

「そうですか、そうですか。では今後も戦いに参加して頂けるのですな。」

「はい、微力ですが頑張ります。」

「ありがとうございます。そこでウサミ殿、一つお願いがあるのですが聞いて頂けますかな?」

「なんですか?」

「ウサミ殿にバリアル国のグラード王を討ち取って頂きたい。」

「えっええー!」


敵国の王様を討ち取るってそんなのムリだよ。

たどり着く前に絶対殺られちゃうよ。


「なにちゃんと策もありますぞ。まずウサミ殿に変身魔法をかけてコボルトになってもらいます。ただ変身するだけでは臭いでばれてしまいますが、今回はコボルトの死体もありますので、それを使い、コボルトの臭いを模した香水を作るのです。それを体に吹きかけバリアルへ侵入すればばれずにグラード王の元へたどり着けるはずです。あとはウサミ殿がグラード王を討ち取るだけです。」


なんとなくいけそうな気もするけど、何で僕に?

聞くとウサミ殿は勇者ですからの一点張り。

なんというか体よく危険な仕事を押し付けられているように聞こえて仕方ない。

行きたくないな。

でもトトさんも行くっていうし、残ってしまえば僕は一人だ。

トトさん一人に危険な仕事を任せてしまうのは気が引けるな。

それにここに残っても安全という訳じゃないし、敵国の王様を倒せば戦争は終わりそうだし。

全然気が進まないけど行った方がいいのかな。

う~ん。


「ウサミさん、絶対成功させましょうね。」


そうだ、トトさんは僕が守るって言ったんだ。


「アルス様、僕行きます。」


言っちゃった、もう後には引けない。

もう、なるようになっちゃえ。

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