71ページ 手品師。
一旦、アノ体育館へと行くことになった。
事情説明と……まあ、口封じだね。
コノ世界が制限付きで魔法はほとんど使えないと知ってみんなガッカリしてた。
まあ、手品程度には使えるんだけどね。
学校は時間がほとんど止めてあるそうだ。
完璧に停止させてしまうと再起動が大変だとかで微速運転状態らしい。
まあ、学校ってのはちょっとした閉鎖空間みたいなものだ。
外部からの侵入はほとんど無いし、あったらそれこそ事件だ。
「ちょっとくらいの異常は漏れにくいからね。細工しやすくて助かったよ」
細工ねえ……ソレってできるの多分あなたくらいなんですよね?
オレにはマーカーが付いてるので居なくなるとすぐ分かる。
なので事態はすぐに分かったんだそうで場所と召喚人数から
そういう処置をしてくれたそうだ。
まあ、難しいことを言われても分からないけどほんの五分ほど
居なかったことにしちゃったらしい。
アノ異世界での滞在時間が短かったの五五分ですんだそうだ。
担任と副担任と残った連中は訳が分からないながらも
どうやら気のせい、勘違いで済ませる気になったようだ。
召喚された連中は今のところ箝口令を守ってる。
オレ達が〔勇者の弟子〕なのも黙っててくれてるので有り難い限りだ。
〔手品師〕は増えちゃったけどね。
だから! スカートめくりしてんじゃあねえ!
後ろのゲンコツ女子に気づけよ!
あー、スマン……言ってなかったけどソイツも〔勇者の弟子〕なんだよ。
お前ら程度の魔法はモロバレなんだ。
この世界はホントは召喚者の多い世界なんだよ。
バイトなあの人が増えないようにいろいろやってくれてるけどな。
魔法は楽しいかもしれないけど突然召喚されて人殺しの仕方を叩き込まれて
戦争の道具にされるなんてイヤだろ。
〔手品〕で我慢しててくれよ。マジで。
そんな平和なある日屋上でチャラ男に聞かれた。
「お前……人を殺したことあるのか?」
どう思う? 殺したことがあるように見えるか?
逆に聞いてみる。
「分かんないから聞いたんだけどな。
そうだな……多分無い。有ってほしくないってトコだな。
でも、お前はいざとなったら躊躇わないヤツな気がする」
確かに魔物は殺したけど人はまだ無い。
間接的に殺してるかもしれないが確認できてない。
でも殺して当然だと思えるようになったらコノ世界には住んでいられないと思う。
そんなアブナイ自分はココには置いておきたくない。
アチコチの異世界へ召喚されて制限なく魔法が使えても制限のあるココこそが
オレの大事な世界だと思うから。
「ココにだって人殺しはいるよ。剣でなくても人は殺せるし。
オレはお前にココに居てほしい。たとえ人殺しになってもね」
チャラ男のくせにカッコイイ台詞を吐きやがった。
そんなチャラ男を殺さねばと思う時が来るなんて思ってもみなかった。
この時はまだ……
〔手品〕が使えたらきっとやっちゃうだろうなあコレ。
でもまあ、ネタがゲンコツ女子とかにはバレちゃってますから
結果は見えちゃってますけどね。
なんだか物騒な方向へスライドしてってますねえ。
チャラ男くんナニカしたの?




