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俺の指圧がチートすぎる  作者: 佐藤謙羊
第2章 ハーレム修学旅行にイッてきます!
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49 一発逆転の奇跡

「大変ですっ、旦那様っ……! 村のみなさんを助けに行かないと……みなさん死んじゃいますぅ!」



「でも行ったところであんな炎、どうするんだよっ!?」



「そうだ、ミューティの水の精霊魔法で消せない!?」



「このあたりじゃ魔法が使えないんじゃなかったっけ!? それにあんな大きな火事、ボクの魔法じゃ手に負えないよっ!?」



「ギャーハーハーハー! いくら足掻いたってもう手遅れだぁっ! 女どもは、まーるやーきー! お姫様もついでに、まーるやーきー! ギャーッハッハッハッハッハッハッハーッ!」



 蜂の巣を……いや水槽をつついたような騒ぎになるマーメイズ。

 ひたすらバカ笑いしているシルバーウルフ。


 黄色い悲鳴と、野太い嘲笑が、渾然一体なって俺の頭を駆け巡る。

 騒音に邪魔されながらも、俺は頭をフル回転させた。


 ……どうする……どうすりゃいいんだ……!?

 どうすれば……村のヤツらを助けられる……!?


 『アドレナリン・オーバードーズ』がありゃ、炎には耐えられるが……あの数の女を抱えて逃げるのはムリだ……!


 それに海棲族(マリネリア)は熱さに弱いんだ。

 あの渦巻く炎のなか、火に一切触れさせずに連れ出すのは……不可能に近い。


 マーメイズの魔法があれば消せるんじゃねぇかと思ったんだが……頼りになりそうにねぇ……!


 ……魔法?

 そうだ……すげえ魔法があったじゃねぇか……!



「ねぇねぇ、どうしよう、旦那様っ!」



「ボーッとしてんなよ、旦那様! なんとかしてくれよっ!」



「マジやばいって旦那様! みんなマジ御臨終なんだから!」



「あああ……旦那様ぁ! どんどん燃え広がっていきますぅ……!」



「もっと泣けぇ! もっと喚けぇ! 女どもの苦痛に歪む顔は格別だぜぇ! ギャーッハッハッハッハッハーーー!」



 泣きそうな顔ですがりついてくるアイドルたち。

 その隣で声を枯らすほど爆笑している海賊。


 俺は、すぅーっと息を吸い込んで……一気に吐き出した。



「……落ち着けえっ!!! それでも俺の嫁かっ!!!」



 嫁たちは一喝されて、落雷を受けたようにびくんっ、と身体をこわばらせる。

 お頭(かしら)もビビっちまったのか、ヒィッ!? と叫んだまま、それっきり黙っちまった。



「いいか、よく聞けっ! 俺の目が黒いうちは、こんな理不尽は絶対にまかり通らねぇ! だからお前らも安心して、黙って俺の後をついてくればいいんだ! ……わかったな!?」



「……は……はいっ! 旦那様……!」



「はい……旦那様……! かっ……顔は怖いけど……超カッコいい……!」



「は……はいぃ……! うぅ……す……素敵ですぅ……!」



「おうっ、どこまでもついていくぜ! くぅぅーっ! 惚れ直しちゃうだろぉーがっ!」



 ポーッと頬を赤らめるマーメイズに向かって、俺は間を置かずに命令する。



「よしっ、整列っ!!」



「「「「はいっ!!」」」」



 統率のとれた動きで、横一列にピシッと整列する俺の嫁たち。



「へ……へんっ! なにが俺の目の黒いうちは、だ……! ガキが女にいい所を見せたいからって、イキがってんじゃ……!」



「おっと、オッサンを忘れてたぜ。冥土の土産にするには贅沢すぎるから、ちょっとあっち向いてな」



 俺はヘッドロックしていたオッサンの首を、ゴキッと半回転させた。



「ひぎゃああああああああああああーーーっ!?!? 首が、首がああああっ!?!?」



 首を真後ろに向かされ、パニックになって溺れているオッサン。

 ひとまず用済みになった身体を押しのけ、俺はマーメイズの前に立つ。



「よしっ!! 今から契りを交わすぞっ!!」



「「「「えっ?」」」」



 聞き間違いかとキョトンとしているアイドルたち。

 俺は問答無用とばかりに手を伸ばし、貝殻のブラをむんずと掴んだ。


 そのまま力まかせにずり降ろし、次々と引きちぎっていく。



 ……ズルンッ! ブチッ! ズルンッ! ブチィッ!



「きゃあっ!?」「ええっ!?」「あんっ!?」「ひゃっ!?」



 プルン、ポロン、ペロン、ピロンと、形のよい乳房がまろび出て……いやいや、今は見とれてる場合じゃねぇんだ。


 ……来る!!


