第16話 寝ようと思う時ほど寝れない
アスカ様と会ってから3日後、今の時間は午前5時。
いつもなら6時過ぎまで寝ている私が、今日に限って早く起きてしまった。別に学園が楽しみで早く起きたわけでは無い。
『会ってきなさい』
学園に近づくにつれ、どうしても気になってしまうのだ。アスカ様が言ったこの言葉が。
この世界にきて約1ヶ月、会った人なんて数える人しかいない。
そして私の前からいなくなった人はただ1人。
(瀬戸君…)
彼が生きてる。頭では否定しても、そんな想像をしてしまう。
ありえない…。彼は私たちの前で死んでた。でもそうなると、私は誰に会ってこればいいの?
寝る前も、目が覚めてからもずっと同じことを頭の中で自問自答していた。
答えが見つからないまま、自然と瞼が落ちてくる。
時間はさっき見たとき5時を回ってた、ここで寝るのはマズい。
そうわかっていても眠気には逆らえず、目を閉じるーーー瞬間、ドアがノックされた。
そして入ってきたのは1人のメイド。
「おはようございます美嘉様。珍しいですね、この時間に起きているのは」
「まぁ…ね。なんで今日はこんな早いの?」
「お忘れですか?今日から皆様方は学園に行くのですよ。学園までは馬車が出ますが、それでも30分はかかるので早めに起こしにきたんです。と言っても、ここを出るのは7時半。今ちょうど6時になったので、まだ余裕はありますが」
「そう、わかったわ。ありがとう、起こしに来てくれて」
「お気になさらず、これも仕事ですから。朝食は個々で食堂で食べてくれとのことです。後、先ほども言ったように、7時半にここ出るので、7時20分には玄関に荷物を持って来て欲しいと、国王様からの伝言です」
「ありがとう、わかったわ」
メイドさんは挨拶をしたあと、私の部屋から出て行った。
さて、少し早いけど準備しましょうか。このままベットにいると、また眠くなってしまうわ。朝食は…いらない。食欲ないし。
そうして間違いなく私の運命を変える今日が始まった。




