信導の四教天使VS竜機の爆炎竜・終幕
遂に宿敵であるフィヘインと遭遇してしまったクリスとスフレ。
明らかに他の竜人とは違う雰囲気のフィヘイン・・・身に纏う異質な武装もさることながら、その身体から滲み出る竜力に息を呑む。
竜力と魔力というのは似ており・・・扱う属性もまた同じだ。
基本的に竜力の方が魔力よりも優れてはいるが、それは少し前の話。
今は女神セラフティアスの降臨によって世界の法則が歪んでしまい、その優位性は逆転とまではいかないながらも対等までに強力になってしまった。
だがしかし、対等の力となったとしても、決定的に埋めることができない物もこの世界に存在する。
それは経験・・・練度の違いだ。
天使達と長年生きている竜人とでは、力が同じだとしても経験という差は決して埋めることができないのだ。
竜人の中には優に三桁を越える竜人も数多く存在しているのに対して、天使達はまだそれほどの年月は経っていない。
更に言うなれば天使達は竜人達とは違い、平和に暮らしていたが為に戦場を生きてきた竜人に気圧されてしまうのは仕方がないのかもしれない・・・
それが四方を統べる竜人となればなおさらだ。
しかしながらそんなクリスのスフレの不安を和らげてくれる者・・・四教天使信導の四教天使の存在はクリス、スフレのみならず天使達の希望だ。
なのでクリスとスフレは安心して戦える・・・たとえ一度敗北している相手だとしても。
『クリス、スフレ来ますよ!』
信導の四教天使が叫ぶとほぼ同時に襲い掛かるフィヘイン。
狙いはというと四教天使である信導の四教天使ではなく、一番幼く戦力としても弱いであろうスフレだ。
見た目での判断なのか?それとも竜人としての勘がそう告げているのかは不明ではあるが、実際にこの面々の中でスフレは一番弱い。
まぁ、弱いと言っても人間の上位魔導師程度の実力は持っているが・・・
『まずはお前からだ!』
両腕の武装がフィヘインの竜力に呼応してその形状が変化する。
腕の武装が展開し、中から筒状の物が複数現れ・・・そして手の指にも似たような小さな武装が展開する。
『竜爆散火!』
フィヘインの掌から爆炎の竜法が放たれる。
しかしながらそのことを予想していたスフレは大斧を使用して爆炎から身を守ることに成功する。
『この程度・・・今度はこちらから行きますよ!』
フィヘインの攻撃に対して今度はスフレが攻撃しようと大斧を上段に構える。
いくら武装を変えて強化したからと言っても、その強化した武装を上回る力で押し潰されてしまってはないの意味がないのと同じように、スフレは力尽くでフィヘインを強化した武装ごと斬り伏せる算段だ。
(真っ正面から堂々と・・・だけどお前は既に罠にかかってしまったのさ)
フィヘインは展開して腕の武装を閉じる。
先ほどフィヘインが展開していた武装・・・それは広範囲に爆炎と爆風を吹かせると同時に発火性の微粒を飛ばすという武装になっている。
砂埃程度の大きさしかないがその微粒は炎と反応して瞬く間に燃えるという物となっており、その微粒は既にスフレに付着してしまっている。
爆炎と爆風に気を取られてしまったスフレは、その微粒を全身に浴びてしまってたことに気がついている様子はない。
(今度は木っ端微塵に吹き飛ばしてやるよ!)
斬り伏せようと接近してくるスフレに爆炎の竜法を撃ち込む為に構えるフィヘイン。
(十分に引き付けろ・・・)
(あの程度の攻撃なら私の最大防御魔法で防げる・・・少しは喰らうかもしれないけど私だってお役に立つんだ!)
フィヘインとスフレの距離が縮まり・・・後数歩でフィヘインの間合いになろうとしたその時、突如として雷鳴と共に雨が降り出し始める。
『これは・・・』
ポツリポツリと降りだす雨。
先ほどまで晴れていたのにも関わらずに一瞬にして曇り、そして降りだした雨に驚いたのはフィヘインだけではなく、クリスやスフレ・・・信導の四教天使もまた同じであった。
そんな不安を予想していたかのように空に声が響き渡る・・・内容を要約すると『目の前にいる竜人と戦うのには相応しいステージが必要』っということだ。
何を言っているのか理解出来ていないクリスとスフレだが、四教天使である信導の四教天使にはこの声の正体、そして言っていることの意味が理解できた。
そしてフィヘインもまた信導の四教天使より少し遅いながらも、意味を理解して慌ててスフレに対して爆炎の竜法を打ち出す。
しかしながらフィヘインの繰り出した竜法はスフレの展開していた防御魔法によって防がれてしまい、スフレには傷一つ付いてはいなかった。
(しまった・・・この雨はただの雨じゃない!)
