第二篇の始まり
おれの読んだ本が2943冊になった。第一篇の時が2446冊だったから、あれから497冊増えた。その間に傑作をいくつか見つけたのであるが、それはたいした事件ではない。問題は、おれの小説ランキングに書評効果がほとんどないことである。
おれは十八歳から読んだ本すべてを面白かった順位を付けてランキングしている。しかし、その2943冊の題名を読むのは、おれ以外のものには、かなりの苦痛なのである。読者は題名の意味がわからない。おれは一度は読んだ本なので、だいたいの本の題名の意味がわかる。しかし、読者には意味のわからない題名の文字の塊を読むのは苦痛であり、読者がその題名がどんな内容の本なのか、調べることはまずない。そこで、ランキングからピックアップした本の書評がどうしても必要だということがわかってきた。
おれの小説ランキングは30年間かけて作ったものなので、そのランキングが妥当なのか検証するのに30年間かかることに、おれは気付かなかったのだ。
高く評価した本は読んでもらえるものだと思っていた。誠実なランキングをつづければ、良い本は読んでもらえるものだと思っていた。それでここ15年くらいひたすらに本を読んでいた。ただ黙々と本を読んでいた。しかし、ランキングの検証作業をするものがおらず、口コミでもまったく良い本が広まらないので、おれの人生は失敗してしまった。おれの読書人生は無為なものとなってしまうのか。
30年がムダになるだなんて、涙が出る。おれがこれから書く書評は、おれの読書人生が報われるかどうかの大問題になってきた。
第一篇で、一般人が生涯に読む本の数を100冊だと推定して、100冊分の本のスタンダードを決定した。しかし、100冊だけでは、あまりにも書評が少ないので、第二篇にもう100作を追加して書評することにした。これで、少しは読者との理解の隙間が埋まることだろう。
哲学や経済学や宗教学や科学は、あまり数を読んでおらず、第二篇からは一般書として登場することになるだろう。一貫性が保てなかったのは仕方ない。
それでは、「本のスタンダードをもう一度振り返る」をよろしくお願いします。




