包囲の始まり(ほういのはじまり)
混沌の激化 ― エルマザ内部
もはやエルマザは、かつての姿ではなかった。
遠く離れた村々で――
突如として襲撃が発生する。
悲鳴が夜を引き裂き、
炎が家々を飲み込み、
血が狭い路地を流れていく。
単なる一度の攻撃ではない。
同時に行われた、連続的な襲撃。
数十人の死者。
理由なき混乱。
そして最も恐ろしいのは――
実行者たちが、何一つ痕跡を残さないことだった。
災厄の波紋、首都へ
その報は雷のように首都へ届いた。
指揮官の間――
将軍たちが再び集結する。
だが――
一つだけ、空席があった。
リコザ。
二度目だ。
最も危険なこの瞬間に、またしても不在。
静寂が場を支配する。
それは安らぎの沈黙ではない――
爆発前の沈黙だった。
会議室内
ハスミが杖を床に叩きつける。
「これはもはや事件ではない……戦争だ!」
カザミが目を細める。
「攻撃は同時……誰かが精密に計画している。」
ツシマが低く言う。
「命令を出せ……叩き潰してやる。」
ヒカリが静かに呟く。
「何かが……おかしい。」
クラミは皮肉に笑う。
「それとも――ようやくゲームが始まったか?」
真の爆発
その時――
一人の兵士が駆け込んできた。
「総司令官殿!
首都内部でも新たな襲撃が発生しました!」
一瞬の沈黙。
そして――
何かが壊れた。
外ではない。
ハーマンの中で。
現場 ― 首都の一角
エルマザの部隊が、死体の間を進む。
ライドは怒りに歯を食いしばる。
「くそ……民間人を殺すだと?卑怯者どもが。」
マヤは震える少女の前にしゃがみ込む。
「大丈夫……私たちが守るから。」
ワイルが周囲を見渡す。
「これは……普通じゃない……」
アンスは無言で観察する。
ナディが震え声で言う。
「なんて……残酷なの……」
アスマが呟く。
「この手口……仮面の連中と同じ。」
シグランがゆっくり首を振る。
「いや……何か違う……」
ライドが鋭く振り向く。
「どういう意味だ?」
シグランは静かに言う。
「こいつらは……外の人間じゃない。」
沈黙。
「エルマザの内側の人間だ。」
全員の表情が凍りつく。
「ありえない……!」ライド。
その時――
背後から声。
ラカン。
「いや……事実だ。」
全員が振り向く。
「エルマザ内部に……裏切り者がいる。」
衝撃。
アドナン。
「つまり……すべて仕組まれていた……?」
アルダが重く告げる。
「それだけじゃない……」
視線を上げる。
「統治者は……暗殺された。」
沈黙。
目が見開かれる。
アニメ的瞬間 ― ハーマン
宮殿――
ハーマンが拳を壁に叩きつける。
大理石が粉砕。
空間が震える。
将軍たちが一歩後退する。
だが――
それは単なる怒りではない。
恐るべき気配が、彼の体から漏れ出す。
その目が燃える。
低く、しかし絶対的な声。
「誰が……こんな真似を……?」
頂点
ゆっくりと振り向き――
将軍たちを一人ずつ見渡す。
「これはテロではない……」
「戦争の宣言だ。」
そして――
視線が止まる。
空席。
リコザ。
沈黙。
「誰がゲームを始めたか……分かっている。」
裏切りの暴露
ハーマンが静かに言う。
「裏切り者は……リコザだ。」
衝撃が走る。
「最初から分かっていた。」
一歩進む。
「だが……確実な証拠が必要だった。」
その目が燃える。
「奴はカグラ国の軍を……
タゼル村へ導いた。」
沈黙。
「そして今……再び同じことをする。」
「我々を侵略させるためにな。」
危機の理解
「我々は……包囲されている。」
「大軍が……こちらへ向かっている。」
ハスミが立ち上がる。
「もう動いているのか!?」
ハーマンは空席を見る。
「奴の不在が……証拠だ。」
「すでに始まっている。」
怒りの爆発
カグツチが叫ぶ。
「くそが……リコザァ!!」
「この裏切り者……俺が殺す!」
指揮官の決断
ハーマンが手を上げる。
一瞬で静まる。
「誰も追うな。」
驚き。
「奴の最期は……この手で終わらせる。」
沈黙。
「今は――」
「国境を固めろ。」
「軍を整えろ。」
「侵略に備えろ。」
進軍開始 ― 第123章
風が断崖の上で唸る。
地平線――
静かではなかった。
南から立ち上る砂塵。
大地が動いているかのように。
軍勢。
いや――
軍勢の群れ。
カグラの旗が揺れ、
兵の列は果てなく続く。
断崖の上
ヤザンが立つ。
外套が風になびく。
その目は進軍を見据える。
スカイが呟く。
「……始まった。」
ヤザン。
「戦争が……始まった。」
「俺たちは……どうする?」スカイ。
ヤザンはゆっくり振り向く。
「それが……問題だ。」
「この流れは……俺の計画に都合がいい。」
沈黙。
「だが……代償は大きい。」
「多くの無辜が死ぬ。」
「それは……認めない。」
スカイ。
「戦争だぞ……誰も助からない。」
ヤザンの目が変わる。
「だからこそ――」
一歩前へ。
「俺が変える。」
行動
次の瞬間――
消える。
矢のように。
スカイ。
「ヤザン!待て!」
だが遅い。
「くそっ……!」
追いかける。
終幕
その瞬間――
エルマザは完全に包囲された。
南からはカグラ軍。
他の方角からは――世界の軍勢。
包囲、完成。
そして――
戦争が始まる。
第123章 終わり