スフレに浴びせた発火性の微粒が洗い流されてしまったことによって威力が弱くなってしまい、スフレを倒すことができなかったフィヘイン。
そんなフィヘインに追い討ちのようにして襲い掛かるスフレの大斧。
(くそ・・・回避は駄目か!)
回避することが不可能だとわかるとスフレの大斧に立ち向かうフィヘイン。
防御魔法をしたままでは斬ることはできないこと理解しており、防御魔法が解けた瞬間に爆炎の竜法を撃ち込み返り討ちにする算段だ。
『私を忘れてしまっては困りますね・・・』
突如背後から聞こえる声。
振り向こうとしたフィヘインであったが、振り向くことはせずに目の前に迫って来ているスフレに集中し・・・そして水の属性魔法が無防備な背中へと直撃する。
『く・・・そ・・・』
『今ですスフレ!』
いつの間にか回り込んでいたクリスの水の属性魔法を喰らってしまったフィヘイン。
無論フィヘインの武装は耐水性抜群なので水に濡れた程度では何も関係ないが・・・水の属性魔法の物量によってフィヘインのバランスは完全に崩れてしまった。
そしてそんなフィヘインに無慈悲に襲い掛かるスフレの大斧・・・
大斧と機械質な腕がぶつかり合いけたたましい音が周囲に響き渡る。
『ぶった斬れろぉぉぉ!』
『お前が吹き飛べぇぇぇぇ!』
ぶつかると同時に、スフレは大斧に仕込まれた風の属性魔法を解放して大斧の反対方向から勢いよく風の属性魔法が吹き出す。
その様子はまるでジェットエンジンのように爆発的な加速。
それに抗うようにフィヘインもまた武装に施されている風の属性竜法を発動させ対抗するが・・・
『一対一ならば貴女の方が強いでしょう・・・しかし、残念ですが戦争というものは必ず一対一とは限らないのですよ』
先ほどと同様に回り込んでいたクリスの攻撃が直撃してしまい・・・フィヘインの頼みの綱であった風の属性竜法を発生していた装備が破壊されてしまった。
『そんな・・・』
驚きと共にスフレの力に抗うことができなくなってしまったフィヘインが地面へと急速に落下していき・・・そして地面に叩きつけられる。
その衝撃によって地面に皹が入り・・・周囲の建物が崩壊してしまった。
『スフレ殺ったのですか?』
『いえ、あの竜人であればまだ生きて・・・』
スフレが言い終えるよりも先に崩れ落ちた瓦礫が一瞬で爆破され、四方に飛び散る。
『やってくれたなぁ・・・お陰で装備が台無しだよ』
怒涛の殺意と共に現れ出るフィヘイン。
四機あったはずの浮遊装置の内の二機が破壊されてしまったことによって、出力を上げることが出来ずスフレに打ち負けてしまったようだ。
しかしながらスフレの大斧を受け止めたはずの両腕の武装が壊れている様子はないことから、武装としての耐久性はどうやらスフレの大斧とフィヘインの武装は同等だと考えてもよい。
だがフィヘインにとってはスフレの大斧よりも、クリスの攻撃よりも問題なのが二つほど存在している。
まず一つはこの雨だ。
この雨は魔法の雨であり・・・この魔法の雨によってフィヘインの爆炎の竜法の威力が落ちてしまっている。
更にこの雨には動きを鈍らせるという効果もあり、それによりフィヘインは思うように動けずにいるのだ。
そしてもう一つは信導の四教天使によるクリスとスフレの移動速度の底上げである。
信導の四教天使は今は動いてはいない。
援護しているだけであり、直接攻撃してこないのは不思議だが・・・
