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第14話 1/3

※本作は『トゥルーカラーズ=僕らの家族スタイル』シリーズの一編です。

物語はいよいよ新たな局面へ入ります。

 はい!皆さん!

 やっと!

 やっと、やってまいりました!

 もう作者は二度と書かないのかと思ってしまってました。


 久しぶり過ぎて涙が出そうです!

 作者の気が変わらないうちに、とっとと行ってみましょう!




 キツネはコンコン!

 冬彦マザコン!

 オトコは巨根‼

 デカいの大好き、北越智峯丸の!!!

【マルっと歴史の太道コーナー】

 ドンドン!パフパフ!

 ♪♬♫~


 いやーホントに最近の【トゥルーカラーズ】皆さんはどう思われていますか、ボーイズラブで始まったシーズン1に比べたら、シーズン2は書き方も方向性も全然違っていて、内容も散らかしまくってるだけで、全部回収できるのか、心配になっておりますよ、私は、はいホントに。


 何とかなるんですかね?

 まあ、なんとかなると思って。

 はい。で、今回は名前にまつわるお話です。



 前回も少し触れましたが、登場人物の名前に橿原市の町名が入っていること、皆さん覚えてますか?


 この物語のメンヘラ主人公の久米香月【くめ かずき】先輩は久米町。


 その久米先輩が恋に落ちている、どこに魅力があるのかさっぱりわからない、縄手章畝【なわて あきや】先生は縄手町。


 で、変則的ですが、その縄手先生の彼女さんの斎部優耳【いんべ ゆさと】さん。

 元々【いんべ】は忌部と書きます。

 橿原市には、こっちの忌部町があるんです。



 他にも、葛本町、木之本町、高殿町、もちろん北越智町もしっかりあります。

 それぞれに大なり小なり由来があったりするのですが・・・・・


 今回の話は、その町名由来ではなくてですね・・・・久米先輩、縄手先生、斎部さんのお三方の【名前】のお話です。


 現在、橿原市には【大和三山】と言われる、その名の通りに三つの山があるんですね。


 まず、万葉集でも超有名な、格式が高いことを示す天【あま】が頭につく【天香具山】。


 神武天皇が即位した橿原宮があり、現在も橿原神宮や神武天皇陵などの旧跡が集まる【畝傍山】。


 そして十九代允恭【いんぎょう】天皇の時代までどの書にも記述が見つからないため、『古墳時代(四〜六世紀頃)に人工的に築かれたのでは』という説もある【耳成山】。

 ただし学術的には、耳成山も含めて三山は瀬戸内火山帯に属する死火山とされるのが主流なんですが。


 この三つの山は、二〇〇五年に国の名勝、要するに綺麗、凄い、感動的な場所に指定されちゃったりしてます。


 古の人も同じ思いだったのか、この三山をテーマに歌が沢山詠われてます。


 その中でも、大化の改新で有名な中大兄皇子【なかのおおえのおうじ】後の天智天皇の歌が、地元橿原では有名だったりします。


 その歌がこちら‼



 ―――高山波 雲根火雄男志等 耳梨與 相諍競伎 神代従 如此尓有良之 古昔母 然尓有許曽 虚蝉毛 嬬乎 相挌良思吉―――


 わからない。


 ですよね・・・

 訳も諸説ありますが、一例をだすと。


 ―――香具山は 畝火(うねび)雄々(をを)しと 耳成(みみなし)(あひ)争ひき 神代より かくにあるらし (いにしえ)も しかにあれこそ うつせみも 妻を争ふらしき―――


 意味は。


 ―――香具山は、畝傍山(うねびやま)が素敵だと、耳成山(みみなしやま)と争ったということです。神代からそのようで、昔からそうなのだから、今のこの世の中でも妻をめぐって争うのですよーーー



 となるみたいです。


 要するに恋人の取り合い。三角関係の歌で、恋愛のいざこざはいつの時代もありますよねーー。ってことです。


 で、ここで気になるのが、誰が男性で誰が女性かということなんです。


 単純に読んじゃうと【妻】がキーワードとなるため、【妻をめぐって争う】=【妻を取り合う】と解釈できて、香具山と耳成山が男性で、素敵に思われた畝傍山が女性となるわけなんですが、【妻をめぐって争う】=【妻の座をかけて争う】とも解釈できちゃって、そうなると香具山と耳成山は女性、畝傍山が男性になってしまいます。


 じゃあ、そもそも原文が【雄男志等】となっているから、【雄・男】=男性である可能性が高いよね!と思いたい気持ちはわかるのですが、これにもまた諸説ありまして・・・


 当時はむちゃくちゃややこしくて・・・てすね。ここからはお勉強タイムです。


 万葉集(八世紀)に書かれていたのは、全部「漢字」なんですが、その漢字は意味で使う場合の(表意文字)と、ただ音を表すために使う場合の(万葉仮名)なんかががあったりしました。


 この万葉仮名が曲者でして、同じ漢字表記なのに全く意味が無くて、音重視、今でいう「WOW WOW」や「YEAH YEAH」みたいな感じで使われたりしてたんですよ。


 見極め方はその漢字を訓読したら、訳ワカメになってしまう箇所がそうだと言う事です。


 ただ、WOW WOW」や「YEAH YEAH」にも、ハッピーな気持ちや同意する気持ちみたいなニュアンスがあるように、【を・を・し・と】の同じ「を」と発音する漢字【遠・尾・乎】などを選ばずに【雄・男】と詠んだのはニュアンス的に「力がある」「勇敢」「堂々として立派」なんてものを持たせたかったのでしょうね。



