ヒステリック・パニック
高空のジャングルから
カメラは群れで遊ぶ子ライオンたちの元へと降りていく。母ライオンの周りで遊ぶ子たち。
しかし、一匹の子ライオンが兄弟たちから離れ、遠くへ向かう……
そこでは、ライオンとトラが激しい戦いを繰り広げている。
子ライオンは恐れず近づく。ライオンが威嚇して吠える。
しかし子ライオンはトラ――トラのゼニール――を見つめる。
トラは凄まじい咆哮を放ち、子ライオンは後退し、急いで逃げ出す。
地獄の太陽の後の戦い
イザンはハーマンの技術の下で苦しんでいた。
暗黒のオーラと邪悪な霊が四方から彼を取り囲む。
その形は恐ろしく、彼に叫びかける。
イザンは立ちすくみ、動けず、目を見開き、恐怖で満ちている。
シャンは彼を見つめ、一歩近づく。
ハーマン:
「これ以上近づくな。現実世界からの一切の干渉は…彼を終わらせる。」
シャン:
「くそ……」
(ハーマンに向き直る)
「同じ年頃の子がいるだろう?彼も仲間だ…少しは情けを感じないのか?
息子シグランのためでさえも?」
ハーマン:
「こういう事に感情は不要だ。
たとえこの少年が私の息子でも…判断は変わらない。
この少年は危険だ。そして、危険は排除されるべきだ。」
シャン(怒りをつぶやく)
「くそ…君と話すのは時間の無駄だ。
妻を殺し、娘を追放した男から何を期待できるというのか…?」
イザン、幻影の中で
霊たちがイザンを完全に包み込み、彼の叫びが轟く。
シャンの介入
シャンは素早く振り向く。
シャン:
「イザン!耐えろ!
くそっ…霊にもっと攻撃されたら少年は死ぬ!」
シャンは目を閉じる……
突然、空気が止まる。
暗闇が場を支配し、熱気は消え、静寂が重く降りる。
ハーマン(目を見開く)
「……コラミ一族の闇?
これは厄介だな。」
長い闇の剣が場に出現する…空にも。
シャン:
「闇の剣だ。」
剣は多方向からハーマンに降り注ぐ。
攻撃は地面を砕き、穴を残し、小さな地震を起こす。
塵が力強く舞い上がる。
ハーマンは巧みに回避するが、剣は尽きない。
塵の中から、ハーマンは空へ飛び上がる。
しかし、シャンは黒い剣で彼の前に現れる。
一撃を加える――しかし、それは幻。
ハーマンは消え、別の場所に現れる。
しかしシャンは彼の隣に現れる。
ハーマン(驚き)
「これは…罠だったのか?」
シャン:
「おそらくだ。」
再び攻撃する――だが再び幻。
真実は…
ハーマンは動いていなかった。
塵の中に留まり、幻影で欺いていたのだ。
しかし…
闇の剣はハーマンの本体に刺さる。
ハーマンは口から血を流し、言う。
ハーマン:
「最初から…動いていなかったのを知っていたのか?」
シャン(背後、本物の剣を握り)
「そうだ。
お前が騙すなら、俺も騙す。
結局…お前は俺のゲームに落ちたのだ。」
イザンの解放
ハーマンの刺突で幻影が崩れると、イザンは尻もちをつき、震える。
遠くへ這い退こうとする。
突然、叫ぶ。
イザン:
「いや!いや!!
死にたくない!!いやああ!!」
涙が滝のように流れ落ちる。
目は恐怖でいっぱいで、完全に見開かれている。
イザンは走る…転ぶ…立ち上がる…
再び走る…叫び…泣き…息を荒くし…倒れる…
人生最大のショックを体験している。
シャンとハーマンの反応
シャン(低く)
「よくやった、小さなやつよ…
恐怖に身を任せろ…
生き延びるために逃げろ。」
ハーマン(軽蔑して)
「くそ…
本当にライスの息子か?
