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影融  作者: 椿 冬太郎
2/6

Episode2 「共」

影融(えいゆう)


[人物紹介]


日和(ひより)影郎(かげろう)

人々の影を喰らう暗酷と戦い…始めた高校2年生。

灯とは幼馴染である。

めんどくさがりでゲーム好き、だがやると決めた時はやる。修行もこっそりではあるが励んでいる。


菊月(きくづき)(あかり)

影郎の幼馴染の高校2年生。

影郎の面倒を見ているが、言葉が強いため本人から恐がられている。

代々光師(ひかりし)の一家である菊月家の出である。実戦経験も豊富。


日和(ひより)彩愛(あやめ)

影郎の母。シングルマザー。

いつものほほんとしている。

夫(影郎の父)の事をあまり覚えていない。


菊月(きくづき)照地(しょうじ)

灯の父。

先代の光師(ひかりし)である。娘と妻を溺愛しているが、ウザがられている。

影郎を心の中では認めているが、娘をたぶらかすと言い目の前にすると毒を吐く。


菊月(きくづき)美生(みき)

灯の母、照地の妻。

影師や光師などではない。

しっかりものであり、夫には手を焼いている。






暗酷(あんこく)

何処から現れて、何処に消えるのか、誰も知らない存在。

目的は、人の影を喰らう。

喰われた人間は存在自体が消える…



影はその物がいる証明。

-2020年4月21日 朝-


「こ○で!○○○を○○○○す!」

見覚えの無い服を着た男が、目の前でビルほど巨大な怪物と戦っている。

発している言葉はよく聞こえないし顔はよく見えない。が自分と良く似た変影術(へんえいじゅつ)を使っている。

目の前で何が起きているのか、意識を集中しようとしたその時。

「起きて!」

聞き馴染みのある声が、突然響いてくる。

「早く起きなさいよ!」

自分を触る手の感触が鮮明になっていく。

「もう少し…」

と呟いてみるが、

「休みじゃないの!早く起きなさい!」

と言われてしまい諦め、完全には開けきれない瞼を開ける。

分かってはいたが、声の主はよく知る幼馴染のものだった。

「全く、やっとお目覚め?もう遅刻するわよ」

呆れた顔でそう話す灯。

「俺の事おいて学校行けばよかったじゃん…はぁ、ねむ」

体を起こしながら愚痴をこぼす影郎。

「あんたが遅刻すると、バディであるわ・た・し!の印象も悪くなるの!すべこべ言わず早く起きろ!」

頬を膨らませて怒鳴る灯。

「いや、だからおいていけば…てかバディとか関係…って!イタイ!」

影郎が次の言葉を話す前に、灯が引っ張って強引に支度をさせた。終わるまでに体の数カ所が悲鳴をあげていたと思う。

「準備よし!はい!行くわよ!おば様ー行ってきまーす!」

元気よく声を上げると、台所の方から声がした。

「毎日毎日灯ちゃんありがとうね、行ってらっしゃい。影ちゃんも行ってらっしゃい。」

と母が返した。

「母さん行ってきます…」

と引き摺られながら、言い返した。


-夕方-


いつもの帰り道。

いつもの光景。

いつもの幼馴染…

「何よ!変な顔でこっち見て!」

相変わらず元気である。

「いや何でもないよ、続けて〜」

「やる気あるのかしら…いい?」


「影師とは、自分の影を操り暗き影を浄化する者也。」

「光師とは、影師の影を一定に、また状況に応じて変化させる者也。」

「光あるところに、影はある。光がなければ影は生まれない。だっけ?」

と言ってみせる。

「いい心がけじゃない、なら禁止事項も言ってみなさいよ」

と言われ、

「んぇ〜?影を無駄に使うなーとか、光師がいなきゃーとかだっけ?」

と尋ねてみると、

「大体で覚えてても意味無いでしょ!」

と突っぱねられた。

「いい?その者の影は無限では無い、無限の影、即ち光のない影と繋がってしまうと、自分自身を滅ぼす。だから、光師が近くにいて、結界を出して、影を照らしてる分だけにする必要があるってこと!わかった!?」

と言われて、

「容量は自分の影、即ち自分の体の大きさとか影力(えいりょく)によって決まるでしょ?それに光師は記憶を少し消して暗酷(あんこく)の情報流出を防ぐ、少しは覚えてますよー」

と返してみたら頬を引っ張られた。

「イテテテ!」

「要所要所じゃなくて!全部!ちゃんと!覚えなさい!もー!明日までにちゃんと覚えなさいよね!」

と頬を引っ張られながら帰路を歩いていった。


「ただいま」

自分の家には誰もいない、この時間はまだ母が仕事をしている時間である。

靴を脱ぎ、台所に行ってみると。机には手紙が置いてあり、夕食であろう食べ物が冷蔵庫に入っていた。

「母さん…いつもありがとう。」

そんなことを言葉にしたくなり呟いた。

台所を後にし、自室で着替えを済ませ、コンビニに向かった。

買うものは、ゲームのための飲料そして菓子。

「炭酸もいいけど、今日はジュースでもいいなぁ〜」

買うものを迷いながら歩いていると、突然遠くから叫び声がした。

「助けてー!」

その声を聞き、体は自然と声のした方向へ進んでいた。

到着すると、暗酷と女性がいた。

「×(ばっとう)!」

すぐさま剣を振り抜き、その女性の前に立った。

「危ないですので逃げてください。」

と言い女性を逃がす。

「暗酷って夜に出るもんじゃないのぉ?まぁ夜はゲームやりたいから、ありがたいけど!」

勢いよく攻撃を仕掛けようとしたが、

「あれ、なんか短い…?」

先日戦った時や、修行時とは違って明らかに短い刀身。

攻撃は届かず、逆に吹き飛ばされる。

「うぉぉぉぉおおおおお!?」

全身に痛みが走ったが立ち上がれそうにないと意識では思いながらも、体は立っていた。

「本とかじゃなくて、ちゃんと教えてくれる人いれば良かったなぁ…てかそうか、光が安定してないんだ、灯呼ばないとかぁ…えぇ〜かっこよく1人で決めてみたかったのにぃ〜、勇者!的な〜」

