実技評価別授業
まじで戦闘描写むずい
今日からまたしばらく学校だ。今日から体育は実技の評価によってメンバーを分けてやるらしい。僕はAクラスなのか。この学校の評価別授業はA~Eクラスまであって、アルファベット順で最初に近い方が評価が高い生徒が多いらしい。
去年はCだったんだけどな。試験官を倒したことで変わったのだろうか。去年は運動能力調査に近い形でやってたから、明確な基準があっただろうけど、今回のだとそれは難しいだろうから。
「玲もAか。よろしくな。」
「ああ、よろしく。白滝。」
白滝もAだったようだ。僕と違って明確に能力を使いこなしていたし、当然だろう。
「お前ら整列しろー。これから授業を始める。まず点呼1組22番」
先生は続けて全員分の点呼をする。僕も自分の組と番号が呼ばれた時に返事をした。
「全員いたな。よしまずは説明から。今日からしばらく体育の時間では実技試験の結果に応じてクラス分けしてやっていく。理由は単純に授業中に模擬戦や、組手、相談をする時に実力が近い方がより適切な訓練ができると判断したからだ。たまに下のクラスとも合同でやることがあるが、その時は教える側に回ってもらう。質問がある奴はいるか?」
1人の生徒が手を上げる。
「なぜ鈴波さんがこのクラスなのですか?彼は能力を公開しておらず、効力値は1。流石にこれでは能力に関する評価は0でしょう。他が満点でも、Aクラスには届かないと思いますが。」
「あーそれはだな。このクラスに入る条件は2通りあるんだ、一つは実技が上位20%の点数を取れていること、もう一つが試験で試験官を倒すこと。玲は後者に該当するんだ。工房武器を使いこなす技量と、相手の行動を先読みした動きで勝っていたから、まぐれでもないと判断した。少なくともお前が心配しているであろう実力の担保は取れているから安心してくれ。」
「なるほど、実力があるなら特に異論はないです。」
あの生徒誰なんだろ。彼女は僕を知っていたみたいだが、僕は彼女を知らない。僕は効力値1で有名だからだろう。けど、彼女が疑問を持ったのは、単純に学校の仕組みについてだ。僕を差別しようとしたわけでもないし、単純に実力を伸ばしたい真面目な生徒なのだろう。
ここはとてもいい学校だ、差別するような奴はほとんどいないし、したとしても弱者がより弱いものを見つけて落ち着こうとしてるだけに見えるのだろう。そんなのは周りからは惨めに見えるだけだ。
それを全員わかっているし、そんなしょうもない事してないで努力しろみたいな風潮がある。弱者が頑張るのを応援するし、何か欠点があっても他で補おうとしているならそれを尊敬する学校だ。
「まず、最初の授業の内容としては、体術の強化だ。なぜ体術が重要視されるのか、わかるやつはいるか?」
1人の生徒が手を上げて、こう答える。
「体術を鍛えれば戦闘力が上がるからですか?」
「それもあるが、少し違う。玲なら答えられるだろう。」
唐突に話題を振られた。確かにこの中なら能力を使わない僕が一番習熟しているだろうが。
「能力者同士の戦闘において、一番均衡しやすい戦況が近接戦です。近接戦では、お互いがすぐ動くので、能力のイメージを固めるのが難しく、大きめ決め手を作りにくくなるからです。また、探知による能力の回避や発動の妨害のしやすさも関わります。よって、近距離でより有利になるには、体術などの近接戦の能力を高める必要が出てくるからです。」
「その通りだ。能力というのは発動にイメージが必要なため、瞬時に出すのは難しい。そこでより瞬時に出せる体術などを学ぶことによって、近接戦を有利に運べる。距離を取れるならそれで解決だが、人間相手の戦闘だと相手も能力を使ってきて、被害が大きくなりやすい。だから近接戦が重視される。今回の授業は班でやろう、まずは組手のようなものから。班を言ってくから、言われた人たちで集まれ。」
どうやろ僕は、さっき質問した女生徒と、黒髪の男生徒が一緒の班のようだ。
「よろしく。僕は鈴波玲。」
「知ってるよ。俺は石川 勇人。よろしく。」
「私は天野目 炎。」
「玲は体術とか得意なんだろ?頼りにさせてもらうよ。」
「参考になれるように頑張るよ。能力を絡めるのは無理だから、そういう面ではだめだと思うけど。」
簡単な挨拶が終わって、先生が説明し始める。
「それぞれ班で交代しながら、体術による模擬戦を行う。能力の使用は禁止。転んだり、手を地面につけたら負けだ。では、開始。」
「どの順番でやる?」
「俺最初にやりたい。玲とやってみたいんだがいいか?」
「僕はいいよ。天野目さんは?」
「いいよ。体術がどんなものか見てみたい。」
「じゃあ玲、やろうぜ。」
「わかった。天野目さん、開始の合図よろしく。」
「じゃあ、開始。」
天野目さんの合図で僕は動き出す。石川の方向にゆっくりと近づいていく。石川は下がろうとするが、結局近づかないと終わらないことに気づいたのか、待ち構える構えをとる。
待ち構えている相手に一方的に打つことは難しい、だったら、相手が予想しない動きで対応させないようにすればいい。
最初に、左手で大袈裟目に拳を放つ。これは防御か回避されるだろう。石川はおそらく回避する。最初に下がったということは、攻撃に当たってはいけないと考えてる可能性が高い。
石川は体を斜めらせて回避した。そのせいで反撃しずらくなっている。その次、すぐに右手に体重をかけながら、拳を放つ。斜めった状態では、回避もしづらく、こっちの攻撃が視界の端に寄るので、止めたり受け流すこともやりにくい。割としっかり体重が乗ったので、石川は少し怯んだ。
そこから追い討ちをかけるように攻撃を腕の身にして立ち回り、腕の攻撃に対応し始めたところで足払いで転倒させた。
「鈴波の勝ち。」
「負けたか。玲めっちゃ強いな!」
「こればっかは経験かな。僕の能力だと、体術とかしか使えないし。そういえば、石川って武器使って戦うタイプ?」
「おう、いつも片手剣使って戦ってる。」
「だからかな、今回は身体でしか動けないから、攻撃を受けて大丈夫だけど、多分いつもは攻撃受けるのを避けてるでしょ。」
「よくわかったな。その通りだよ。じいちゃんに教えてもらったんだけど、攻撃を受けるのは絶対ダメって言われてるからな。なんかアドバイスとかないか?」
「それなら、受け流しとか練習するといいよ。体術だと間合いがどうしても近くなるから、回避するなら後ろの方にも移動すると追撃を受けにくいかな。回避は安全なように見えて、その次を考えないといけないから。その分誘導とかにも使えるから、何事も使い用かな。」
「なるほど、ありがと。ちょっと考えてみるわ。」
そういって石川は集中し始めた。運動神経良さそうだし、回避の動きが綺麗だったから、多分すぐ慣れるだろう。
「鈴波、私もやらせてくれ。」
「わかった」
その後、天野目さんとの組み手が終わったくらいで、授業も終わった。