それよりも魔法の雨の効果と、信導の四教天使の風の属性魔法によって強化されたクリスとスフレの相性が非常に良く。
それによりクリスにはいつの間にか後ろを取られてしまっていた。
(くそ・・・この雨いったいどうすれば)
止む気配のない魔法の雨。
一度撤退しようとしても、風の属性魔法を発動させる武装が四機中二機が破壊されてしまっている状況では厳しいと言える。
『こちらの方が以前有利です!クリス、スフレ畳み掛けてください』
『了解です』
『わかりました』
信導の四教天使の指示に従い攻撃する為にこちらに近づいてくるクリスとスフレ。
そんなクリスとスフレに対して迎撃をしようとしているフィヘインなのだが・・・急にクリスやスフレ、信導の四教天使とは違う声が聞こえてくる。
『フィヘイン様これを受け取ってください!』
声と共に現れたのはボロボロになってしまった竜人であり、その手には弩が握られており矢には何かを包んでいる袋が付けられている。
『お前は!?』
『説明はしている暇はありません!受け取ってください!』
そう言い終えるとフィヘインに向かって矢を放ち・・・その矢が瓦礫に突き刺さる。
しかしながらその中身を確認するよりも速くクリスとスフレがフィヘインに向かって斬りかかる。
真っ正面はスフレが、そしてクリスはフィヘインの死角からの攻撃だ。
(まずい、このままではじり貧に・・・)
スフレの最初の一撃は受け流すことに成功したフィヘインであったが、更に続けて攻撃してきたクリスに反応が出来ずに喰らってしまった。
致命傷ではないが・・・それでもダメージにはかわりない。
『かけてみるか・・・』
増援なのかはわからないが、仲間である竜人のことを信じることにしたフィヘイン。
放たれた矢に何が付いているのかは依然不明なのだが・・・とりあえずフィヘインはその長い尻尾を使い矢を手に入れる。
『何をするのか知りませんが・・・このまま斬ります!』
『スフレ、援護は任せてくださいね』
矢を手にしたのにも関わらずにクリスとスフレが攻撃を手を緩める気配はなく、もう一度フィヘインに攻撃を仕掛けようと一気に距離を詰めるが・・・クリス、スフレよりも先にフィヘインは動いた。
先ほどとは打って変わって俊敏に動いたフィヘインに反応ができなかったクリスとスフレは、ガードする暇も避ける暇もなく攻撃が直撃してしまう。
『確かにあの雨で私の爆炎の竜法の威力は弱められた・・・だが、ゼロ距離なら関係ないよなぁ』
フィヘインとの距離がゼロになってしまったクリスとスフレ。
逃げようとした時には時既に遅く・・・爆炎の竜法が襲い掛かる。
『クリス、スフレ!』
爆炎の竜法が直撃してしまったクリスとスフレ・・・
信導の四教天使が慌てて攻撃を仕掛けフィヘインを引き剥がすことに成功するが、残念なことにクリスとスフレの身体からは既に光輝く泡が溢れでてしまっていた。
腹部からは穴が空いたように徐々に光輝く泡となる範囲が広がっている。
人間であれば致命傷な傷だ。
『さて・・・あの時と同じように致命傷を与えたぞ!』
クリスとスフレに致命傷を負わせたフィヘインであったが、決して深追いをすることはなく距離を取る。
避けることも、攻撃を防げることもできる距離を取るフィヘイン。
その脳裏にあるのはかつて致命傷を与えたのにも関わらずに、逆に反撃を喰らってしまったという失態だ。
(あの時のことは今でも覚えているぞ・・・もう油断などするものか!)
