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no't ヒーロー  作者: 陽向アカネ


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20/20

6-3話


 「あー…。それが、全く関係ない」


 「はぁ!? 同じリンゴついてるのに、関係ないのに同じ名前使うか!?」


 「へっ。うっそぴょーーん」


 「だり」


 「アクマ、認めたくないけど、私も同感よ」


 「なんだよ、若い2人して、老害呼ばわりかよ」


 「老害って、毒リンゴさんまだ、25歳でしょ」


 「えぇ!? 毒リンゴまだそんなわけーの!? おまっ、そんな長い髭垂らして、目尻の皺も深いし、嘘だろ…」


 「えぇー。毒リンゴ、傷ついちゃう…。髭はぁ、めんどくさいから剃らないけどぉ、皺は失礼だよっ。くしゃっとした笑顔で、女ウケ抜群なんだからっ」


 「いや、その髭で台無しだろ」


 「アクマ、騙されちゃだめだよ。毒リンゴさん、相当モテるから」


 「え? これで?」


 「そう、これで」


 「思ったより年が近くても、それでも、5つは違うんだから、これ呼ばわりは腹が立っちゃうな〜」



 毒リンゴの歳の話のせいで、話が逸れたが、毒リンゴと赤リンゴは義理の兄弟らしい。赤リンゴは23歳と、毒リンゴの義理の弟に当たる。先に活動していた毒リンゴに、敵意を持っていて、あえて、赤リンゴという名のヒーローとなったみたいだ。そこで、次から次へと疑問が湧き出てくる。


 「毒リンゴは、グーレ街の人間という事なのか?」


 毒リンゴから二歩離れ、警戒する俺。


 「安心しろ、正真正銘、今はシャドー街の人間だ。グーレ街に居たのは、10歳までだ」


 ほっとした俺は、続けて質問をする。


 「何故わざわざ、シャドー街に来たんだよ。グーレ街のほうが、ここよりも安全だろ?」


 「言っただろ? 俺と赤リンゴは義理の兄弟だって。赤リンゴは生粋のグーレ街の血を持っている。だが、俺は、グーレ街とシャドー街のの血を持っているんだよ。本当のお袋は、シャドー街出身だからな。お袋が他界した後、父親はグーレ街の新しい母親を見つけた。そこで生まれたのが、赤リンゴだ。結局、シャドー街の血を持つ、俺は、馴染めなかったんだ。父親も権力の強い人ではなかったから、周りに流され、俺を排除したってわけさ。まぁ、俺も早くグーレ街から出たかったから、結果オーライだがな。グーレ街は、ライト、シャドー街に対しては中立の立場だが、グーレ街の中は、富裕層に権力があり、独裁的な街だったからな。今は知らねぇけど、まぁ、赤リンゴのしている事を考えれば、あんまり変わってなさそうだな」


