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イザン:血の継承  作者: Salhi smail


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父であり師の死

密林の奥深く――

驚愕した子獅子の瞳に映る景色から、物語は始まる。


虎が一直線に飛びかかり、牙を獅子の首に突き立てた。

獅子はためらわず身を投げ出し、子獅子を守る。

子獅子の悲鳴が響く中、獅子の血が地面を染めていく。


景色が薄れ、場面はハーマンとシャーメルの戦いへと切り替わる。


【突破の瞬間】


視界が揺らぎ――

それは、衝撃に震えるイザンの目を通して戻ってくる。


背後から突き出たハーマンの燃える腕がシャーメルの胸を貫き、口から熱い血が流れ落ちる。それでもシャーメルは微笑んだ。


シャーメル

「まったく…お前は頑固だな…どうして戻ってきた…?」


イザン

「シャーメルさん……どうして……?」


ハーマン(冷たい声で)

「考えなしに身を投げ出すとはな…その子供のためにか。

言ったはずだ、情は命を縮めるとな。

ほら、見ての通りだ。」


シャーメル(血を吐きながら)

「これが…俺の運命だ…十分生きたさ…

最期がこうなら……光栄だ…」


ハーマンはゆっくりと腕を引き抜き、一歩後退する。


ハーマン

「別れの時間くらいはやろう。

だが長くは許さん。すぐに追わせてもらう。」


【最期の言葉】


崩れ落ちそうな体で、シャーメルは血に濡れた手を伸ばし、イザンの頬を撫でる。


シャーメル(かすれた声で)

「坊…行け……頼む……

少しだけ…足止めしてみせる…

南へ向かえ……

知り合いがいる……お前を守ってくれる…」


イザン(震えながら)

「シャーメルさん……どうして……」


時間は待ってくれない。


【影の動き】


森の奥、茶色のフードを被った男が急ぎ足で駆け抜ける。


フードの男

「…シャーメルの力が…消えかけている…

急がねば…!」


【森の入口】


ラーカン、アルダ、アドナン、マヤ、アミール、アナス、ナダ、ライド、アスマ、ワーイル。

一行が足を止める。


ラーカン

「待て……感じたか?」


アドナン

「ああ……あの方向だ……

一つは恐ろしく強い……

もう一つは…消えかけている…」


アルダ

「確かに……ぞっとする気配だ。」


マヤ

「わ、私には何も…シグランもイザンも、大丈夫なの…?」


ラーカン

「分かれて動くぞ。ひとつの方向から姿を見せるな。」


アドナン

「よし…アミール、ナダ、アナス…俺についてこい。」


アルダ

「ライド、アスマ、ワーイル…こっちだ。」


ラーカン(マヤに)

「マヤ…お前は俺と一緒だ。」

そして小声で

「そして…無茶はするな。」


全員が頷き、行動を開始する。


【シグラン】


シグラン

「また…闇の気配……一体何が…?」


【シャーメルの犠牲】


イザン(震えながら)

「どうして…僕のために…

なぜ最高司令官が僕を…

僕は…何をしたんだ…?」


シャーメル(息を荒げながら)

「坊…真実はいずれ分かる…

今は…逃げろ…

説明してくれる者がいる…

そこで…自分の道を選べ…」


激しく咳き込み、血があふれる。


シャーメル

「情に流されるな…それは破滅だ…

最後の訓練で言っただろう…忘れるな…」


イザン

「シャーメルさあああん!!」


シャーメル

「行け!!

生き延びろ!!」


【最終決戦】


シャーメル

「さあ…続きをやるか。」


ハーマン

「その体でか?

弱者と戦う趣味はない…」


シャーメル

「まだ…終わっていない…」


その瞬間、シャーメルの力が爆発的に増大し、

闇が渦巻き、空気が震える。


【各地への衝撃】


フードの男

「これは…全解放…急がねば…!」


シグラン

「闇の圧…っ、この感覚…!」


仲間たち

「…この力は…まさか…シャーメル…?」


【シャーメル ― 全力解放】


ハーマン

「死にかけても…その強さか。

よかろう、名誉ある最期を与えてやる。」


黒い影――まるで亡霊がシャーメルからあふれ、

ハーマンの喉をつかみ上げる。


ハーマン(息も絶え絶えに)

「この力…何だ…!?

振りほどけん…!」


シャーメル

「これしか…道はない…ハーマン…!」


炎がハーマンから爆ぜ、無数の炎の腕が生え、影を押し返す。


シャーメル(吐血しながら)

「化け物め…どれほどの力を…!」


一瞬の隙――

炎の腕がシャーメルを貫いた。


影が消え、シャーメルは崩れ落ちる。


【獅子の終焉】


イザン

「シャーメルさん…嘘だ…

死なないで…」


【回想 ― 最初の出会い】


シャーメル

「俺はシャーメル。

お前の父…レイスの友人だ。

母さん、ラヒールのことも知っている。」


【最後】


イザン(涙で頬が濡れ)

「父さん…父さん…

お願いだ…行かないで…!」


シャーメル

「坊…

復讐はするな…

逃げて…生きろ…

誰かのために生きろ…

憎しみに囚われれば…滅びるだけだ…」


――目が閉じた。


イザン

「父さああああああん!!」


叫びが森中に響く。


シグラン

「今の声…イザン…!?」


【怒りの爆発】


ハーマン

「泣くな。

その涙は…あの世で使え。」


イザンの瞳が真紅に染まり、黒い煙が立ち昇る。


ハーマン

「またその力か…だが無駄だ。」


イザンは立ち上がる。

もはやイザンではない。

怒りだけが残っていた。


【象徴の光景 ― 虎と子獅子】


獅子は倒れた。

虎が咆哮する。


だが――

子獅子は逃げない。

虎を睨み返し、吠える。

復讐を叫ぶかのように。


【章の終わり】

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