いざ、外の世界へ!
更新遅れてしまい本当に申し訳ございません
「おはようございます。昨日は、階級と武器に関する説明に夢中になってしまい、コードネームと、能力に関する説明ができませんでした。申し訳ありません」
「別にいいけど。コードネームって?」
「これから、まずは三ヶ月間あなた様にコードネームとして、使っていただく名前は、〝フィンド〟です」
「フィンド…か…」
「お気に召しませんか?」
バロンが画面越しに伺う。
「いや、気に入った。ありがとう。」
「それなら、幸いです。次に能力についての説明ですが…」
「能力…」
「何か心当たりが?」
「あぁ、昨日、そこに置いてある、〝キカイ〟に触ったら凍りついて鏡は曇ったりヒビ入ったりなんか、色々あったんだよ」
「まさか…トレーニングをする前に能力がでてくるなんて…。後で上に相談してみますね」
バロンは、自分専用のボードにペンでカリカリと、メモった。
「で、あなたの能力は診断の結果〝大気操作能力〟と診断されました」
「大気操作能力?」
「はい。どうやら、あなた様は大気を操り、気温や湿度、天候などを自由に操れるようです。天候を操れるようになるのはまだまだ先だとは思いますが」
「なんかカッケーな。まぁ、それはいいとして、このキカイ一体なんなんだ?」
「それは、このモニターと連動するものです。外にいる時はその端末が私との唯一の通信手段になりますので、取り扱いには注意してください」
「…」
「どうかなさいましたか?」
「凍ったまんまなんだけど…」
「解けてないんですか⁉なんて…これも報告しなければ…」
バロンはまた、ボードにメモる。
「メモじゃなくて…これ…どうすれば…」
「あっ、申し訳ない。じゃあ、取り敢えず新しいのとお取り替えいたしますね。その前にまず、机の一番上の引き出しを見てみてください。なかに石が入っているはずです」
「あったよ。これはなに?」
「それは抑力石です。」
「抑力石?」
「はい、その石は、能力者の力を自在に操ることができるようになる石です。あなた様がもっと強くなられたら、その石の持つ本質をお教えいたしましょう。それまでは取り敢えず持っているだけで結構です。その石を持っていればあなた様の能力を封じることが出来ます。それを持っていればしばらくは、力の暴発は起きないでしょう。さて、では次に支給をしますが、一つ気をつけて頂きたいことなんですが、まず、ドアの横のボタン、それを〝支給ロード開放ボタン〟というのですが、それを押してください。」
フィンドは、ドアまで歩み寄り、ボタンを押した。すると、壁がずれて穴が空き、中から受け取り皿のようなものが出てきた。
「それは支給ロードといわれるものです。次にこちらにきてください」
フィンドはモニターに近寄る。
「そうしたら、身体の一部を画面に押し付けてください」
フィンドは、言われたとおり、手のひらを押しつけた。すると、モニターが起動した時と同じ「ピッ」という音が出ると、指先から線が引かれ、膨大な量の情報が書き出された。
そして、画面が暗くなったかと思うと、画面中央にHOMEと、表示され、いくつかの項目が出てきた。さっきまで画面にフルで映っていたバロンは、画面左上に映っていた。
「色々と項目があると思いますが今回は〝支給〟を押してください。そうしたら、〝セム〟と言ってください、はっきりと」
「セム」
「ピッ。セム…」
しばらくすると、画面に机の上にあったのと同じ機械の写真が表示された。
「それをセムといいます。今回は抑力石を持っているので凍ることはないはずです」
「ありがとう」
「次に横の〝支給〟ボタンを押してください」
フィンドは言われたとおりボタンを押した。
すると、受け取り口の上が光に覆われ光が消えると、〝セム〟が置いてあった。フィンドがセムを掴むと、フィンドの手に反応し起動した。
「では、次にセムについての簡単な説明をしますね。先ほども言ったとは思いますが、一つ目に、このセムはあなた様が外にいる間の、あなたと私の唯一の、連絡手段となります。また、セムは学習能力を持っているため、二人の関係について、どんどん詳しくなり、使いやすくなっていきます。つまり、使えば使うほど、二人にとって、より良いものになって、いくのです。余談ですが、一部の人々は、このセムの特徴から、セムを〝キズナ〟と呼ぶ人もいるようです。まぁ、簡単にはなりましたが、セムについては以上です」
「ありがとう。あ、今思ったんだけど、外ってなに?」
「外は外です」
「…。いや、そういうことじゃなくて、外って言う概念がここではそのまま通用しないんじゃないかと思って」
「まぁ、それもそうですね」
バロンはそうだったと手を叩いた。
「かなり駆け足になっているんですが…外にでたいですか?」
「出たい」
「まず、安全なところからお連れしますが、どうなっても知りませんよ?」
フィンドはなんとなくだが、バロンの言葉から悪意を感じ取った…が、
「オーケー、行って見る、やって見ないことにはなんも始まらないし」
「わかりました。では、最後に外すなわちフィールドについて、大まかに説明して外に出るとしましょう。まず、フィールドとは、簡単に説明すれば、トレーニングのための場です。そして、世の中の大半のフィールドは、人口のものです。自然のフィールドについては、今はいいでしょう。まぁ、人口的に、フィールドを建設することによって、自分の能力や体力、レベルに合ったトレーニングが可能となるわけです。次にフィールドの種類についてです。フィールドは、現実同様、主に陸•海•空の三種類に別れます。まぁ、最初は主に、陸での訓練が主になると思いますが。
というか、長く話しても疲れるだけなんで、とりあえず行って、わからないことがあったら、そのときまた対処しましょう。では、早速外の世界に行ってみましょう。」
フィンドは、ドアを開けた。すると、そこには恐ろしく長い廊下がフィンドを待ち構えていた。
「ピピッ」
バロンからの着信だ。
「もしもし?」
セムに向かって話す。どうやら、セムはテレビ電話も可能なようだ。
「外に出れましたね」
「出れないわけないじゃん」
「これは、失礼」
「で、どこに行けばいいの?」
フィンドには、右と左の二つの選択肢があった。左にはドアが多くあるのが良くわかるが、右は途中でドアがなくなり、道が曲がっているのが見えた。
「ドアをでて左は主に居住区となっておりますので、まずは、右にいき、居住区を抜け、突き当たりを左に曲がってくださ。」
「突き当たりをひだりだな、わかった」
フィンドは左に向かって歩き始めた。すると、いきなり右のドアが開き、フィンドの鼻に
激突した。
「いってぇ…」
思わず声をあげ、後ろに転ぶ。扉には2525と、金色の文字で彫刻が施されていた。思い返せば、自分の部屋は2527だったな…と気付く。
2525でニコニコか…皮肉なもんだ…そう思いながら、立ち上がると、一人の女性が部屋からでてきた。
「あら、ごめんなさい…ちょっと、部屋で実験をしていたもので…見かけない顔ですね。
新入りさんですか?」
「えぇ、まぁ」
「ほんとに、いきなりごめんなさいね。今度ゆっくりお話でもしましょうか。では、続きがあるので、また」
笑顔でそう言い、部屋に戻っていった。
「…意味わかんねぇぞ…なんだ?初対面の人にお茶誘われてもな…」
そうだ、俺は外に行くんだった、そう思い出し、少し小走りになりながら、曲がり角に向かった。