 俺は直感した。



 ……ゴオッ……!!



 静かだった海が、空鳴りとともに突如隆起し……天を衝くほどの高波と化す。


 コイツにはかつて二度ほど、俺とマーメイズのいいところを邪魔された。

 その時はきっかけがわからなかったし、いきなりだったから二度ともマトモにくらっちまったが……。


 しかし正体がわかっちまった今は……もう怖くねぇ……!

 これまでの借りを全部まるごと……返させてもらう!!



「……待ってたぜぇぇぇぇぇっ……!!」



 ビルが倒れてくるみたいな津波(ヤツ)に向かって、俺は吠えた。


 ジャンボジェットの機体が真横になって降ってくるような、ビッグウェーブの白波。

 押しつぶそうとしてきたその瞬間を狙って、右手をスウィング……カウンター気味に平手打ちを放つ。


 右手のグローブの甲に刺繍された、青い魔法猫……『ディスペルシャ』が俺にウインクをするかのように、キラリンと輝いた。



  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆



「いやあああああああああああああーーーっ!!」



「助けて、助けてぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」



「熱いよぉ! 熱いよぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」



「みんなしっかりしろ!! もっと内側に寄るんだっ!! そしてタクミ様に向かって祈るんだっ!!」



「タクミ様っ! タクミさまぁぁぁぁぁーーーーっ!!」



「私たちを……私たちをお助けくださぁぁぁぁぁーーーいっ!!」



「げふっ……! ごほっ! ごほっ! まっ……マリリンさまっ、も……もうダメですっ……!」



「ううっ……炎が……すぐ側まで迫ってきてます……!」



「このままじゃ……もうすぐ……みんな焼け死んじゃいますっ……!」



「でもどうして!? どうしてタクミ様は助けに来てくれないの!?」



「まさか、マーメイズといっしょに逃げちゃったじゃ……?」



「……バカなことを言うなっ! タクミ様が我々を見捨てるわけがないだろう!」



「もしかして……タクミ様が命がけで守っていたのは、マーメイズだけなんじゃないですか……?」



「そ……そんなことは……!」



「だって、マーメイズはタクミ様のお嫁さんみたいだし、ミューティ様もいるじゃないですか! 婚約者や王女様は守っても、私たちみたいな『ナロー』の命なんて、守ってくれるわけが……!」



「タクミ様といえど、やっぱり王国の男たちと同じで……イザとなったら私たちを見捨てるんだ!」



「そ……そうなのか……!? タクミ様は本当に、私たちを見捨てられたのか……!?」



「う……ううん! スリリスは信じるっ!」



「スリリスっ!? あなた、どうして……!?」



「タクミ様が牢屋にいるとき、スリリスに教えてくれたの! 『俺は理不尽な力には、絶対に屈しない……俺を信じてくれるヤツのことは、絶対に裏切らない』って……!」



「理不尽な力には……絶対に……屈しない……」



「信じてるヤツのことは……絶対に……裏切らない……」



「それが……タクミ様……」



「そう……そうだっ! みんな、思い出せ! 高潔無比なるタクミ様の、鋼鉄よりも強い意志と、龍炎のように熱き情熱を……! そして祈るのだっ! 我らの思いがタクミ様に届き、その偉大なる奇跡がもたらされるように……!!」



「は……はいっ!!」



「理不尽な力には、絶対に屈しない……タクミ様っ!」



「信じてる人のことは、絶対に裏切らない……タクミ様っ!」



「私たちの身も心も、タクミ様に捧げることを誓います……!」



「どうか……どうか……私たちを……お救いください……!」



「私たちは生涯をかけて、タクミ様に尽くすことを誓います……!」



「どうか……どうか……この炎を消してくださいっ……!」



「タクミ様……タクミ様っ……!」



「……タクミさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」



 ……ドッ……!!!

 ……ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!!!



「えっ……!? じ、地震っ!?」



「違うわっ! ……み……見てっ! 海のほう!」



「なっ……波が……! 山みたいにおおきな波が……こっちに向かって来てるっ!?」



「あんなに大きな波……初めて見た……!」



「このあたりの海はいつも静かなのに……どうしてあんな波が……!?」



「あああっ!? み……見て! 波のてっぺん!」



「えっ……あ……あれはっ!?」



「たっ……タクミさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?!?!?!?」

次回、お楽しみの時間…!


それと新作小説を掲載いたしました。

本作がお好きな方でしたら、同じく楽しんでいただけると思います。

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★新作小説
『 ゲーマーおっさん、ゴーレムに引きこもる…でもソレ、実はスーパーロボットですよ!?』
本作が好きな方でしたら楽しんでいただけると思いますので、是非読んでみてください!


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