徐々に光輝く泡となる範囲が増えてゆくクリスとスフレ。
そんなクリスとスフレに対して信導の四教天使はその大きな翼を広げ・・・そして優しく、優しく包み込む。
『ありがとうクリス、スフレ。後は私が引き受けます』
クリスとスフレを優しく包み込んだ信導の四教天使が二人に別れを告げる。
するとクリスとスフレは穏やかな笑顔と共に全身が光輝く泡となり、そして空・・・天空に存在する黄金世界の優夢都へと飛んで行ってしまった。
『・・・さて、どうやら貴女にはこの雨の効果が効かないようですね?何故です?』
『さぁ・・・どういう意味か理解できないなぁ?それよりもさっきの連中は何処に行ったんだよ?』
『まずは私の問に答えたらどうなのですか?まぁ・・・いいでしょう。クリスとスフレは導かれました』
『導かれた・・・死んだと思っていいのか?』
『いいえ、死んではいません・・・我々は不死の存在ですから』
『不死・・・だと・・・!?』
『えぇ、そうです。我々天使は世界の輪廻から外れた存在。女神セラフティアス様がいる限り不滅です』
『・・・信じられないなぁ』
『そうでしょうか?貴女は既に体感しているはずですが?』
不適に笑う信導の四教天使。
その笑みが意味するのは何か、フィヘインは瞬時に理解すると同時に撤退しようと試みるが・・・残念ながら信導の四教天使によって退路を断たれる。
信導の四教天使から膨大な量の魔力・・・では無く神力が溢れ出す。
『こ、この力は!?』
『神力・・・女神セラフティアス様から授かった世界の理を超越する力ですよ!』
溢れ出る神力が安定し・・・そして信導の四教天使を中心に神力で作り上げられた人形が現れる。
薄緑色した人形であり、信導の四教天使よりも少し大きい程度ではあるが・・・両手には魔力で作り上げられた刀が握られている。
信導の四教天使と似ている和服を着てはいるが、その和服は魔力で出来ているようだ。
そして何故か顔には仮面を着けており、表情を伺うことは出来ていない。
『信ジ導カレル先二・・・風聖天女』
完全その姿が露になった神力で出来た人形・・・風聖天女と共に信導の四教天使もまた刀を構える。
(何なんだこの力は・・・これが連中の切り札か!?)
信導の四教天使の魔法とは違う神法を目の当たりにしたフィヘインは、即座に地上にいる竜人に目線を送り他の竜人に伝えるように指示を出す。
先ほどフィヘインに矢を飛ばした竜人はその事を理解し、直ぐ様に移動使用としたが・・・残念ながら逃げることは出来なかった。
『なっ!?』
フィヘインの目の前にいた信導の四教天使は、いつの間にか地上にいた竜人の近くまで来ていた。
『い、いつの間・・・』
驚き反応するよりも速く信導の四教天使の持っている刀によって両断される竜人。
致命傷というよりも完全に即死であり、崩れ落ちてしまった。
傷ついているとはいえ、竜人の鎧ごと両断したということは相当な硬度で作り上げられた刀ということに他ならない。
(くそ・・・先手を打たれたか)
先手を打たれてしまったフィヘイン。
フィヘインの機動の要、風の属性竜法を生み出す装置は既に半分に破壊されてしまっており、爆炎の竜法を使ったとしてもこの場から離脱することは不可能。
つまり信導の四教天使の世界の理を越える力・・・神力と正面から戦い勝利しなければならないということになってしまった。
『さて・・・』
そう言い終えると信導の四教天使はフィヘインに向かって距離を詰める。
(あの矢に秘密があるのでしょうか?どちらにしても攻撃しないという選択肢はないですね)
『迎え撃ってやる・・・爆炎波・六機!』
迫りくる信導の四教天使に対して爆炎の竜法を放ち迎撃するフィヘイン。
放たれた竜法は波紋のように広範囲に拡散する爆炎で、更に魔導石によって強化されたことにより数秒間に六回の連続攻撃だ。
(やはり雨の影響を受けていないようですね。ならば正面から斬り伏せるのみ!)
『避けないのか!?』
『えぇ、避けませんよ!』
避けようとしない信導の四教天使に驚いたフィヘイン。
先ほどの攻撃は広範囲と連続で攻撃することによって、逃げようとする信導の四教天使に少しでもダメージを負わせる算段の攻撃となっている。
普通に考えれば爆炎が迫りくる中を突破して来ようとは思わない筈なのだが・・・信導の四教天使は違ったようだ。
『爆炎を斬った!?』
フィヘインの放った爆炎の竜法を、風の属性魔法で作り上げられた刀で斬った信導の四教天使。
フィヘインの放った爆炎の竜法・爆炎波は威力としては高い方ではなく、範囲を重視した竜法なので突破しようとすればできなくもないが・・・それを補うようにして六回連続の連続攻撃を仕掛けのだ。
一撃二撃は防げたとしても防御に徹する。もしくは貫通力を強化した魔法で一点突破しなければ突破は出来ないと思っていたフィヘインだが、その目録は変わり信導の四教天使がフィヘインの目前までたどり着き・・・フィヘインに斬りかかる。
周囲に硬質な音が響き渡り・・・衝撃波が空中を駆け巡り大気を揺らす。
力と力、魔力と竜力、天使と竜人のプライドがぶつかり合う。
実力が拮抗しているかに思えた信導の四教天使とフィヘインであったが・・・信導の四教天使はその手に持っている刀で斬りかかる。
(とった・・・な?)
