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努力しても一般人。  作者: きゅうりの浅漬け
修行
10/12

魔法も

「それじゃ、見てなさい。」


庭へと出てきた俺に、母はそう言うと、手を出して、目をつぶって集中し始めた。

…何か変わった様子もなく、数秒が流れた。


「この違いがわかるかしら?」


一体何が起きたのだろう。

何か、変化したのだろうか。

わからない、と俺は答えた。


「まあ、それが普通よ。今やったのは、魔力を体の外に出しただけだもの。魔法ってものは、3つのステップを踏んで使うものなの。一つ目が、魔力を体の外に出すこと。今で言うと、掌から出しているわ。二つ目が、出した魔力をなんらかの形にすること。三つ目が、それをコントロールすること。今やったのは、一つ目。今から二つ目をやるわね。」


そう言うと、母の手から、小さな火の玉が現れた。


「これは、魔力を火へと変化させたもの。そして三つ目よ。コントロール。これは今すでにやっているわ。火の玉を燃やし続ける。これは立派なコントロールよ。他にも、放つ、大きくする、小さくする、形を変える、とかね。」


母の掌の火が、猫の姿になった。


「基本中の基本だけど、この3つのステップができるようになれば、中級魔術師クラスの実力、と言えるわ。」


火の猫を消しながら、母はそういった。


「それじゃ、トレーニングをするけど、その前にステータスを見せてくれる?」


そういえば、しばらく開いてなかった。

トレーニングには、MPとかが関係するのだろう。


「母さんへ、ステータスオープン!」


――――――――――――――――――――――――


   名前  ダイナ・プラウド

年齢 7歳

職業 無し

LV 0

HP 10/40

MP 12/12

攻撃 20

防御 20

速さ 30


スキル なし


才能 なし


ステータス総合評価 G

――――――――――――――――――――――――


おお、結構上がってる。

てか、HPめっちゃ減ってる。

そういえばそう言うもんだったわ、HPって。

てか、他の人に見せるのは、これが初めてだ。

7歳でこれはどうなんだろう。


「母さん、俺、強い?」


「MPが7歳にしてはかなり高いわね。うん、強いわ。」


ほう、MPが高いと。

魔法使い系の勇者か。

やる気出てきた。


「本当!ね、早くトレーニングしよう!」


この体だとテンションがつい体に現れてしまう。

注意注意、と。


「ええ、それじゃあ、まずは魔力を体の外に出す練習よ。ただし、かなり辛いわ。本当に、いいのね?」


何を今更。

というか辛いなら先に言って欲しい。

どっちにしろやるが。


「勿論!」


「それじゃあ、いくわよ。まずは、魔力の感覚をつかむこと。私の魔力をダイナの体に送るって寝ている魔力を覚醒させるから、楽にしていてね。体に力を入れちゃダメよ。」


そういうと、母は俺の背中に手を当てた。

これが魔力なのか、生暖かいスライムを当てられているような感覚がある。

不快ではあるが、まあ耐えられる。

体の力を抜くために、リラックスしよう。


(しかし、魔法使いか〜。夢が広がるな。ちっちゃい頃に考えてた必殺とかもできるかもな。それにしてモ゛ッ!)


ぼーっと考えていると、急にものすごい不快感が、体内へと侵入してきた!

生暖かいスライムが、内臓へと侵入し、暴れているような、全身の筋肉の隙間に小さな虫が入っていくような、今までに味わったことのない奇妙な不快感が全身を支配する。


「力を入れないで。」


無茶言うな!

たまらず、母から逃げた。

近くの木の下へと逃げると、先ほど食べた朝食が胃から食道へと流れ出した。


「やっぱり無理よね。」


何度も吐く俺を、まるでそれが当たり前かのようにスルーして、無理なのが当然と言うような口ぶりで話しかけてきた。


「この国はね、兵士として魔術師を雇うの。私がさっき使った火の玉を作れれば、余裕でスカウトされるくらい。魔法が使える人が兵士にいっぱいいると良いのはわかるわよね。それでも、100:1くらいの割合で、剣士の方が多いの。その理由が、魔法を使うための第一段階で、二度と魔法を学びたくないってなっちゃう人がたくさんいるからよ。」


そりゃそうだ。

あんな辛いことするくらいなら、剣士になった方が良い。

魔法なら楽だと思ってたよ。

剣の方が楽だわ。


「私も初めてやった時には、吐いたわ。もう、立ってられないくらい。それでも、我慢してやし続けたら、いつのまにか辛くなくなって、魔力が感知できるようになってたの。だから、あなたは普通よ。ここでやめても、あなたは悪くない。それが、普通だもの。」


そうか、普通か。


…アホか。

ここで止める奴が勇者になれっかよ。

正直地獄だよ。

二度と味わいたくないくらい。

でもよ。

ここでやめたらもったいないじゃねえか。

魔法が使えるやつは少ないんだろ?

うちの母が使える確率って、どんなだ?

100分の1?500分の1?

知らねえけどよ。


「…もう一回、お願い。」


やってやんよ。


――――――――――――――――――――――――

目標


父を超える

坂を登りきる

魔法を使えるようになる NEW!

ヨシオに会う

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