 「ほー…、どの街にも色々問題がありそうだな…」


 「何言ってんの。外で悪事を働いても、エネミーとノットヒーローに対して、罰せない、シャドー街が一番やばい集団に決まってるじゃないの」


 「そう分かってんだったら、なんで、シュークリームはここに来たんだ?」


 「え、えぇ!? そ、それは、前言ったじゃない。毒リンゴさんに憧れてって…」


 「あー、そうだったな。でもよう、ココの方針に、納得いかないのに、やっていくのはしんどくないのか?」


 「あぁ、もう、アンタったら。知らないっ! 後、2人の人員は、毒リンゴさんとアンタで探してよね! 今日は、私帰るから!」


 「何故、あんなにプリプリしてるんだ?」


 いきなり怒ったシュークリームに疑問が湧く俺に、両手をあげ、何故か呆れ顔な、毒リンゴ。


 シュークリームが帰ったタイミングで、あまり長話をしていても、この会の意味が無くなる為、この話は明日に持ち越した。



 次の日。


 ピーンポーン。


 家が差し押さえられて、シュークリームの家に数日泊まらせてもらったが、それからは、毒リンゴの契約で借りてもらった家に住んでいる。


 そして、俺のインターホンに、映ったのは、緑、白、紫! と、奇抜な色が並んでいた。


 ガチャッ。


 「こんな朝っぱらからなんだよ」


 「アンタが明日にでも決行とか息巻いてたから、早く作戦立てるために来たんでしょ!」


 シュークリームは、未だに機嫌を直していないみたいだ。毒リンゴと俺に任せると言っておきながら、だらしない2人に任せるのは心配だったんだろうな。


 「シュークリームが朝からピンポンピンポンうるさくてよ。玄関開けたら強制連行だ」


 毒リンゴは、歳に似合わない、ヨレヨレの肌着姿…。金持ってるはずなのに何故…。あ、ギャンブラーだったわ。


 「そうですよ。僕だって用意ぐらいさせて欲しいのに…。昨日、僕が避けものにされてたので少し嬉しぃごにょごにょ…」


 グリはそう言っておきながら、すんごい格好が決まっているがな。こいつの事だから、いつでも出れる準備をしていたんだろう。


 「まぁ、入れよ」



 3人は俺の部屋に入ると、自分の家かのようにくつろぎだす。毒リンゴに至っては、勝手にシャワーを使って、俺の数少ない服を漁り、渋々選んでいる。グリが、勝手にコーヒーを淹れ、テーブルにホットコーヒーが並ぶ。シュークリームは、どこから出したのか考えたくないが、能力を使って作りだした、茶菓子を並べている。こんな感じで、ダートンの所に、本当に辿り着けんのか…?



 「よし、グリにはここにくるまでにザッと説明したから、早速本題に入るね。毒リンゴ、私、アクマと、もう2人なんだけど、グリは入れておこうと思う。毒リンゴとアクマは顔が割れてるし、あまり知られてない人を連れていくのが最善だと思うから」


 「でもよう、特訓の時、ずっと俺といたぞ? 情報とか行ってねぇのか?」


 「あー、大丈夫だろう。グリ、この一年で見た目が一番変わったからな」


 「そうそう、アクマに連れられている子犬みたいな感じだったけど、今となっては、どっちが飼い主か分からないもんね」


 「いや、うるせーわ。確かに、グリの見た目は変わったけどよう、それも…」


 「まずは、ダートンがいる場所への潜入が第一。潜入してからは、誰が行っても問題になるから、結局顔は割れるわ。赤リンゴの事務所も、手薄になるっていっても、人数が減るだけで、強者は残っていると思うからね」


 「そういう事なら、まぁ、大丈夫か」


 「まぁってなんですか。一年前なら何も言えませんでしたが、今なら、タイマン張っても、アクマに負ける気がしませんけど」


 「あぁん!? じゃあ、今からやるか?」


 「かまいませんよ」


 「おーっと、ストップ。血の気が強い若造達。大人しくしていろ」


 (お前が歳の割に、血の気通って無さすぎるんだよ…)


 毒リンゴ以外の3人は、心の中で同調した。



 「で、後1人、誰にするかなんだけど、候補はある?」


 「……」


 シュークリームの言葉に誰も答えない。


 「はぁ…。やる気あんの? 本当に」


 「いや、俺、ダートン以外、誰もつるんで来なかったし…」


 「ヒーローやめて、ノットヒーローになってから、アクマさんとしかいなかったし…」


 「俺、金借りすぎて、誰に借りたか忘れたから、変に頼みずれぇし…」


 「本当! 使い物にならない人達ね! まぁ、こうなると思って、目星はつけておいたのよ。その人にこの後会う予定だから、アクマが準備できたら行くよ」

 

 「俺? 俺はいつでも出れるけど…」


 「何言ってんの! A sランクになったんだから、ちょっとは自覚を持ちなさい!」


 俺は毒リンゴをじっと見つめる。そして、気配を消す、毒リンゴ。


 「へいへい、わかりやしたよ」


 重い腰をあげ、支度をして、俺達は家を出た。


 目星をつけている奴との集合場所は、シャドー喫茶店だった。


 カランカランッ。


 「マスター、久しぶ…」


 ビュン!! パシッ


 毒リンゴが店の中に入ろうとすると、マドラーがいきなり飛んできた。SSランクの毒リンゴはすかさずマドラーを掴んでいたが、掴んでいなければ、目が危うかった程の、コントロールだった。きっと、ここのマスターにも金借りたんだろうな。あ、いや待て、俺が私用でここに来たのって、あれ以来…


 「あは、あははは…」

 

 ビュンッ!! ゴツンッ!!


 「いってぇ…」


 マドラーの次は、氷が飛んできた。


 あの時は、ダートンが先に店を出て、俺が会計をすることになったが、金が足りず、ほぼ食い逃げしたんだった。その後にグリの話を聞くのにここに来たが、ダートンが話があると言ってくれたおかげで、見逃してくれていた。


 「揃ってアンタ達、ここで何恨み買うことしてんのよ」


 呆れるシュークリームと、グリ。


 仕方なく店に入れてくれたマスターは、個室へ指を差し、もう先に来ていると教えてくれた。

お読みになって頂きありがとうございます。

引き続き宜しくお願いします。

応援して頂けると幸いです。

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