風聖天使の攻撃によってフィヘインの攻撃手段を潰した信導の四教天使。
完全に首を断ち斬る算段だったのだが・・・その攻撃はフィヘインの細長い尻尾によってその攻撃は防がれてしまった。
『尻尾は天使にはないですからね』
『そのような醜い物は私達にはないですからね』
『醜いだと!?』
攻撃を防いだフィヘインは激昂すると同時に信導の四教天使に向かって頭突きを喰らわせる。
『ず、頭突き・・・』
双方共に衝撃と痛さで攻撃を緩めてしまった。
しかしながら攻撃を仕掛けたフィヘインの方が速く立ち直り信導の四教天使に向かって蹴り・・・かかと落としを喰らわせる。
『ぐ・・・がぁ・・・』
かかと落としを喰らってしまった信導の四教天使。
頭への直撃は避けたが・・・肩に直撃してしまった信導の四教天使はそのまま崩れてしまう。
『散れ・・・爆炎竜の轟哮!』
空気を吸い込み、フィヘインが咆哮と同時に爆炎の竜法を放ち・・・信導の四教天使に爆炎が襲い掛かる。
『風聖天女・・・』
信導の四教天使が静かに呟くと風聖天女が独楽のように回転し、フィヘインの爆炎に対抗する。
それにより風聖天女を中心に空気が巻き込まれ・・・そしてフィヘインの放った爆炎の竜法もまた巻き込まれてしまった。
巻き上げた爆炎が炎の竜巻となり、今度はフィヘインへと襲い掛かる。
『しまっ・・・がぁぁぁぁ!あぁぁ・・・あついぃぃぃ!』
まさか自ら放った爆炎が牙を剥くとは思っても見なかったようであり、フィヘインは放たれた炎の竜巻に呑み込まれる。
そしてすかさず体勢を立て直した信導の四教天使が風聖天女を操り攻撃を仕掛けるが・・・
『なに!?』
『あっちぃじゃねぇかよぉ!』
『しまっ!?』
炎の竜巻に呑み込まれ、熱がっていたフィヘインであったが、それは信導の四教天使を誘い込むための演技。
攻撃を仕掛けた風聖天女の首を掴み・・・
『油断したな!』
風聖天女を掴んでいた左腕の武装が展開し拘束する。
竜法陣を展開しての拘束に、ワイヤーなどの物理的な拘束。
もがき、拘束から逃れようとしている風聖天女なのだが・・・両腕両足は拘束されてしまっており脱出は不可能。
『このまま散れ!竜機・炎鎖爆災!』
警戒音が鳴り響くと同時に左腕から高濃度の竜力が溢れだし・・・風聖天女の周囲に何重にも重ねられた竜法陣が展開する。
誰の目線からでも危険だと判断でき・・・その証拠にフィヘインは竜機・炎鎖爆災が発動されると同時に放れている。
信導の四教天使も破壊しようとするが・・・時既に遅く竜機・炎鎖爆災が発動してしまった。
『まだまだ!』
『させません』
爆破し、即座に戦闘に戻るフィヘインに応戦するように攻撃を繰り出す信導の四教天使。
放たれた爆炎の竜法には風の刃を、逆巻く激風には爆炎の竜法を。
互いに互いの攻撃に対して迎撃や防御、回避を繰り返し・・・そしてついに決着がつく。
数多の傷を喰らい光輝く泡が溢れだした信導の四教天使と、ボロボロになってしまったフィヘイン。
フィヘインの立派な翼はボロボロに穴がいてしまい、細長い尻尾は途中で斬られ、身体には無数の斬られ流血してしまっているが・・・信導の四教天使とフィヘインの戦いはフィヘインの勝利で幕を閉じる。
『もう・・・し・・わけ・・・ございません・・・セラフティアス・・・・・・様』
最後に女神セラフティアスに謝罪の言葉を口にし、信導の四教天使は光輝く泡となり消えてしまった。
『勝った・・・のか・・・』
フィヘインもまた気力の限界だったようでそのまま膝をつく。
しかしながらまだフィヘインは『倒れる訳にはいかない』っと最後の気力を振り絞り歩き出すのであった。




