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 途中だが、設定の要諦としては十分だと思う。では始めよう。


[1] プログラマー達が立てた計画では、シミュ世界のNPC達は今後も1千年の間、モンスターの被害に遭うことになる。それを、プログラマー達は苦しんだだろうか?

[2] NPCのみならず仲間達も怪我を負い人間関係に悩み、老いに苦しみ死んでいくが、プログラマー達はそれに罪悪感を覚えるだろうか?

[3] たとえ罪悪感を覚え苦しんだとしてもそれは1週間と7時間ちょいのことにすぎず、意識不明の仲間達を1週間後に目覚めさせられたら、忘れられるのではないか?


 この三つへの個人的返答は「プログラマー達は苦に思わず罪悪感も覚えず、人によって多少それらを覚えたとしても、成功したら忘れ去る」になる。意識不明だった仲間達は、精神汚染されず目覚めることが出来た。なんてったってコレが、一番だからさ。

 という訳で長~~くなったが、話を戻そう。

 大聖者達にとって三次元物質世界は、俺達にとってのコンピューターシミュレーション世界に似ているのかもしれない。一般人の知らない宇宙のことわりを知っている大聖者は水をワインに変え、海の上を歩き、死者を蘇らせることが出来る。シミュレーション世界の隠しプログラムを知っていれば、俺達もその世界でそれが出来るようにね。

 大聖者は俺らと同じ哀れな凡人から、元の状態に戻った人達だ。その経験があるためこの世界で苦しみ藻掻く俺らをNPCなどと決して思わず、同胞として助けようとする。自分も経験したことだから、親身に手を差し伸べてくれるんだね。

 さてここで、母さんだ。

 母さんは母性がとりわけ強く、筆頭大聖者として働くと共に、星母としても活動している。そんな母さんが作ったコンピューターシミュレーション世界は、俺達に馴染み深いコンピューターシミュレーション世界と、果たして似ているのか? 私見だが、名前以外は完全な別物と俺は考えている。しかも今の母さんは、意志のアカシックレコードを模せるようにもなっているのだ。その情報に、古代ランティスのフルダイブ技術に関する「フルダイブは機械的な意識投射ゆえ用途によっては精神汚染を免れない」という情報を加えると、俺はどうしても希望的考察をしてしまうのである。それは、


『ママ先生達のいるシミュレーション世界はコンピュータによるただの演算ではなく、確たる存在として準四次元に創造されているのではないか?』


 ということ。古代ランティスのフルダイブ技術と母さんの能力を融合させたらこれが可能なのではないかと、希望というフィルター越しに俺はどうしても考えてしまう。なぜなら仮にそうだとしたらその準四次元に赴けば、生身の体を持った美雪と触れ合うことが出来るからだ。それは美雪の夢であると共に俺の夢でもあり、なのになぜ母さんがそれを黙っているかというと、原因は100%俺にある。生身の美雪に俺が我慢できなくなってヒャッハーし、俺と美雪の両方が精神汚染されてしまうのだ。これなら母さんが伏せて当然。美雪、マジごめんなさい。

 フルダイブに関しては、他にも思うところがある。その一つは、「俺の学術的趣味の対象が反重力エンジンではなくフルダイブだったら、どうなっていたか?」ということ。予想が容易なことから手を付けると真っ先に挙がるのは、これだ。


  俺の輝力工芸スキルは、

  亜神級にならなかった


 俺の輝力工芸スキルが亜神級になったのは、反重力エンジンを勉強したお陰。エンジンの部品を準四次元で一つ一つ創造していったことが、亜神級への第一歩として間違いないのである。あの一歩がなかったら意識を持つ楽器どころか楽器の創造も不可能だったし、それを元に考察したところ、恐ろしいことに竜族との交流もなかった可能性が浮上した。竜族との縁が生まれなかったことを想像するだけで絶望するのに、悲願を叶えられなかった竜族が闇落ちする未来もあったかと思うと、俺は正気を失いそうになったものだ。よって普通なら反重力エンジンを選んで正解だったと心から思うのだろうが、俺はこの宇宙の仕組を中途半端に知ってしまっている。この宇宙には、選択しなかった未来を調べられる意志のアカシックレコードが、用意されているんだよね。ことが重大過ぎ、調べようとは今のところ思わないけどさ。

 ことが重大過ぎて心労が半端ない。だがめげず、考察を続けよう。

 この世界線の俺は、学術的趣味の対象に反重力エンジンを選んだ。そのお陰で「選ばなかったらどうなっていたか」を高確度で推測できるが、まったく推測できない事もある。それはフルダイブを選んだあちらの世界線の俺の身になれば、解りやすいだろう。

 あちらの世界線の俺は、それを選ばなかったら「生身の美雪と交流できなかった」ということなら高確度で推測できる。しかし、


「反重力エンジンを選んだら竜族と交流するようになり、意識を持った楽器を創造できるようになり、輝力工芸スキルが亜神級になった」


 系の、反重力エンジン選択後に派生した事柄については、まったく推測できないのが現実だ。それはこちらの俺も変わらず、フルダイブの選択によって派生した事柄については何も推測できないんだよね。意志のアカシックレコードを見れば派生事項も調べられるはずだけど、それってどう考えてもカンニングだよなあ。

 カンニングと判明したため今回はここまでとし、話を大聖者まで戻そう。

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