冒険者と言えば絡みです
「あ、受付のおねえーさーん!」
「あら、リリーちゃん。朝より可愛い格好しているわね。それでどうしたの?」
ギルドに戻ると、みんな依頼を終えてきたのか人が増えていた。隣接している酒場でエールを飲んでいるものもいる。
私は朝に担当してくれた受付のお姉さんに回復草採取の報告をした。
「ネリネと一緒に回復草採ってきました!」
「あら、さっそく依頼を受けてくれたのね。回復草はいつでも必要だから助かるわ。ネリネも安全な以来から受けてくれてありがとう。」
「あはは、本当は魔物の討伐でもよかったんだけどね。リリーちゃんにとって最初の依頼だから、色々教えるつもりで回復草採取にしたんだけど……。」
私は、受付のカウンターに採った回復草を置いた。
ドサドサドサ
「やっぱりリリーちゃんは常識はずれだったよ。」
受付のお姉さんが固まっている。
「お姉さんどうしたの?」
「こ、ここんなに!? ネリネ、本当にこんなに採ってきたの?」
「ええ、そうよ。しかもほとんどリリーちゃんが。」
「本当にこの子が……。」
なにやら私に珍獣でも見るような目を向けてきた。
「ま、まあともかく。では依頼達成の報酬を準備してきますね。」
そういってお姉さんはギルドの奥に向かった。
お姉さんのことを待っている間、ネリネとお話ししていると、1人冒険者が話しかけてきた。
「おい、ネリネ。いつになったら俺らのパーティにくるんだ?」
「シバさん。前もお断りしたように、私はパーティを組む人をすでに決めているので。」
どうやら、シバという冒険者は酔っぱらっているようだ。
「もしかして、それはそこのちっちゃい嬢ちゃんか? がははは、こんなのと組むより俺のとこに来た方が強くなれる。女だけで生きていけるほど冒険者は甘くないぜ。」
私はムッとした。私はちっちゃくない。ただ人より少し成長が遅いだけ。周りがみんなでかいんだ。男性なんて見上げないと顔を見れもしない。
「ねえ。私のネリネを困らせないで。ネリネは私のパートナーなんだから。」
「あぁ? なんだちっこいの。そんななりでもいっぱしの冒険者ってか? ただのおままごとにしか見えねーんだよ。」
「ち、違うし! これも立派な杖と防具だし!」
案の定、装備でなめられた。やっぱりうさぎ耳と星の杖じゃあ威厳なんてない。
「ガキには興味ないんだよ。さっさとお家にでも帰ってママにでも甘えてな。」
「おじさんこそ、ネリネにもう振られてるんだから諦めたら? ネリネは私を選んだんだよ。」
なんか、私とネリネが恋人みたいなことになってしまった。売り言葉に買い言葉だったのだ。断じてちっちゃいことを根に持って挑発したのではない。ないったらない。
ネリネを見てみると、顔を赤くしている。
「このガキっ、調子にのりやがって!」
「リリーちゃん!」
「フリーズ」
シバは拳を振り上げた。
私は、シバの足下の床を魔法で凍らせる。
すると、シバは踏ん張りが聞かなくなったのか尻餅をついた。
面白がって見てた冒険者が笑っている。
「おいおい、シバ! ちっこいのにいいように遊ばれてるじゃん!」
「小さい嬢ちゃん意外とやるな。」
野次を飛ばすのはいいけど、小さい小さいうるさかった。
この怒りをシバにぶつける。八つ当たりではない。もともとシバが絡んできたんだから。
「もう私達の目の前に現れないでね。ネリネは私のだから。」
「リリーちゃん。」
そういってネリネに抱きつくと、ネリネも返してくれた。なにやらネリネの顔が緩んでるが、可愛いから気にしないことにした。
「くそっ、覚えてろよ!」
シバは捨て台詞を言ってギルドを早足で出ていった。
「お待たせしました。って、どうしたんですかこの騒ぎ?」
やっと、受付のお姉さんが戻ってきた。できるなら絡まれる前に戻ってきてほしかったけど。
「んー、ネリネと仲良しだってところを見せつけてただけかな。」
「なんですか、それ。はい、これが今回の報酬です。状態もよかったのだ色をつけておきました。」
そういって銅貨をパンパンに詰めた皮袋をカウンターに置いた。
「ありがとう。また来るね」
「お待ちしております。」
「ネリネ行こ!」
まだ嬉しそうな表情のネリネを引っ張ってギルドを出た。