失望したぞ…」
イザンはさらに遠くへ逃げる、まるで死から逃げるかのように。
遠く――タゼル村の門付近
ラカンが全速力で駆けてくる、荒い息をつきながら。
空を見上げると、薄暗い影が広がり始めている。
ラカン(驚き)
「まさか…?シャン様?!」
森――シグラン
シグランが全力で走る。
シグラン:
「この闇…何が起きている!?
イザンは!?無事か!?」
村――出発の準備
アルダ:
「行くぞ!ライド、アスマ、ワエル…準備はいいか?」
ライド:「はい!」
アスマ:「はい、師匠!」
ワエル(躊躇い、恐怖):「たぶん…捕虜を守るために残るべきかも…」
アドナン:「行くぞ、皆!」
アンス:「了解!」
アミール:「はい!」
ナダ:「了解!」
マヤ(小声で心配):「シグラン…イザン…」
村門でのラカン到着
ラカンは異常な速さで到着。
マヤはすぐに駆け寄る。
マヤ:「師匠!来てくれた!」
アドナン:「ラカン!来るとは思わなかった!」
アルダ:「どうしたんだ?医者は外出を許したのか?」
ラカン:
「マヤ…イザンとシグランは?」
マヤ(心配)
「敵を追ったまま戻っていません。
今、皆で捜索の準備をしています…
でも…嫌な予感がします、師匠…」
ラカン(毅然と)
「なら、すぐに追跡だ!」
アドナンが近づき囁く。
アドナン:
「珍しく心配してるな…何か?」
ラカン:
「今は説明している場合じゃない、急ごう!」
アドナン(低声)
「わかった…我々の手に余ることのようだ。」
アルダ:
「ラカン…様子がおかしい。こんなの見たことない。」
アドナン:
「うん…もっと大きな災厄が迫っているようだ。」
全員が森へと走り出す。
戦いの再開――ハーマン vs シャン
シャンは剣をハーマンの背に突き刺し、胸から抜く。
ハーマン(怒り)
「少年はお前のせいで逃げたんだ、シャン!
オルマザ国全体に逆らうことになるのを理解しているのか?!」
シャン(冷静、鋭く)
「腐敗した体制に逆らうだけだ…
オルマザ国そのものではない。
そして、君のような硬直した考え方にも。」
ハーマンは突然解放され、闇の剣が消える。
巨大な怒りのオーラが立ち上る。
ハーマン:「この裏切り者め…叩き潰してやる!」
シャン(軽く微笑む)
「今、イザンはいない…
自由に戦える。」
二人は互いに突進する。
轟音が森を揺るがす。
一撃ごとに木を切り、岩を砕き、地面を抉る。
終末のような戦闘。
近く――イザン
イザンは走る…涙を流し、恐怖に押しつぶされそう。
突然、立ち止まり、気づく。
イザン(呟く)
「なぜ逃げる?
希望をくれた人を見捨てるのか?
父だと思った男を?
彼のおかげで、僕は人になった…友達ができ…気にかけてくれる人がいる。
今、僕は裏切るのか?」
初めてシャンに会った時を思い出す。
涙をぬぐい、決意を固める。
イザン:
「逃げない…これが運命だ。
死んでも後悔はしない。
少なくとも…夢見たことのない瞬間を生きた。」
戦いに向かって走り出す。
戦闘再開
轟音が森を満たす…
イザンは聞き、慎重に近づく。
イザン(怯え)
「なぜ…最高指揮官ハーマンがシャンと戦っている!?」
近くで爆発…少し後退。
前進しようとするが、足が震える。
足を掴む。
イザン:
「頼む…今は裏切らないでくれ!」
短剣を取り出し、腿を刺す。
イザン:
「何者にも、止めさせはしない…君ですら。」
再び前進。
クライマックス
ハーマン:
「まさか、ここまで耐えるとはな、シャン!」
シャン:
「驚かせてやろうか…」
突然、ハーマンが奇妙な笑みを浮かべる。
シャン(驚き)
「なぜ…?」
振り返る――
イザンが背後に立っている!
前を見ると――
ハーマンは消えている!
シャン:
「くそっ!!」
同じ瞬間、
ハーマンがイザンに向かって猛スピードで突進。
トラは子ライオンに向かい、
ライオンは油断している。