 じゃあ、だったら「雄=オス」「男=男性」を意識してるやん‼


 と思いたいのですが、トランプ氏が言ったように「この世には男と女しかいない」という絶対的二分法はこの時代にはなく、恋愛も「異性愛/同性愛」という二分の発想はなかったのです。


 性行為は権力・親密さ・上下関係を示す行為と捉えられることが多かったみたいです。


 日本書紀や古事記、万葉集に直接的に男性同士の恋愛を描いた記録はほとんどなく、再編時に藤原氏によって書き換えられてるかもですが、「褥を共にする」=親密さの証、という表現があったり、権力者同士が一夜を共にしたことを暗示する記述があったり、はたまた「相聞歌(恋歌)」には主語が曖昧で、『君を恋ふ』など同姓同士でも成立するような表現が見られたりで。


 恋愛は男女間だけでなく、男同士・女同士の関係も「珍しい逸脱」ではなく、状況次第では自然に起こりうることとされてたんですね。


 突っ込まれる前に言うと、原文に書かれた【妻・嬬】―つまーも、男女を問わず【配偶者】【愛する相手】を指す言葉で、夫に対しても用いられていたんです。


 そうなるとこの歌には明確に性別を表す言葉がありません。


 香具山が男性で、畝傍山も男性で、耳成山も男性だったかもしれません。


 めっちゃくちゃ想像をかき立てられちゃいますよね!


 はい、そうなんです。

 もう皆さんピンと来ましたね!


 久米香月先輩の香=天香具山

 縄手章畝先生の畝=畝傍山

 斎部優耳さんの耳=耳成山

 と三人の恋愛争いとなっております。


 天香具山が低く、横に長いため、倒れている=負けたという説もあったりします。はい。


 【トゥルーカラーズ=僕らの家族スタイル】では、メインキャラクター設定はこのようになってますが、皆さんなら、どうお考えになるでしょうか?


 もう、好き放題想像してください!

 実際に大和三山をご覧になって想像してもらえたら嬉しいです!


 以上!今回はメインキャラの名前の裏設定のお話でした!

 次回も【マルっと歴史の太道コーナー】があることを祈って!


 キツネはコンコン!

 冬彦マザコン!

 オトコは巨根‼

 デカいの大好き、北越智峯丸でした!

 バイバイ‼



 ――――――――――



 それは砕けるケーキのように、弾ける風船のように、香月がバットを何度も何度も振り下ろす度に、音もなく空間に舞い上がった。



 ――――――――――



「お前の好きなように生きればええんや!」

 力強く父は叫ぶ。


「あかん!あなたは正しき道を進むんや!」

 その声を分断する母の悲鳴が轟く。


 俺はただ、許して欲しかった。

 家族という空間であっても、本当の自分で居られないことが苦しかった。

 匿名であっても、誰にも相談できない世界に押しつぶされそうだった。


 どこにいても孤独だった。

 だれといてもひとりだった。


 自分の存在が辛かった。

 生まれてきたことを呪っていた。


 あの人に会うまでは・・・・



「香月は俺の分まで幸せになってくれや!」

 抱きしめられた記憶がない父親が叫ぶ。


「あなたはわたしのすべてなのよ!」

 何年も嘘を付き続けた母親が高声を上げる。


「俺の分まで!自由でいろ!」

 父親の声に煩わしさがこみ上げる、


「あなたまで私を裏切らないで!」

 母親の声に苛立つ。



 ――――――――――



 テレビ台に飾られた石そのものが波打ち、激しく小刻みに震えはじめる。

 参考書が並ぶ勉強机の中から眩い光が広がり、遺骨をかき消してゆく。



 ――――――――――



 悪夢を断ち切るように、俺は力いっぱい振り上げた。


「俺の魂をお前にやる!」

 断末魔のごとく、父親の叫びが鼓膜に刺さる。

「あなたのためなら、私は悪にでもなる!」

 母親の最期の決意が胸をえぐる。



 ただ一つの願いだけを頼りにして、それ以外を拒む意志のまま、偽物の世界に向けて何度も何度も振り下ろした。

 香月のバットが空を裂く度に、父親の破片が舞い散り、母親の影がかき消されてゆく。



「俺は幸せになるんや!」


「縄手先生と幸せになるんや!邪魔すんな‼」


 激しく震える石にひびが入り、半分に割れる。

 光を放つ遺骨にもひびが入り砕けた。




 ・・・・全てを破壊した香月は、この世に存在するすべての色のペンキをぶちまけたような空間に呆然と佇んでいた。


 手からバットがすべり落ちる。



 テレビの画面の中、何も聴こえない。

 ただ、踊るディアナ・カヴァース、彼女だけがいた。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

本作は『トゥルーカラーズ=僕らの家族スタイル』シリーズとして連載しています。


★感想・評価・ブックマークをいただけると、とても励みになります。


また、本作の世界観をもとにしたAIドラマやイメージソングも制作しています。

ご興味のある方は、タイトル名や作者名で検索してみてください。


それでは、次回もお楽しみいただければ幸いです。

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