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クリーナとユーリ

次回更新はお休みです。

次の更新は6月10日になります。

「…あ、ぅぅ……あれ?私…眠って…こんなに…自然に目が覚めるまで寝れたのかないつ以来だ。…って!。」

 眠っていたクリーナが目を覚ましたのはオウギ達が訪れてから8時間が経過、既に陽も落ちかけた頃だった。


「あ、お目覚めですか?。」


「だ、誰だあんた。ここは…私の家だよな。なら…やっぱりあんた誰だ!。」

 ユーリの姿を見たクリーナがまくし立てる。今までは極度の疲労で弱っていたのだろう。どうやらこちらのガサツなのが本当のクリーナのようである。


「落ち着いてください。まだ体は弱っています。…私はオウギ様に仕える奴隷のユーリと言います。オウギ様の言い付けにより貴女の看病をさせていただいています。」

 オウギから申しつけられた仕事だからかいつもより仰々しく言葉を発するユーリ。自身の不手際でオウギを貶めてはならないと言う考えからであった。と言ってもそれはスラム暮らしのクリーナには意味のないことであったが。


「は?オウギって誰だよ!。私はそんな奴のことを知らないし面倒を見られる理由もねぇ。そんで理由のねぇ施しは受けない。タダより高い物はないとはよく言ったものだ。私らはそれを良く知ってる。その身に教え込まれたからな。だから…出て行け!。」

 弱みを見せれば骨まで毟り取られる。クリーナがこれまで生きてきたスラムではそれが常識だった。頼るべき者も居らずただ搾取される。その経験からの当然の警戒だった。


「そう言われましても…あ!オウギ様には一度会ってますよ。クリーナさんが気絶する前にお会いになっていた方です。」


「…へ?…え、あぁ、あの男の人か。…私のことを抱きしめてくれた…。ふーーん、なら…あんたも…ユーリさんも信用…してもいいかな。」

 クリーナが自分が倒れる前のことを思い出しオウギのことを思い出す。初めて自分と感覚を同じくしてくれたかもしれない人。その事を考えるとクリーナの頬に少し頬にあかみがさし態度を軟化させる。


「……(こ、この反応は…。お、オウギ様を狙ってる⁉︎。だ、ダメです!オウギ様は私の御主人様です!。)…仲良くしてくれますか?。」

 クリーナの反応に逆に体を硬ばらせるユーリ。エリザベスの時は身分が違いすぎ為危機感はなかったがクリーナ相手にはオウギの奴隷という自分だけの特権が脅かされる可能性を感じていた。内心では動揺しているが何とか言葉を振り絞る。


「…?、うん、良いけど。…あの…オウギさんは?。」


「オウギ様は必要な物を取ってくると仰っていました。恐らくそろそろ戻られると思います。」


「…そうか…」


「…………………。」


「…………………。」

 お互いの方をチラチラと見るものの無言の2人。気まずい沈黙が辺りを支配する。


「…あ!、また…なんなんだよ!。」

 ふと視線を上に上げたクリーナが大声を上げる。それには怒りと怯えが含まれていた。


「…え?…クリーナさん落ち着いてください。…グーちゃん何か感じる?。」

 クリーナの視線を追うが何も見つけられないユーリは側にいるグーちゃんに尋ねる。


『ブルルッ‼︎』

 ユーリの言葉を受けグーちゃんが辺りを見渡しある一点を見つめ反応する。


「…え⁉︎グーちゃんそこに何かいるの⁉︎。」


「…だからいるって言ってるだろ。でもよ、何もしてこねーんだよ。しょっちゅう出てきては私の周りを飛び回るんだよ。鬱陶しいったらありゃしない。」


「…はわわ、ど、どうしましょう。グーちゃんお願いします。」


「その心配はないよ。今の話ではっきりした。クリーナさん貴女は適性に目覚めた。その適性は精霊術師です。」


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