表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第1章 異世界
12/90

第11話 覚醒?しません

 うぅ…ここはどこ?

 僕は気がつくと知らない場所に立っていた。

 周りは木々が生い茂り、知らない鳥や動物たちが豊かに暮らしてる。



『待ってたよ』



 え?

 声が聞こえた方を向くとそこには、直径30センチ程の光る球体が浮いていた。

 声が聞こえたのって、まさかこれから?



『そうだよ。そしてボクは君をずっと待ってたんだよ、瀬戸翔太君』



「僕を?って今考えてることを…ッ!?」



『うん、読んだよ。ここは君たちでいう世界の真理だよ。ボクは世界そのもの。おめでとう、君は世界の真理に辿り着いたんだ』



 ここが世界の真理…。でもどうして?



『それはね、君がこの世界が何を望んでいるか気づいてくれたからだよ。そもそもボクは星の延命なんて望んじゃいない。ボクはーーー』



 知ってる、この世界が望んでるものは



 自由

『ーー自由。ハハハ、さすがだね。そう自由だ。動物や自然は自由に生き、人間たちは好きなように進化する。そんな世界を僕は望んでるんだ』



 球体は、楽しそうに話続ける。

 本当にそう願ってるんだね。聞いてるだけですぐに分かる。

 でも、神は違う。最後に残った絵本。あれで全て理解した。神はさっき言ったように星の延命を望んでる。神は星自身が自我を持ったことが気に入らない。歯向ったことが腹立たしい。



『そういうこと。君たちを召喚した理由わかったかな?』



「わかりたくなかったけど 、ここまでくれば必然と。まさかこんな理由なんて。正直僕は戦力外だよ?」



『それは違うよ。君が探すんだ、本当の勇者たちを』



 はぁ!?無理無理無理。



「何ちゃってるの!?僕なんかじゃ無理だって。第一世界そのものなら僕の力知ってるでしょ?」



『知ってるよ。だから僕が君のスキルを進化させる。ウルトラスキルへと』



 あぁ、そういえばアスカ様がスキルの進化とか何とか…本当に上があるとは。あの人いったいなんなんだろう?

 というか僕、物語の主人公みたいなことになってるんだけど。こんな簡単に強くなっていいのかな?



『アスカ?あぁ初代賢者の彼女のことね。そっか、それで君はこんなに早く…なるほどなるほど。あ、安心して。スキルを進化させたからって強くならないから。それに主人公?君が?無い無い。戦力外だって自分での言ってたじゃん』



「えええェェェ!あの人が勇者として呼ばれたけど、仲間割れで1人で戦ったあの賢者!?」



 それとサラッと僕をディスったよね今。



『あれ?気づいてなかったの?じゃあスキル進化の説明と一緒に彼女のことも教えてあげる。そうだね、まずは彼女のことを話そうか。彼女、アスカは今はこの国の王妃としてフォン・ラースと名乗っているけど、彼女の本名は違う。本名はーーー』



 ここから僕は、自分のスキルをフル活用して世界の言葉を理解し纏める。




 ーーーーーーーーーー




「翔太!おい翔太、返事をしないか!翔太!」



 何がどうなっている!?私はただ、絵本を朗読していただけだ。なのに何故翔太は心肺停止の状態になっている?

 いやいや焦るな、落ち着け。

 とにかく今はアスカ様にこの状態を一刻も早く報告をしなくては。

 私はすぐに魔力探知を行いアスカ様を探す。



 ……居た!訓練場!



 直ぐに影の中に入り、全速力で訓練場に向かう。

 疾さに自信のある私は、10分以上かかる距離をものの1分で訓練場の入り口まで辿り着く。

 そこで影から地上へと姿を現し、アスカ様のもとへ向かった。

 もちろんそのまま影で移動したほうが早い。だがそれだと騎士団長や異界の学生にわたしの力がバレる。それは隠密部隊としてはマズい。だから今回はこの方法をとった。

 と言ってもアスカ様まで後は直線約500メートル。私にとっては無いに等しい。

 既にアスカ様の姿は捉えている。

 私は走りながら、エプロンのポケットからパピヨンマスクを取り出し顔につける。

 よし、これでバレまい。あとは…本当は無礼極まりないが、気にしている余裕はない。

 あとで起こる罰を覚悟し、大きく息を吸い込む。



「スゥゥゥゥ…アスカ様ァァァァァァ!」



 アスカ様が耳を抑えながら睨むような目でこっちを向く。

 それにしても相当大きな声だったのだろう。今アスカ様いる武器練習の奥、魔法訓練の場所にいる生徒たちまで何事かとこちらに目を向けている。

 そしてアスカ様の前まで来ると私は跪く。ここまで3秒だ。



「ヒスイ。あなた私の鼓膜を壊す気ですか?」



 怒気を含んだ声で聞いて来るが今それどころではない。



「申し訳ありません。罰なら後でなんでも受けます。それよりも緊急事態です!」



 ただならぬ雰囲気を感じたのか、アスカ様そのまま話を促す。



「しょう…彼が意識を失いました。心肺停止状態です!」



 すぐ誰のことかを理解したのだろう、アスカ様は目を見開き冷や汗を流す。



「私はすぐに彼の元へ向かいます!ヴァン、あなたはヒスイとともに地下にある〝幻獣の血〟を持って来なさい。2分以内にです!」



「「ハッ!」」



 アスカ様は指示だけ出した後、返事も聞かず身体強化をし訓練場から姿を消す。

 それに続くように私とヴァンさんも身体強化をし地下室の宝物庫へと向かう。



「ヴァンさん、〝幻獣の血〟というものは本当に存在したんですね。私、嘘だと思っていました」



「確かにそう思われていたのも仕方ありません。あれを使うことが出来るのは、この世界でアスカ様ただ1人。なのですぐ近くにいる私のみ場所を教えてくれていたのです」



「じゃあアスカ様がだけが出来るあの魔法って」



「えぇ、貴女が知ってる通りですヒスイ様。こう言うと不謹慎ですが、これからお目にかかれるかもしれませんよ。蘇生魔法を」



「……様付けはやめてください」



 宝物庫についた私たちは、ヴァンが扉に付いているトラップ用の魔法陣を解除し、宝物庫の1番奥に置かれている小瓶を手にし、翔太とアスカ様の元へ向かう。



 死ぬなよ翔太。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