と言っていると、聞き馴染みのある声が呆れたように言い放つ。

「はぁ…もう、そんなこと言ってないでちゃんと呼びなさいよ…手がかかるんだからまったく…」

振り返ると、そこには灯がいた。

「あ!いやいや、灯さん?さっきのは冗談でしてぇ、ちゃんと呼ぼうとしてましたよ?まさか、呼ばずに1人で倒せるなんて!バディと!だもんね!はははは!はははは…」

動揺が隠しきれていないが言葉を必死に紡いでみる。

それを聞きため息をついた後、灯が言った。

「説教は後にするけど、取り敢えず前のやつ倒すよ、バカ影」

言い終わると同時に、光結界が広がっていく。

結界の中に入り、両拳を前に出し合わせ、再度言う。

「×刀!」

刀を引き抜き、勢いよく飛び出していく。

すると、暗酷は素早く動き始めた。

影郎は立ち止まり、呟く。

「お前早いなぁ」

すると後ろから声がした。

「感心してる場合!来るよ!左!」

合図と同時に目を瞑り、剣を構え受身をとる。

「上!」

「右!」

「後!」

的確な指示のおかげで、受身を取れている。

お陰で、隙を見せた時に攻撃をできるよう集中力を高めれている。

「来るよ!前!」

灯の合図と同時に目を開け、懐を斬った。

「×(ばつぎり)!」

渾身の一振は、暗酷を斬り、影浄(えいじょう)した。


事が終わり、襲われていた女性を見つけ灯はすぐに近寄った。

「すいません、少しだけ目を閉じてもらえます?」

それに同意する女性。

答えを聞いた後、灯はその女性の目を手で覆い、術を使った。

「ありがとうございました!」

と灯が言うと、不思議そうに見つめ首を傾げる女性。

それを他所めに、こちらに近づいてくる灯。

顔は笑っていなかった…


-夜-

「ただいま!」

「お邪魔します」

と言い来たのは灯の家、菊月家。

声がすると同時に、大きな音を立ててこちらに来る足音がした。

「大丈夫かー!?灯ぃー!」

来たのは、灯の父、照地(しょうじ)

「灯?怪我は無いか?この男にたぶらかされてないか?」

質問ばかりする父親に呆れた娘がこう言う。

「お父さん邪魔」

それを聞くやいなや、ショックを受け泡を吹きながら倒れてしまう父。

倒れる音を聞き、ため息をつきながら奥からもう1人こちらに来た。

「たく、玄関先で何してんの…みっともない。あら、いらっしゃい。日和くん、灯もおかえり。」

来たのは灯の母、美生(みき)

2人が会釈をすると、影郎の怪我が目に入った美生。

「影郎くん、怪我したの?ちょっとまっててね道具持ってくるから、適当に座っててー」

と言い、すぐに奥にもどる。

美生に言われた言葉に甘え、リビングで椅子に腰をかける。

すると、後から呆れたような口調で話しかけられた。

「はい、これお茶。はぁ、なんか今のあんた見てると怒る気もおきないわよ」

と、いつも怒っている彼女から言われた。

また怒ってくるかと思っていたので少し動揺したが、一呼吸いれ落ち着き、口を開いた。

「そか、なら嬉しいかも」

と冗談混じりで言ってみた。

「そう、まぁいいわよ」

予想外の言葉に面を食らっていると、美生が道具を持ってきた。

「はい、持ってきたよ。灯?日和くんのこと手当してあげてね」

突然パスを投げられた灯は、すぐに顔を赤くして言い放った。

「なんで私が!こんなのこいつが自分でやるわよ!」

「そんな事言わないの。私はショックで倒れてるダメおやじを連れてかなきゃだから、頼んだわよ」

と言いこの場を後にした。

すると、こちらを向き灯が小さな声で呟いた。

「するから、早く服脱ぎなさい…」

聞こえてはいたが、聞こえないふりをしてみた。

するといつもの調子に戻り、

「あーもう!早くしろバカ影!」

「イタイイタイイタイイタイ!ギブギブギブ!」

一日中影郎の叫び声は響いた。


-同日-

「今どこ?私はもう着いたよ。」

眼鏡をかけた少女が、電話の向こうの男へと話す。

「いやぁー、スケジュールが多くてねぇ、今駅に着いたよぉ。叔父に連絡とか、引越しとか、各所の手続きとかで色々大変だったのよぉん」

と少しチャラめな男が少女に返した。

「そう、じゃ」

ブチと切られる電話。

「相変わらずだなぁ、ほんと。」

ため息混じりに呟いた。

携帯をしまい、駅のホームを出て、足を止めた。

「変わんねぇなぁ、久しぶりに会うわけだしお土産とか持ってきた方が良かったのかなぁ?まぁいいか!持ってきたら持ってきたで、なんか言われそうだしな!」

1人で納得した男は足を進める。

そして、こう言った。

「よし、行こうかぁ菊月に。」

いかがでしたでしょうか?

一週間以上期間空いてしまい申し訳ないです…

今回も至らぬ箇所多々あると思いますが生暖かい目でお願い致します…

Episode2は影と光の関係だったり、影師や光師がいる理由などの説明的な回になっております。正直分かりにくい!とかあるかなと思います、また随時前書き等で補足などしていきますので、今後もお楽しみいただけると幸いです。

ではEpisode3にてまたお会いしましょう。

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