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勇者日記  作者: かざむき
侵攻編

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六百二十四日目

太陽暦936年 5月5日(火) 晴れ

ゼノン・クロック 17歳


 少年がいた。

 その足跡は融解し、その少年からは絶えず赤黒い泥が放出され続けていた。


「ヌシか。どうだ。凄いだろう」


 少年はそう、子供のように俺達に問いかけた。

 自分の炎で、泥で、呪いで、世界を上書きする。規模感を変えたなら白紙のキャンバスを絵具でべちゃべちゃにして遊んでいるのと同じことらしい。

 戦う気でその前に立ったが、一瞬で戦意を削がれてしまった。


「ヌシよ。どうした、楽しそうではないな」


 そこに悪意はなく、敵意もない。敵とすら認識されぬほど少年にとって自分が小さな存在であるということを実感させられた。そして、不気味さを感じた。信念なく、ただ無邪気に世界を害す生まれながらの災厄。少年はそういうものだった。だからこそ、戦意喪失しようとも剣を落とすことはできなかった。抜き身の剣を構え、魔術で自分を強化していたのに、敵対行動とすら見なされなかったのは皮肉だが。

 切りかかる前、俺は少年に名を聞いた。


「なんだったか、ワレは確か、マオウと言うらしい」


カフェリア:僕の眼がその言葉に一切の虚偽がないこと証明してしまってね。


 少年は魔王であった。なおさら、退く理由がなくなった。

 そして、剣とブーメラン、ワイヤーを失った。ブーメランとワイヤーは少年と触れた瞬間に融解した。


「ん? なんかの遊び?」


 全力で振り下ろした一刀はその手に掴まれてグシャリと破壊された。

 そして、泥が視界を覆われて・・・。


ミーリャ:僕の瞬間移動で遠いところに行きましたとさ。場所を指定しないことで本当に一瞬で移動したのさ。そのせいで遭難したけどね。


 そこは助かった。だが、まあ、ここまで遠いものなのか。


ミーリャ:流星の速さにも対応され、攻撃は一切通用しなかった。


 強くなりたいな。


ミーリャ:その前に火傷を治さないとだけどね。


 そうだな。



―――――――――――

所持金:174335マニー

貯金額:901700マニー、84913スター、98760ゴールド

身分証:冒険者証(緑)、騎士章、迷宮探索許可証

武器等:丘の剣、笛、銃

装備等:ヤーピリオンの腕輪(魔力貯蔵)、竜麟製のペンダント(身体操作)、夜火華の指輪

所持品:開かずの小瓶、黒晶玉、羽ペン、魔術基礎(悪魔式)、奪光石、魔法の眼鏡、魔術式連絡紙、大学合格通知書、勉強会での集合写真、邪龍の鱗(エリエスの邪龍)

魔法等:流星の魔法、静止の魔眼、幻破りの魔眼

仲間:ミーリャ・クロック、ルウォ、アイナ・ルーザ

―――――――――――

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