一週間の成果
マチリアの街に入りその街最高の職人であるというクリーナの服を購入したオウギ達。この街での滞在の宿を決める為冒険者ギルドに立ち寄っていた。
「…あのー、すいません。どこかいい宿ありませんか?。」
オウギが受付にいる女性に話しかける。書類を見ていた女性はオウギの声に反応し顔を上げる。
「あ、すいません!。書類を読むのに集中しちゃってて。えーと、宿ですよね。…失礼ですが予算はどれくらいでしょうか?。あと希望の条件はありますか?。」
受付嬢が訪ねてくる。無闇に紹介するより予算、条件を聞いてからの方が勧めやすいと考えてのことだった。
「んー、予算は特にないですけど。ベッドのところがいいですね。それで個室でふた部屋…」
「オウギ様!一部屋でいいです。ベッドが2つある部屋をお願いします。」
オウギの言葉を遮りユーリが受付嬢に言う。
「…他に条件は御座いますか?。」
「…部屋にお風呂がついてる部屋でお願いします。食事も美味しい所で。」
「そうですねぇ、個室にお風呂付となりますと少しお値段がかさみますが大丈夫でしょうか?。」
「あ、それは大丈夫です。」
「分かりました。それでは『梟の止り木』がオススメです。こちら2人部屋で一泊2万ギルになります。」
受付嬢が言う値段は一般的な宿屋の一泊1万ギルからすれば高いがオウギに払えない額ではない。ユーリを買うときの報酬が未だ残っている。それに…
「ありがとうございます。あ、あと魔物の討伐確認と買取をお願いします。」
オウギがカードと袋を出しながら言う。エリザベスのお陰で冒険者ギルドのカードを手に入れることが出来たのでガイ取りではなくなっている。
「私のもお願いします!。」
それに合わせるようにユーリもカードを提示する。
「かしこまりました。少々お待ちください。」
オウギとユーリの出したカードと素材の入った袋を持って受付嬢が下がる。カードに記録されている討伐の証と素材の鑑定を行う為である。
「ユーリ一緒の部屋でいいの?。」
「はい、わたしの為にもう一部屋取ることはありません。なんの問題もないです!。」
「そう?なら良いけど…」
「お待たせ致しました。こちらユーリさんのカードになります。魔物討伐の報酬として10万ギルになります。」
ユーリの手にカードと10万ギルが置かれる。
「じゅ、10万…。1週間でこんなに。」
初めて受け取る大金に震えるユーリ。アルカディアを出てからの一週間で狩った魔物の討伐の報酬であった。
「そして今こちらがオウギさんのカードと報酬の54万ギルになります。」
オウギにもカードと報酬が支払われる。オウギはユーリが倒せない強い魔物を討伐し数も狩っていたので多額になっていた。
「最後に回収されている素材の買取額になります。条件付き討伐の素材の納品が多数あり合計で48万ギルになります。」
2人で一週間で100万を超える報酬を手にしたオウギ達。この稼ぎは冒険者の中でもCランクのペアに相当する額だった。
「確認しました。ありがとうございます。」
中の額を改めたオウギが懐に報酬を仕舞う。ユーリは手に出したお金を数えオウギに差し出す。オウギに預ける為である。
「…あの、その服クリーナさんの作品ですか?。」
やり取りを終えギルドを後にしようとするオウギ達に受付嬢が話しかけてくる。
「ええ、そうです。さっき買ってもらったんです!。」
ユーリが元気に返事を返す。それを微笑ましく見る受付嬢。
「いいなぁ、最近クリーナさんの作品が少なくなって高くなってるんですよね。」
「そうなんですか?。何かあったんですかね?。」
「さぁ?元々どんな人かも分からないんで何も情報はないですねー。」
「その服似合ってますねー。可愛いですよ。それにクリーナの服を買ってくれるなんて良い人にもらって貰えましたね。」
「はい!オウギ様は最高のご主人様です!。」




