表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/201

76ページ 魂呼(たまよ)ばい。

 チャラ男には薄っすらとだが跡が残ってしまった。

オレが殺しかけた跡が……

回復魔法を掛けまくったせいか目立たないんだけど。


勿論あやまった。

あの川の手前でのことも。


「気にしなくていいよ。

オレを殺せって言ったのはオレ自身だしかあさんのことだって

死に目に会えなかったからずっと引っかかってただけなんだ」


「アレが本当にかあさんだったかどうか分からないけど会えてよかったと思ってる。

なんだか最後に手を振ってくれたみたいに見えたしね」


死んだ人は帰ってこない。

じいちゃんが死んでからオレもいろいろ思い出して後悔したことが

一つや二つじゃあない。

一緒に住んでなかったじいちゃんでさえそうなんだから母親となったら……


でもオレはチャラ男に行ってほしくなかった。

いっしょにココに、この世界にいてほしかったんだ。



 あの悪霊のことをバイトなあの人から教えてもらった。

最初は大したことのない悪霊だったのに生贄で抑えて置こうとしたら

その生贄を取り込んでいったんだそうだ。


予言でもうじき生贄が必要なくなるというのは入れ物の器を手に入れて

現世に復活するという意味だったんだ。


「生贄が魔力の強い者たちだったから多分強力な悪霊の化身ができただろうね。

君たちが抵抗してくれたおかげで完璧な復活とはいかなかったようだし

退治もしてくれたのはありがたかったよ」


あの召喚主は封じることで頭が一杯だったんだろう。

予言の意味が自分たちの思ってることと違うなんて思ってもみなかったかもしれない。


なんだか気の毒になってしまった。

勝手な召喚をされたから怒ってもいいはずなのに。


イケメンとゲンコツ女子はオレが倒れた後勇者さん達が来るまで

呼びながら回復魔法を掛けててくれたらしい。


「効いてる感じが全然しなくてずっと不安だったんだ。

魔物の相手をするより怖かったよ」


あー……足を向けて寝られないってこういう時の言葉なんだと納得した。


勇者さんも掛けてくれたと言うのでお礼を言うと


「魔族の神さまの加護のオカゲが大きいね。

魂呼たまよばいは儀式が形だけ残ってるところが多いけど

まさか君が成功させるとは思わなかったよ」


魂呼たまよばい? 


「うん……魂呼たまよびともいうんだけどね。

死んでいく人の魂に呼びかけて生き返らせようとすることだよ。

生き返らなくても最後の言葉を聞こうとしたり……ね。


加護のオカゲもあってチャラ男くんは生き返ったけど

次もできるなんてことは無いと思いなさい。

反魂はんごんはほとんど禁忌と言っていいものだからね」


神さまの加護のオカゲなのでお目こぼしなのかもしれない。


チャラ男は何だか吹っ切れたみたいで体育館でも思い切りのいい動きを

するようになった。

これならたとえ一人で召喚されても大丈夫だろう。


そう思った。

確かにそう思ったよ。

でもだからって一人で召喚されるとは思わなかった。

アイツは〔勇者の弟子〕だけど〔勇者〕じゃあなかったんだから! 

 恐竜は長寿で気候の急激な変化に付いていけなかったけど

寿命が短かった哺乳類は短いがゆえに変化に対応した

進化をして生き残ったんだそうです。

長生きなせいで滅ぶってなんだか不思議な気がします。


死ななかったから滅びる。

死にまくったおかげで滅びない。

並べてみるとやっぱり変ですよねえ。


生と死って不思議です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